六弦的年代考

2001年12月12日 手に入れたものの年代は?


HAMER KORINA ARTIST シリアルナンバー 849466 011

「早くもループ状態に入ってしまう私だ〜!」

ワインには「当たり年」があり、収穫された年の表記は必須である。当たり年のビンテージワイン価格はとてつもなく高くなる。だが、ワインに関する知識はほとんど無いので、具体的にどの年が当たり年であるのか知らない。知ったところで、私は酒を飲まないのだから「この年は旨くてさ〜!」などと試飲しつつ、知ったかぶりを言うこともない。

さて、ギターにもそれがある。特に有名なのは1959年製ギブソン・レスポールだ。俗にバーストと呼ばれているそれは名器として、とんでもない価格で取り引きされている。最近はヒストリックモデルとして、バーストにいかに近付けるかを目指したギブソンカスタムショップモノが販売されている。モノによっては、塗装のハゲや色抜け、ひび割れに金属パーツの錆まで再現し、古く見せるための加工が施されているモノが販売されているが、私はそんなものは欲しくないな。くれると言うなら喜んで引き取るがね(おいおい!)

ギターの場合、工場の移転前や大量生産が開始される前の、手作り真っ盛りの頃の品が珍重される傾向がある。1970年代後半から1980年代前半までのB.C.RIchはその典型的なものだ。手作りだけに、1本ごとに微妙に仕様やシェイプが違っている。この違いがマニアにはたまらない魅力となっているようだ。このようなWEBも存在している。

P.R.S.の場合1995年までと1996年以降では、人によっては1995年までの方がよいと評価している。1996年からは新しい工場での製産に移った為だ。だが、本当にそうだろうか?精度の高い新しい機材を使って造られたものが、手作りと言われているものに比べ劣っているのだろうか? もともと精度の高さでは定評のあったP.R.S.が、そんなに激変しているとは思えないのだが。ちなみに、手持ちのP.R.S.Custom24の年代はシリアルナンバーからすると、1992年製であることが分かる。
  
12月11日夕方、渋谷で受け取った「HAMER KORINA ARTIST」は、ほんのわずかな擦り傷しか無く、極上中古品であった。譲渡者の荒井様も傷つけたくなくて、慎重に扱われていた様子が忍ばれる。だが、フロントピックアップカバーのピックの擦り傷からすると、大切に扱ってはいたが、しっかり弾き込んでいた感じがするな。

ギターにはたいていシリアルナンバーが書き込まれている。メーカーや年代によって、シリアルナンバーのシステムは様々である。荒井さまから受け取った時に「このHAMERは何年製ですか?」と聞いたところ「分からないんですよ。シリアルの読み方を知りませんか?」と逆に聞かれてしまった。そう言えばHAMERのシリアルシステムをまだ知らなかったことに気付いた私であった。

帰宅後、さっそく調べてみることにした。そして、すぐに見つかった。それはアメリカのWEBに表示してあったのだ。シンプルなシステムだ。シリアルナンバーが 74871 であれば1997年の4871本目である事が分かる。では私の「HAMER KORINA ARTIST」はどうだろうか?上の画像で御覧の通り、849466 である。これで1998年製であることが分かった。だが、その下にもう一つ数字が刻印されていた。011とある。これは何だろうか?このギターは希少材を使っているので製産数が少ないことは予測出来る。つまりこの番号は「HAMER KORINA ARTIST」の11本目に製産されたということだろうか?
そこで気になることがある。このギターはいったい何本製産されたのだろうか・・・? 製産本数を知ったところでどうなるものでもないが。


HAMER KORINA ARTIST

で、いよいよ自宅にてサウンドチェックである。ストラップを使ってかついでみるとセミホローの為、非常に軽い。これからの老齢化社会に相応しい重量である。ネックは太い。P.R.S.SANTANA的な太さである。これは私の好みでもあるので合格だ。だが・・・ボディーが軽くネックが太いとヘッド落ちが起こる。以前持っていたGIBSONのダブルカッタウエイでセミホローモノはかなりヘッド落ちしていたが、こいつもその傾向がある。もう少しボディー重量があった方がバランスがいいと思うな。

弦はFenderのステンレス製のモノが張ってあった。09〜46だ。ステンレスってえことは錆にくいてえことだから、長もちするのだろうか?メサブギーにシールドを突っ込みアンプが温まるのを待った。夜中なので音量は絞りぎみだ。軽く弾いてみると、心地よいサウンドが飛び出して来た。甘く柔らかいが芯はしっかりしている感じだ。アルデンテのスパゲティーってな感じか?しばらくつま弾きは続く。クリーントーンでのフロントピックアップがとても気持ちよい。先日調べた「コリーナ材」の特徴に書かれていた通りの感じがするなあ。コードを弾くとバランスがかなり気持ちよい!



次に 軽くディストーションをかけてみた。ふふふ・・・これまた気持ちよい。このサウンドだといつまでも音を出し続けていたくなるなあ。といっても、真っ当に曲が弾けるわけではないのが、実に寂しい私である。弦高がほんの少し私には高く感じられた。週末にきっちり調整するとして、今日のところはこれにてチェック終了!

荒井様の言によると、マーシャルフルテンの大音量で弾く場合にはピックアップがハウリングを起こすようだが、私はそのようなとんでもない環境で弾くことは無いのでな〜〜〜んにも問題は無い!

あらためてボディーをじっくり見ると、確かに傷つけたくない風情である。となると、必然的に触る回数が少なくなるのか?いやいや!このサウンドはじっくりタップリ楽しみたいぞ!だが、傷つけたくはないし・・・楽しみたいし・・・傷つけたくはないし・・・楽しみたいし・・・。うおおお〜〜〜!!!早くもループ状態に入ってしまう私だ〜!



本日の結論
シリアル下の数値が3桁なので、最大999本の生産だろうか?どなたか御存知の方!お教え下され!

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