複製的講義材

2002年04月03日 出来ないはずのものが出来る事に・・・!


メイキングがたっぷり入ったDVD!


「 そうすると自らの命取りになる」

この季節になると、どの会社も新人教育で大変だ。毎年、同じ内容をくり返すのならさほど苦労はしないが、業界によっては新技術の躍進が頻繁で、それに対応した教育を施さなければならない。それとは逆に、昨年まで行っていた教育が必要無くなるケースもある。

例えば、キーボード入力の研修がそれにあたる。今年の新人であれば、学生時代に充分にコンピュータを触って来ているはずだ。携帯電話でのメールのやり取りも頻繁な彼等に、いまさらキー入力の教育を施す必要はないだろうな。入社してから車の免許を取得させる会社も無いだろうから、それと同じ事だね。キーボード入力の能力と運転免許は、新入社員には「デフォルト」でついて来るってな感じだろう。

4月2日に親会社の新人研修で、私は講師となった。「デジタル合成」についてがテーマ。新人達にとって、論理の部分は、理解する為の基礎を実体験していないのでなかなか難しい。しかも、私に与えられた時間は、昼食後の13時からだったのである!私の講義が始まればすぐに睡魔が襲って来るはずだ。さ〜〜〜て、これをどうやって防ぐのか?まず、私自身が眠くならない為に、昼食は食わない作戦に出た。しかし、新人達に食わせないワケには行かない。

そこで立てた戦略はこうであった。持ち時間90分のうち、私がしゃべるのは30分だけとし、残りの60分は、実際の技術者がサンプル映像を使って分かりやすく解説する事にした。最新の映像合成技術使って制作されたCMや映画のメイキングビデオを紹介しながら、解説を加えて行くのだ。そうなると、必然的に興味ある題材なので、新人達の目が開いてくれると言う算段である。

このような講義の場合、問題となるのは映像素材集めである。適確な面白い画像が見つからなければ計画倒れとなる。最近はDVDを買うと、ほとんどの映画におまけとして「メイキング」が収録されている。どうやって合成したかが丹念に解説されているのだ。つまり、それらの映画のメイキングを数本分集めれば研修素材は揃うと言うわけ。わはははは!

だが、それらのメイキングシーンはかなり長めに作られているので、DVDをそのまま見せるのは面倒な事になる。こちらの講義内容に合わせて都合良く、美味しいところだけをピックアップして編集し直す必要が生まれる。面倒な作業だなあ・・・とその時!新たなる問題が発生するのである!

DVDに収録されている映画は、コピー防止策がとられている。デジタル収録された映画がコピー出来るとなると、いくらでも海賊版の製造が可能になるからだ。となると、個人的に一部分を取り出して編集しようにも、コピーそのものが出来ないのだから、お手上げとなる!うおおお〜〜〜!!!

だが・・・そう言えばその昔、VHSにコピーガードが入っていた時、ある方法を使えばすんなりコピーできた記憶がある。DVDにもそのようなテクニックは無いのだろうか?事情通の某氏に尋ねてみた「問題ないっす!DVDは●●●を通せばコピー出来ますよ!」とあっさり返事が返って来たのだ!ううむ・・・・「蛇の道は蛇」のコトワザ通りである!

さて、次の問題である。各音楽出版者は「コピープロテクト付CD」の発売計画を次々に発表している。カセットやMDにはコピー出来るがCD-Rにはコピーできない処理がなされているのだ。このコピープロテクトの信頼性はどうなのだろうか?すでに、ある機種のコンピュータでは「コピープロテクト付CD」でもコピー出来るとの情報もあるようだが。これまたすぐに「プロテクト破り」のテクニックが知れ渡るのだろうなあ!

デジタル技術はコピー技術との戦いでもある。よりオリジナルに近い画像や音を配付したいが、そうすると自らの命取りになる。そんな矛盾に満ちた映画、音楽業界なのである。



本日の結論
上記の●●●の部分を御存知の方もいるだろうが、まだ御存知ない方々がほとんどであろう。
この件に関してのお問い合わせには一切お答えできないので、ご了承いただきたい!

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