六弦的陳列箱

2000年10月20日 ウウッ?思ってもいなかった結果に・・・。



Ibanez 2681NT

「意味無いぢゃ〜〜〜ん!」

数週間かけて海外旅行のプランを練り、身支度をととのえる。チケットを確認し、サムソナイトをゴロゴロ転がし家を出る。長い道のりを踏破しやっと成田に着く。だが、航空会社のカウンターでパスポートを持ってきていないことに気付く。愕然とし、オロオロと泣き崩れる。このような経験は無いだろうか?私もさすがにパスポートでは経験していないが、それに近い感じの昨夜だったのである!

先日届いたギター「Ibanez 2681NT」は、玄関先においてある陳列ケースに入れるために買ったモノである。2週間前までそのケースに入れてあったギターが売れてしまったので、見た目が淋しかったのだ。ギターを買う動機としてはとても不純であろうが、そうしたかったのである!後ろ指を指さないように!(誰が指すんだよ?)



昨夜のことであった。玄関先においてある「陳列ケース4号」を開き「Ibanez 2681NT」をあてがってみた。ウウッ・・・入らない。ギター本体の横幅が広いのであった。縦方向は余裕は全くないが、何とか納まる。となれば、ケース内のパッキン部分を削るしかあるまい。以前も「B.C.Rich Mockingbird」を入れた際にパッキンの一部を削って無事に納めた経験があるのだ。あれの再演である!

陳列ケースのパッキン部分は発泡スチロールで作られている。その上に黒い布が張り付けてあるのだ。加工はカッターナイフで削り込んだ後に、布を再度部分的に張り直せばよい、作業自体は10分程度で終わるだろう。それでは作業開始!

まず、ケースの上にギターを乗せ位置決めをする。引っかかっているパッキン部分を紙テープでマーク。ギターを外した跡、カッターでその部分を切り取ったふふふ・・・サイズはピッタリである。問題はない。上下方向があまりにキチキチだったので、ヘッド部分のパッキンも若干削った。これでさらに完成度は上がった。

それでは、いよいよ「Ibanez 2681NT」をケースに収め陳列してみることにしようか・・・。と、その時であった!うおおお〜〜〜うっへ〜〜〜!!!独断倉庫でおなじみの「大問題発生!」がやって来たのである!確かにギターはケースに収まったかのように見えていたが、それは2次元的なモノでしかなかったのだ〜〜〜!!!

なんと!ケースの蓋が閉まらないのである!ちょっとやそっとの隙間ではないのだ!うおおお〜〜〜!!!これでは陳列ケースとしての体をなさないぞ〜〜〜!!!!「意味無いぢゃ〜〜〜ん!」と叫びたくなるのをぐっと押さえて、ヘナヘナと呆然とオロオロと立ちすくむのみの私であった。 そばで見ていた妻は、死者にムチ打つように言い放った。「最初から蓋が閉まらないと思ってたけど!」 ううう・・・。早く言えよな〜〜〜!!!



ふと我に返り、ここでさらに問題が発生していることに気付いた。

「ギターが売れた」→「ケースが空になった」→「そのケースを満たしたい」→「新ギター入手」

上記手順により入手した「Ibanez 2681NT」は一瞬にしてその存在意義を失ったのである!ケースの空間を埋めるために買った「Ibanez 2681NT」なのだ!それが埋めてくれないのだ!何のための「Ibanez 2681NT」なのか?手元のギターを眺めつつ、タメイキをつく私であった。

主を失った「陳列ケース4号」も可哀相である。陳列されない陳列ケースは、食べられない食用ガエルのようでもある(なんのこっちゃ?)その名称ゆえに、使用法が限定されてしまい、今は空虚な存在となってしまった。 だが・・・ギターそのものは問題ない。本来の目的は果たせなかったがお気に入りなのである。「Ibanez 2681NT」には大満足しているのである。不満足が生んだ複雑な満足感なのだ。

「Ibanez 2681NT」は美しいがゆえ満足した。美しいがゆえに展示したい。だから手に入れた。でも展示できない。「Ibanez 2681NT」は美しいがゆえ満足。美しいがゆえに展示したい。だから手に入れた。でも展示できない。「Ibanez 2681NT」は美しいがゆえ満足。美しいがゆえに展示したい。だから手に入れた。でも展示できない。うおおお〜〜〜!!!思考がループし始めたぞ〜〜〜!!!


本日の結論
ところで、このギターには「弾く」という目的は存在しないのだろうか?

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