帰路的歩行記

2002年04月07日 果たしてたどり着けるのか・・・?


このように先行きの全く見えない暗い田舎道なのである!


「日頃の運動不足が如実に分かるぞ」

昨日の続きである!

4月5日金曜日の夜、青山「SEABIRD」でジャズライブを楽しんだ私は、22時頃店を出た。夜風に吹かれながら渋谷駅を目指した。バンドメンバーは飲みに行くと言う。私はアルコールを嗜まないので、とっとと帰ることにした。今夜出会った「カトリーヌ」はまだ2才前であろう。子供が可愛いのは3才までだ。それ以降は子供もあれこれ口数が多くなり、育児中についつい腹をたてることも多くなる。せいぜい今のうちに可愛がり、可愛がられておきなよ〜!

東横線のホームに辿り着き自宅に電話を入れる。いつものように駅まで妻に車で迎えに来てもらう為だ。当家と駅との距離は約3.8km。毎日徒歩で通うにはいささか辛い距離である。バスに乗ろうにもこの時間になると最終バスは出てしまった後なのだ。

「これから急行に乗る!よろしく!」
「車はないよ!涼子が乗って行った!帰りが遅くなるって!タクシーで帰って来て!」
「えっ涼子が乗って行った?タクシ〜?」

くっそ〜!だから子供は3才までしか可愛くないのだ〜〜〜!!!

日吉駅前のタクシー乗り場は、夜おそくなると大行列ができる。下手に並ぶと待ち時間だけで途方もない時間を潰すことになってしまうのだ。ううむ・・・車がないのはもうどうしようもない。しかし、帰らないわけにはイカンのだ! 電車に乗り込んだ。

日吉駅着。改札口を出ると目の前には・・・タクシー待ちの人々がずらりと並んでいた。うおおお〜〜〜!!!なんぢゃこの人数は〜!こりゃいかんぞ〜!素早く人々を見回し、相乗りを頼もうと、同じマンションの住人がそこに並んでいないかをチェックした。ズンズン歩き、列の一番前まで捜してみた・・・が・・・一人も見つからない。ううむ・・・どうしよう・・・。

このまま寒空の下で、ただ無策に並び続けるのは辛い。目の前の時計台を観た。22時40分である。3.8kmの夜道を自宅まで歩くか?予測歩行時間は50分程度と予想されるが・・・。ええい!行っちまえ〜〜〜!!!と、いきなりズンズン歩き始めたのである。幸い、足下はスニーカーである。荷物もバッグ一つ。何も問題はないだろう。

現在ダイエットを開始して半月経つが、まだまだ減量が加速してくれない。1日143g痩せれば8週間で8kgの減量が可能なのだが、世の中はそう簡単に理論通りに事が運ぶわけがない。ええい!この際だ!思いっきり歩いてしまえ〜〜〜!!!

5分後、早くも商店街を抜け出した。後は薄暗い住宅街がしばらく続く。歩行開始10分後、まだ体力に問題ない。だが、足の運びが少し重くなって来た。その時、気付くのである。このあたりの地形は起伏が多い。少し前からなだらかなダラダラと続く上り坂になっていたのだ。一歩ごとにしっかりと踏み締め歩き続ける。

15分経過。ここまで来ると歩行者はほとんどいない。街灯が多く歩行に心配はないがうら寂しいぞ!さらに進む。右に曲がりいよいよ、婦女子なら夜は恐くて歩けない地帯へ突入する。ズンズンズン歩き続ける・・・と・・・あららら・・・突如尿意が湧いて来た。自宅まで行きつけるのか?取りあえず歩き続けてみよう!

20分経過。尿意は思ったより早く強くなって来た。周りを見回すと、歩行者は誰も見えない。走っている車さえ見えない。幸いそこに草むらがあった。もう我慢できない!そそくさと草むらに向かい大放尿!ふ〜っ・・・女子には一生味わうことが出来ない「シズク切り」の儀式を行い、再び歩き始めるのである!

路上駐車の車両が進行を邪魔していた。ナンバーを見ると777である。ほほう!なんとなく得したような気になるが、そんあこあたあ気のせいだ。とっと先を急ぐ。

25分経過。そろそろ体温も上がり、アドレナリンが分泌されて来たのか気分が昂揚して来た。このあたりでそういう状態にならないと、ここから先は辛い地帯に入る。言わば農道である。畑のまん中にまっすぐ延びた道路はほとんど明かりがない。精神状態が維持できないととてつもなく辛い歩行になるのだ!自分の行き先が見えない状態で歩くのはどうもなあ・・・。


このように行く手は真っ暗なのだ!


30分経過。真っ暗な中を歩く。だが、田舎とは言えここは日吉なのだ。空を見上げればうっすらと明るく見える。その空の明るさだけが救いである。ズンズンズンさらに歩く。かつて大雪の降りしきる中を歩いて帰ったことがあったが、あれに比べれば天国だ。体温がかなり上がっているが気温が低いので、徒歩が少しも苦にならない。

35分経過。いよいよ目的地である我が家周辺の明かりが遠くに見えて来た。おおお〜〜〜!!!あれが希望の地だ!まだかなりローンを残しているが、明らかに我が家なのだ!待っていてくれ、私はもうすぐ帰りつくぞ〜!ズンズンズン。

40分経過。最後の交差点を右折した。7-11を過ぎマンション内部へと入る。改造中でシンナー臭い廊下を突き進み、階段を2階分昇り、自宅玄関に辿り着いた。ふ〜〜〜っ。玄関をあけつつ時計を観る。23時24分であった。総歩行時間44分。さすがに最後の5分は太ももがだるくなって来ていたな。日頃の運動不足が如実に分かるぞ。すぐにシャワーを浴びたのは言うまでもない!

着替えを済ませ、自分の部屋に入った。そして、机の上を見ると、1000円札が1枚置いてあった。なんだこりゃ?こんなものを置いた覚えはないが・・・。ん?もしかして・・・おおう!そうかそうか!娘はオヤジがタクシーで帰宅するものと思い、自分が車を使ったオワビに、タクシー代金として1000円を置いて行ったようだ。ふははは!!!私はタクシーなんぞは使わなかっだぞ〜!



本日の結論
時給1000円のアルバイトをしたような感じである。そして、翌日は筋肉痛。

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