六弦的金属縁

2001年10月20日 これは的確なサイズなのだろうか?


このような画像で出品されていたのだが・・・

「これで一応レストア終了としておくか〜!」

レストア作業が中断していたギターがある。KAWAI MOON SAULTだ。1979年に製産されたギターだ。たった一つ「オリジナル エスカッション」がどうしても手に入らずレストア中断が今日まで来てしまった。一時期は、ディマジオのエスカッションに手を加えなんとか無理矢理サイズ合わせを行ってみたが、やはり強度の面で不安が残った。しかも見た目にもちょっと歪みが出て来てしまったのだ。美しく無ければレストアの意味が無い。 やはり純正エシカッションを取り付けることを目標とすべきだろう。

純正のエスカッションは現在一般的に売られているものに比べて、幅が1mm広い。縦方向も1mm程大きい。このわずかの差でピックアップのザグリが見えてしまい、現行商品は格好悪くて取り付けられないのだ。しかし、現在ではどこもこの20年前のサイズのエスカッションを製造している会社は無い。かと言って、あまりにも薄いプラスティックパーツだ。とてもじゃないが自力で作る気にはなれなかった。

その後、協力者も何人か現れ、古いエスカッションをお送りいただいたのだが、残念ながらさらにサイズが大きすぎて使用できなかった。昔のエスカッションはこのようにメーカーによってサイズがかなりバラついていたようだ。だが、世の中の規格化が進み、現在は、ほぼ統一されたサイズのエスカッションしか製造されなくなっているのだ。

そんな昨今、ヤフーオークションで「20年前のピックアップカバー」が出品されているのを発見した。これは明らかにエスカッションの事だ。しかも未使用だと言う。おおお!これは可能性がありそうだ!詳細な説明を読むと、金属製だった。未使用だが経年変化で傷つき汚れていると言う。そんなものは磨いてしまえば良いでは無いか!( そうか〜?) 私が問題とするのはサイズだけなのだ。

かくして、10月14日夜、落札することに成功した!競合は一人しかいなかったもで、あっさりと落札価格は1000円であった。まあ、これを大枚はたいて買う人もいるわけは無いが・・・。出品者は北海道旭川在住の主婦であった。夫が永年所有していたものをオークションに出したのだと言う。「落札されてとても嬉しい」とメールが届いた。が・・・そのメールに気になる一文が書き添えられていたのだ!

田辺さんのギターに合うことを私も祈っています。
(レスポールモデルのギターに合うと思うと申して おりました。)


なんだ?なんだ〜〜〜!!!レスポールモデルだとう?ひょっとしてこのエスカッションはレスポール用なのか?そうなると問題が発生する。私がレストア中のKAWAI MOON SAULTはフラットトップである。つまり真っ平らなギターだ。レスポールタイプはアーチトップなのだ。レスポールモデル用であれば、当然ながら底面がボディーのカーブに合わせて削られているはずだ。ううう・・・こりゃ困った!私が欲しいのは底面が真っ平らなエスカッションなのだ!

オークションに掲示されている画像を見直してみるとどうもフラットにしか見えないのだが・・・。あれこれ悩んでいてもしかたが無い。ブツが届いてから再度悩むとするか〜!そして、3日が過ぎた。ブツは北海道から届いたのだが、郵便配達が届けに来たとき当家は無人であった。そのため荷物は持ち帰られ再配達の手配となってしまった。

かくして10月20日11時、郵便局員は配達に訪れてくれた。二度手間ですまんのう郵便局員殿!早速梱包を解いてみると・・・うっ!ううう・・・やはり恐れていたとおり、底面にアールがつけられ削り取られている。アーチトップ用の仕様である。う〜む・・・肝心のサイズはどうだろうか?オリジナルと比べてみた。するとやはりわずかながら小さい。これまた使えないサイズか・・・と諦めかけたとき「一度取り付けて試してみるか!」と思い直したのであった。

ピックアップを外しエスカッションを取り替えた。慎重に位置決めをしてみると・・・ん?んんん???ザグリが見えなくなっている。ほんとかよ〜!よ〜く観察してみると、ザグリの凹みのギリギリの位置にエスカッションのエッジがある。うおおお〜〜〜!!!髪の毛半分ほどの差でセーフとなっている。あぶねえ!あぶねえ!てなことで、取りあえす、正面から見た目の部分はクリアできた。だが、底面がアールなので、横から見るとボディー面とエスカッションの間に隙間が出来ている。実用には問題はないが、やはりちょっと格好が悪い。これは今後の課題として残るなあ。 いずれその気になったとき、底面をヤスリで削って真っ直ぐにすることにしよう!

久々に弦を張ってみる。いつもとパターンを変えて弦は「ERNIE BALL SUPER SLINKY」にしてみた。何となくこのギターにはこの弦のギラギラした感じが合うと思ったからだ。10分後、アンプを温めサウンドチェック開始。ふっふっふ問題ない。以前調整したときのままである。ノイズ、ガリ等もなく、ブースターも快調に動作している。これでやっと人前に出しても許してもらえる所まで復活できたぞ〜〜〜!!!まあ、これで一応「レストア」終了としておくか〜!


 



本日の結論
金属製のエスエスカッション底面を真っ直ぐ削る作業は、これまたヘビーだよなあ・・・ ふっ・・・

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