「こんな罠が至る所に仕掛けられている」

ほとんどの企業が給料日は月末だろう。25日支給の会社が多いだろうか？私の勤務先は毎月の末日である。つまり今月は28日になる。ということは、今週は全社員が金欠状態なのである。そんな経済状況の中、社員3名を連れて昼過ぎに某所へ編集システムのデモを見に行った。「今ならお安くして、特価の2800万円です！」そう言われてもなあ・・・。

2時間程でデモは終了したが、会場を出るなり１人が言った。「腹減りましたね〜！吉野家に行きません？」ほほう！さすがに月末の金欠時には「吉野家」という選択肢になるのか！「吉野家」はそこから徒歩5分程の距離にある。全員一致で行動を開始した。四人はやや温くなった風を受けながら目黒川ぞいを歩くのである。桜にはまだ遠いなあ・・・。

午後3時頃の吉野家は70％の着席率。入り口には「SMAP中居」の実物大写真が張られていた。我々が入って満席となる。さて、何を発注しようか？二名は「大盛り」二名は「特盛り」を選択した。それぞれに卵やみそ汁のオプションを添付した。やがてお茶が運ばれて来て、ズルズル飲みながら「牛丼」が出て来るのを待った。

と、ちょっと気持ちが落ち着いた頃、ふと頭上のポスターに気付いた！そこで全員が叫ぶ事となったのである！「ううう！失敗した〜〜〜！！！」2月28日まで、吉野家はサービス期間中だったのだ。そのサービス内容とは「牛丼お持ち帰り3個で1個サービス！」になるのだった。

我々は四名である。つまりこのサービスを使えば三名分の出費で四名が昼食にありつく事が可能だったのである！だが・・・気付いた時にはもう遅かった。私の目の前に「特盛りつゆだく」が置かれてしまったのだ！ハグハグと一気呵成に喰いつくせば、もうはち切れんばかりの満腹。そして・・・帰り道、受け損なったサービスの事が気になるのだった。

並盛り280円X3=840円これを四名で割ると210円になる。ほほう！一人前210円になったのか・・・。今回の出費は四名分で2180円だった。上司としては月末の社員の懐具合を考え「ここは私が支払おう！」と大盤振る舞いをしたのである！もし、それが持ち帰り「牛丼」サービスであれば、それぞれが払っただろうから私個人としての支払は1/10以下になったはずである！うおおお〜〜〜！

イカンイカン！たかが2180円ごときでうろたえるでは無いぞ！ちょいとコジャレた店の水割り1杯の値段ではないか！などとセコイ銭の話をしたところで、そろそろ本題に移ろう！

皆様は毎週土曜日��深夜24：50〜に日本テレビで放送されている「マネーの虎」という番組を御存知だろうか？「超現金主義・史上初投資バラエティー」とサブタイトルが付いている。簡単に書けばこの番組は「マネー版ガチンコ」である。「金が欲しい出場者がプレゼンテーションを行い、投資家が即決で投資するかどうかを決める」のである。そして、投資が決定すれば、その場で現金が手渡されるのだ。数百万から数千万円に及ぶ。

最初に観た時は「キワモノ番組」と思っていたが、何度か観ているうちにクセになって来た。希望に燃える出場者と、つわもの投資家の戦いは一見に値する。ユニークなのは、その投資家達の顔ぶれだ。個性的な顔ぶれの創業者社長が名を連ねているのである。

堀之内九一郎	株式会社生活創庫　代表取締役社長 年齢： 54歳 年商： 50億円 事業内容： リサイクルショップ
高橋がなり	ソフト・オン・デマンド株式会社　代表取締役 年齢： 42歳 年商： 60億円 事業内容： アダルトビデオ
上野健一	ノシアス理想都株式会社グループ　代表 年齢： 40歳　 年商： 62億円 事業内容：不動産業
加藤和也	株式会社ひばりプロダクション　社長 年齢： 30歳 事業内容： 芸能プロダクション ※あの、美空ひばりの長男
川原ひろし	なんでんかんでん・フーズ株式会社　社長 年齢： 37歳 年商： 6億円
文野直樹	株式会社 大阪王将　代表取締役社長 年齢： 42歳 年商： 70億円
吉川幸恵	よし川グループ　代表取締役
床波浩	株式会社　ビットウェイブ　代表取締役 事業内容：インターネットビジネス

彼等投資家は、番組で設定された会場へ現金を持ち込む。そして、自分の前に札束を積み重ねるのだ。毎回1億円近い現金が机の上に置かれる状況は壮観である。司会は吉田栄作だ。バラエティーと言ってもタレントが大騒ぎする形式では無い。やらせの客もいない。出場者は殺風景な会議室で、１人淡々と「何故いま、現金が必要なのか」を投資家に向け語るのである。新しい商売を思い付いたので、その軍資金が必要というケースが一番多い。

出資者の社長達はそれぞれ「苦労人」なのだ。人生の裏側を観てここまで成り上がって来たのだ。生半可な事では納得しない人々である。堀之内九一郎氏は、一時期ホームレスにまでなったと言う。そんな手強い彼等に向かい、理路整然と説得をし、出資させようという気にさせなければならない。しか〜し！毎週2名現れる出場者達はそのほとんどが「地獄」へ突き落とされる事になるのだ。

企画力の甘さ、着眼点のズレ、信用できないその態度、など「金を欲しがる若造」達の心のひだまで見抜かれるのである。ここで語るプレゼンテーション内容には嘘が有ってはならない。もしそれが発覚すれば、例え投資が一旦成立していても発覚時点で投資は取り止めのとなるのだ。

最近の例で言えば「5000万円を投資して欲しい！」 と申し出た出場者がいた。この番組では最高額だろう。外資系アイスクリームのチェーン店展開をしたいのだと言う。「マネーの虎」たちは徹底的に質問攻めにした。青年は自信満々に、理路整然と戦い続けた。だが、最後まで誰も投資するとは言わない。あまりにもその青年は自信がアリ過ぎた。そして、長い沈黙が流れた。投資はダメか？と諦めかけたその時！堀之内九一郎氏はこう言ったのだ！「5000万円投資してもいいよ！ただし1年後の今日、利子はいらないから5000万円全額返せる？」

「ありがとうございます！」そう喜びの表情で答えた出場者は、一瞬考え込み「返せます！」真剣な表情でそう言い切ったのである！これが実はワナだったのだ！堀之内九一郎氏はすぐさまこう反撃して来た「返せるわけないじゃないか！1年でどうやって返せるんだ！君を奈落の底に突き落としてあげようか？もし、君が『返せない！』と言っていたら私は投資したかも知れないよ！」

この出場者が最後に放ったたった一言の「嘘」でその野望の火を消し去られてしまったのである。こんな罠が至る所に仕掛けられている。ほとんどの出場者は数百万円〜1000万円程度の投資を望んでいるが、私が観る限り、現金ゲット率は20％程度だろう。ほとんどの出場者は「甘い」のである。「マネーの虎」達の心を揺さぶる魂を持った者達だけが現金をゲット出来るのだ。

あなたはこのページにアクセスして、じっくり読んでから出場してみる気はあるかい？



本日の結論
銀行に行ったところで、どうせ素人には貸してくれねえしなあ！ いい番組だなあ〜！

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