八割的入札考

2000年6月11日 何故にして高額になってしまうのか?


Paul Reed Smith CUSTOM 10TOP QUILT TOP ROYAL BLUE 1996年製


「80%の法則が存在するのだ!」

WEBで見つけた1本のギターがある。そのカラーは「ROYAL BLUE」と表記されていた。これでは一昨日の出だしと同じではないか!いかんいかん!今回は色もの関係の話ではないぞ!ギターそのものの話だ。このギターの名前は長い。「Paul Reed Smith CUSTOM 10TOP QUILT TOP ROYAL BLUE 1996年製」であるという。このメーカーを世間では通常「PRS」と呼んでいる。本日はこいつを分析してみよう。

Paul Reed Smith は比較的若いメーカーだ。最近はサンタナが使ってグラミー賞を総なめにした事で、テレビでの露出も多く、急激に有名になったメーカーだ。サンタナが使っているのは「サンタナモデル」である。これはとても高い。オープンプライスとなっていて、定価がつけられていないのだ。鮨屋でいう「時価」のアワビ見たいなものだ。さらに最近発売された「サンタナモデル2」はもっと高く、なんと定価118万円もする。今の私には到底手が出せない価格となってしまっているのだ。サンタナモデル以外も結構値が張る。そう簡単には買えないのだ。シリアルナンバーも刻印ではなく、1本ごとに手書きでヘッド裏に書いてあると言う。

それでは何故そんなに高いのか?その価格構造を書いてみよう。まず下の価格表を御覧いただきたい。上の画像にあるP.R.S. CUSTOMを仕様に基づき価格的に調査してみた。基本の値段以外にかなりの金額が上乗せされているのが分かる。「みそラーメンに、チャーシュー、バター、メンマ、卵をトッピング!」と言えば分かりやすいだろう。一つ加わる事で値段がぐんぐん上昇するのだ!

基本仕様 P.R.S. CUSTOM 24フレット
380,000
ポジションマーク バードインレイ
40,000
ボディー 10TOP QUILT TOP
110,000
ケース 専用ハードケース
25,000
合計
555,000
消費税 5%
27,750
総合計  
582,750


なんと言う事だ!定価ベースで582,750円になってしまったではないか!基本の値段もかなり高いのだが、さらにオプションの部分もかなり高いのだ。基本形のポジションマークマークは「丸い白蝶貝」が使われている。ところがオプションのポジションマークは「鳥が飛んでいる形の白蝶貝」なのだ!これは豪華である!!!これなくしてPRSの威厳は保てない!「PRSって鳥が飛んでるギターだよね?」そう言われた時に「丸い白蝶貝」だとなんとなく引け目を感じそうである。音質には関係ないのだろうが、まあ、見栄えってやつだな!

さて、次にボディーである。これがまた複雑な価格構成なのだ。上に掲載した画像は10TOP QUILT TOPと呼ばれている。キルトトップよ読む。これが最も高い仕様だ。メラメラした模様がなんとも怪しく美しい。光の当たり具合でこの模様は怪しくウゴメクのである。材料である木材のメイプルが育つ際に、常に強い風の影響を受け、ネジ曲がって育ったため、その木目が複雑になってしまったものなのだ。木を切って板にするまでその模様は予測できないので、貴重な存在のボディー材なのだ。

ここまで読まれてもうお分かりだろう。かつてギブソンやフェンダーに憧れていたギターキッズ達の、最近のトレンドが「PRS」なのだ。無類のギター好きである、登録会員00035橋本様にも「欲しいのですが・・・財力が・・・」と言わしめているギターなのだ!と、前段はここまである!(えっ?まだ前段だったのかよ〜?)

いよいよ本題だ!
こんなPRSが、WEBオークション上で売りに出されているのを最近ちらほら見かける。中古とは言え、当然その価格はかなりのものである。しかし、ちょっと思い切れば買えない事もない。そこで、高額商品をオークションで落札するには一つの作戦がある。高額であるが故に、なかなか入札者があらわれない時、つけられている希望落札価格の80%の値段で入札するのである!この80%というのが永年の戦いでつかんだマジック%なのであ〜る!80%の法則が存在するのだ〜!

一つ、例を書いてみよう。自分がオークションに出品したと考えてみる。100万円の価格をつけたとしよう。これがなかなか売れてくれない、10日も経ってしまった・・・と、いら立ちが出始めたころ「80万円なら買いましょう!」と言われた時、あなたならどうするか?早急に金策したい状況の自分である。「ううむ・・・80万なら・・・OKしましょう!」と渋々決断せざるをえないのである!ところが、これが「70万円なら買いましょう!」と言われた場合どう反応するのか?「冗談じゃないよ!オレは100万円って言ってるんだぜ!」と言いたくなるに違いない!

例え「100万円以下だと売る気はありません!」と表示されていても、80%入札を試みるべきなのだ!追い込まれた精神状態に軽くショックを与えるのである。人の気持ちはゲンナマの前ではおおいに揺らぐのだ。じつはこの作戦で幾度となく勝利を納めて来た私だ!さてそろそろ核心に迫ろう!2週間前、一番上に載せた画像のPRSがオークションに出ていた。かなり安い。しかしそれでもまだ、世間一般から考えるとかなりの金額である。ふふふふふ・・・そこで悪魔が囁くのだ!「80%の法則を試してみたら〜?」そうか!そうだったな!それで相手が「その金額なら売らない!」と言えばそれで終わりである。何もなかった事にすれば悔しくともなんともない。もともと買えない値段なのだ!買う気もない値段なのだ!

もし「売ります!」と言われたら!その時は「ラッキ〜〜〜!!!」と大声で叫ぼうではないか!白文鳥が飛んでくるかも知れないがな!(他人には意味が分からんぞ!)

てなことで、そこのPRSの出品者よ! 売れなくてそろそろジレて来ただろう?そこでオジさんは強い刺激を与えてみる事にした!覚悟しろよ出品者!!!希望落札価格の80%で入札してやる!拒否できるものなら拒否してみやがれ〜〜〜!!!わは!わはっ!わははははは〜〜〜!!!

果たして結末はどうなるのか?この結果は後日独断倉庫で発表する事をお約束しよう!来週中にはなんらかの御報告が出来ると思うぞ!



本日の結論
出品者が哀れであるとしか思えないが、もし間違って落札出来た場合、金策が大変である!!!

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