読了的原発本

2002年02月25日 原発は何度も占拠されているが!


高嶋哲夫著 「スピカ」宝島社 1429円+税


「守備もし易いしな!」

今までに読んだ本で日本が危機に陥ったケースは数多い。例えば「宣戦布告」なんてな本は北朝鮮のテログループとの戦いを描いた本である。日本海側から上陸した攻撃チームが徐々に日本を侵略して行く。しかし、防衛するには多くの壁があった。現在の自衛隊は、敵に向かってライフルを1発撃つにも法律に縛られて自由にならない。 日本の警察機構や自衛隊出動への法律的問題点、自衛隊そのものの問題点など、数多くの日本の抱える悩みを暴きつつ、日本国はどうやって北朝鮮と戦うのか?政治判断としてウジウジした国内の戦いもネッチリ描かれていた。そして国家はどう決着をつけるのか?なかなか面白い本だったが・・・。いつもの通り、オチを書くわけにはいかないな!

その後も、何冊か日本と外国のテログループとの戦いを描いた本は読んでみたが、その中に原発の内部まで侵入する話はなかった。今回読んだ本は、高嶋哲夫著 「スピカ」宝島社 1429円+税 である。もちろんBOOK OFFの100円コーナーで購入したものだ。1999年12月に発刊されている。上の画像で分かる通り、サブタイトルが「原発占拠」と書かれているが、その通り、原発が侵略グループに占拠されたらどうなるのか?それが克明に描いてある。

筆者の高嶋哲夫は1999年「イントゥルーダー」でサントリーミステリー大賞を受賞している。私も読んだはずなのだが、内容をどうも思い出せない・・・。高嶋哲夫は1949年生まれだから53歳か?「スピカ」が原発の描写に秀出ているのは著者の経歴がそうさせているのだろう。高嶋哲夫は元日本原子力研究所員なのだ。

「スピカ」では、政治的判断等の部分がかなり明解に短か目にしてある。この部分が「宣戦布告」とは全く違っているな。ストーリー展開は早い。ぐんぐんと引き込まれあっと言う間に読み終えることが出来た。それでは、久しぶりに腰巻きの文章を書き出してみよう!

サントリーミステリー大賞受賞第1作
元原研研究員の大型新人作家が世に問う長篇問題作!

人類史上 最悪のテロ 臨界!!日本列島
チェルノブイリを上まわる災厄が日本を襲う。
世界最大の原発を暴走させる謎のテロ集団の目的とは?


巨大原発が謎のテロリストの手に堕ちた。
汚染ガス放出の予告。予想される、チェルノブイリの何万倍もの被害----そのとき日本は、世界は、何が出来るのか?そして「スピカ」の暗号名に隠された驚くべき陰謀とは・・・?

「イントゥルーダー」第17回サントリーミステリー大賞の大賞と読者賞を獲得し、絶賛を博した期待の新進作家・高嶋哲夫(元日本原子力研究所研究員)が、科学の進歩と人間の幸せの間に横たわる根源的な問題をテーマに、最も懸念される21世紀・原子力発電時代の恐怖のシナリオを迫真のタッチで描いたエンターテイメント!


ここにも繰り返し書かれているが、元日本原子力研究所員という経歴が書かせる原発の内部構造のリアリティーや稼動状態のリアリティーが、いやが上にも緊張感を盛り上げるのである。フィクションであるのは分かっているのだが、なかなか現実味を帯びた展開に感じさせるなあ。

さて、舞台となるのは日本海側富山県の原発である。かなりの小説で日本海側原発が頻繁に狙われる。距離的に某国との距離が近いから必然的に占拠する組織は、いつもいつも日本海側から上陸するのである。これら数々の小説内容を考察し熟慮し、敵が攻め難い原発建設予定地を選定するならば、それは必然的に太平洋側になるだろう。となれば、やはり東京都お台場の埋め立て地が最有力候補となるのか?守備もし易いしな!(そうか〜?)



本日の結論
原発はこれだけ電力供給をしているのに、いつもいつも厄介物扱いにされて悲しいねえ・・・。

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