六弦的螺鈿考

2001年07月20日 おおお!野望が野望が〜〜〜!!!


自家製 YAMAHA SG2000 BUDDA か?

「うおおお〜〜〜!!!なんじゃこりゃ〜〜〜!!!」

「螺鈿」は「らでん」と読む。「インレイ」のことだ。貝の造型物を装飾として埋め込んで行く技術である 。ギターではプラスティック等の偽物貝で造られているケースも多い。ギターはおおむね、指板のポジションマークがインレイされていることが多い。本物の貝で造られたポジシ ョンマークは、スポットライトを反射して怪し気な光を放ち、豪華さを醸し出すのである。

ギターのボディーインレイで有名なのは「ゼマイティス」のギターだ。それはそれは 豪華なインレイが施されている。インレイに使う貝は真珠貝やアワビ貝などを薄く削 り出したものだ。貝殻の大きいものは非常に堅い。貝殻をインレイに使えるように薄 い板へ削り出すだけでも大変な作業なのだ。当然インレイの作業自体も精緻を極める。それゆえに「ゼマイティス」のギターは1本で車が買える程の値段なのだ。

さて、それでは日本製のギターではどうだろうか?ここにとても有名なインレイが有 る。YAMAHA SG175Bにインレイされた「BUDDA」である。カルロス・サンタナの愛機と して一時代を築いたギターだ。そのレプリカを私も持っている。美しすぎて弾くことが出来ないので、ひたすらケースの中で眠りについている。


これは本物。


話しはちょっと過去に戻る。半年かけてYAMAHA SG2000をレストアした私は、実はそれ以降もあれこれ追加作業を企てていた。最初にやったのは「コンデンサ」の交換だ 。レプリカモノの「ビタミンQ」なるコンデンサーに交換したのであった。それによ って、確かに音のヌケガよくなった気がする。次に行うのは、ピックアップの交換だ 。GIBSONに積み換えようとしているのだ。材料はほとんど揃ったので、そろそろ取りかかろう。と、考えたのだが、一つの問題にぶつかってしまった。


これが取り付けたコンデンサだ!


次に行うのは、ピックアップの交換だ 。GIBSONに積み換えようとしているのだ。材料はほとんど揃ったので、そろそろ取りかかろう。と、考えたのだが、一つの問題にぶつかってしまった。ピックアップはアメリカ製である。それをエスカッションに取り付ける為には、細いボルトが2本必要だ。それが前後だから合計4本である。そのボルトを買おうと楽器店に行ってみた。ところが!置いてないと言うのだ!

2軒めも常備しいてはいないという。さらに、3件めも「インチネジは置いてないっすね!」とあっさり拒否されたのである!日本はヨーロッパと同じ「センチメートル」を採用しているが、アメリカは「インチ」を採用している為、日本製のネジでは太すぎて使えないのである!アメリカよ〜!そろそろ「センチメートル」にしてくれないだろうか?日本は「尺貫法」を捨てたのだぞ〜〜〜!!!

私が行ったギターショップはいずれも自社ブランドやリペアを行えるショップなのだ。そこにインチネジが置いてないとは?そのショップではGIBSONのピックアップを販売しているのだ!だが、インチネジは売っていない。これって片手落ちじゃね〜か〜?どうやって取り付けろと言うのだ〜〜〜!!! いずれインチネジを取り寄せる事にして、ピックアップ交換は取りあえず延期する事にした。

そして、さらなる大陰謀もあった。「BUDDA」の再現である。自分であのインレイを 造ってみたいと思うようになったのだ。だが、それには技術と機材が必要である。現 時点ではそのどちらも持ち合わせてはいない。調査をしてみると、細工用の貝の加工 品がとんでもない値段であることが分かった。私の陰謀をクリアするためには機材を 含めて10万円以上の出費が確実に必要であると考えられる。ううむ・・・。シャレと はいえきつい状況である。

あらためて、YAMAHA SG175Bをケースから出し、じっくり「BUDDA」を眺めてみること にした。ううむ・・・加工が細かすぎるぞ!本気でやったらとんでもない時間が掛か るなあ・・・。だが、諦めきれないし、取りあえずいずれ必要になるはずであるから デジカメで撮影し、実物大の型紙でも造っておこうか!さっそく作業にとり掛かる私であった。Macで取り込みなんとかほぼ原寸大の型紙を作成することに成功した。


型紙をあてがってみるとバッチリである!


と・・・その時!あらたなる野望が沸き上がって来たので ある!インレイを真っ当に造ればそれはそれで良いのだが、取りあえず「シャレ」と して手っ取り早い方法があるではないか〜〜〜!!!それに気付いた私は翌日帰宅時 に「東急ハンズ」へ急いだのであった!!

目指すはカッティングシート売り場だ!そこにはパールっぽいテクスチャのカッティ ングシートがあったはずだ!それに昨日加工したBUDDAの画像を印刷して切り抜き、 ギターに張り込めば「なんちゃってBUDDA」の出来上がりである!うははは〜〜〜! !!これは笑えるぞ! 帰路、電車の中でほくそ笑む私であった。

夕飯もそこそこに作業に取りかかる。まずは、カッティングシートをA4サイズにカットした。画像を呼び出しいよいよ印刷である!待ってろよSG2000!もうすぐBUDDAをはりつけてやるからな〜〜〜!!!かなり大きなサイズのデータである。それを縮小しての印刷なので、時間がかかる。まあ、焦る旅でもないので、じっくり待つ事にしようか!

印刷が終わった。カッティングシートをプリンタから取り出してみると・・・うおおお〜〜〜!!!なんじゃこりゃ〜〜〜!!!なんじゃこりゃ〜〜〜!!!まったくもって不覚である!ううむ・・・そこに現れたのはインクにヌレヌレのカッティングシートであった〜〜〜!!!吸湿性のないシートではインクが乗らないのだ!さらにそのインクが流れ始めているのだ! BUDDAの姿は哀れにもにインクが混ざりあい今まさにドロドロに消え去ろうとしているぞ〜〜〜!!!

一晩寝かせてみたが、やはりインクが乾く事は無かった。BUDDAはさらに怪し気なインク模様となり、ロールシャッハテストの画像のごとく、意味不明な形状となっていた。嗚呼・・・。つまり、この計画はハッキリ言って失敗である!ハッキリ言わなくても大失敗である!(どっちだよ〜?)こうして野望ははかなく消え去って行くのだ。だが・・・私はめげない!早くも次の野望が湧き上がり始めているのだ!くっそ〜〜〜!!!まってろよ〜〜〜!!!(誰に向って言ってんだよ〜?)

そこで気になるのは、カルロス・サンタナとBUDDAインレイの関係である。カルロス・サンタナはブッディストである事は周知の事実だ。つまり仏教徒なのだ。それで「BUDDA」インレイにしたのは理解できる。が理由はそれだけだろうか?他に理由はないのだろうか? 良く考えてみると突然閃いた事実がそこにあったのだ!それは宗教的な事象ではなかった!そうか〜〜〜!!!そうか〜〜〜!!!カルロス・サンタナの音楽のジャンルを考えれば良かったのだ!

螺鈿ミュージック
(らでんみゅーじっく)


本日の結論
あいも変わらずバカなことをやっているとの自覚は、私にもちゃ〜〜〜んとあるのだ!安心しろ!

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