六弦的巻電線

1999年11月06日 それは貢ぎ物と呼んでも良いだろう!



これが500mHのコイルなのだ!!!実物大(72dpi)

「バリトーンが蘇ったぞ!!!」

再びギターネタである!先月ずっと改造を施していたB.C.Rich Mockingbird は音はまともに出ていたし、弾くことに何の支障もなかった。しばらくは指のリハビリの為に小さな音で楽しんでいたのだが・・・。実は完成したかに見えていて、バリトーン(可変音質)に一つだけ部品を取り付けていなかった。つまり、今までは本来の音ではなかったのだ。

500mHと言う容量のコイルがその部品である。私はこの部品を探しに、東急ハンズへ行き見事に「ない!」と言われた。秋葉原にたどり着けば、パーツの店が閉まった後だった。それではギターショップではどうだろう?と動き回ったが、やはりそこでも見つけることは出来なかった。そうこうするうちに11月に突入したのだった。

何処に行けば手にはいるのだ?500mHのコイルは!そのあたりの事情に詳しそうな登録会員00013松島氏へメールで問い合わせをしてみた「いろんなマシンの構造やシステムは熟知しているが、ギターの回路に使うコイルなんて言うのは勉強してなかったな〜・・・」と言う返事であった。そりゃあそうである。普通の人はそんなもん勉強するわけがない!

そもそもコイルの形さえ知らない私だ。コイルと言うくらいだから電線をぐるぐる巻いてあるに違いない。それくらいの一般常識は持っているのだが・・・それではその形とやらを確認してみようと、gooで検索してみた。かなりのヒット数がある。その中でまず見たのが、ミツミ電機と言う会社のHPのなかにある商品案内だった。この会社はCD-ROMドライブなんぞを作っている会社なのだが、コイルでも有名らしい。どれどれ?おおう!思ったより様々な形のものが生産されているようだ。ふむふむ・・・。と見ていたその時だった!

ピ〜〜〜ホ〜〜〜とメールが到着した合図があった。どれどれ・・・おおう!おおう!なんということだ!登録会員00040伊藤氏から届いたではないか!この夜中に私の行動を、どこからか見ていたというのか?実は伊藤氏は、私の目の前に開いているWEB「ミツミ電機」の社員なのだ〜〜〜!!!この半年間連絡もなく、どうしたのだろうといささか気がかりだった方である。かつては台湾で国際登録会員として活躍されていたのだ。

これはなんという巡り合わせであろうか!すぐさま返信メールを書く私であった。「500mHのコイルは何処に行けば手にはいるの?」と伊藤氏からの返事は「当社は九州でコイルを生産していますので聞いてみましょう」であった。さらに「調査した結果、ミツミではその容量のコイルは生産していないので、試作品として作ってお送りいたしましょう!」と豪快な話が返ってきたのだ!

なんということだ!なんということだ〜〜〜!!!コイルメーカーまで動き始めたではないか!ありがたい話である!登録会員制度という秘密結社はついにその実力を発揮し始めたのであ〜る!だが、それは担当者の暇を見つけて作るので時間は確約できないと言うことだった。まあ、仕方がないか。待つことにいたそう!と待機モードに入った私である。

待機モードに入ったので、しばらくは休んでいようと思っていたそのとき、今度は違う方面からメールが飛び込んできたのだ!登録会員00119松下氏からであった「秋葉原に行くのでコイルを探しておきます!」との内容である。松下氏は私にギターを譲渡した手前、私の大弱り状況を読むにつけ、サポートせずにはいられない体質になったようである。

そして、11月5日。松下氏は私の職場へ現れたのだ。そこで私に貢がれたものは、おおう!おおおおお〜〜〜!!!500mHのコイルではないか!さらにそのコイルはオシャレな袋に入れられていた。ギターの弦の袋だったのだ。なんという心遣いであろう!なんというウケ狙いであろう!おじさんはそのような行為は大好きなのだぞ!500mHのコイルは画竜点睛である!これでやっとB.C.Rich Mockingbird 改は完成へとたどり着けるのだ!ありがとう!登録会員00119 松下殿!



終業後すっとんで帰宅した私は、ハンダゴテを温め、ギターの裏蓋を外した。今では、すっかりその構造が頭に入っているのだ。ダミーで付けてあったリード線を外し、500mHコイルをしっかり装着させた。引っ張ってみる。問題はない。確実に取り付けられたのだ。丁寧に裏蓋をした。マーシャル3段積みのスイッチをいれ音を出してみる。おおおおお!!!!!見事なまでにバリトーンはその機能を発揮しているではないか!コイルの効果は出ている!各種スイッチ類を切り替えてみると、実にバリエーションあふれるサウンドが紡ぎ出されるのだ。これですっかり出来上がりだ!残るは私の腕だけだな。

と、ここまではめでたい話である。だが、その裏でうごめいていた、大バカな話もあるのだ。そもそもコイルはどのような形をしているのか?が気になった私は、それを見るために一体どう動いたのか?B.C.Rich Mockingbird に使われている500mHコイルを見るためにはB.C.Rich Mockingbird を手に入れ分解すればよい!。だが、他人のギターを借りて分解するわけにも行かない。こうなれば「毒をくらわば皿まで!」の心境である!またもや悪の道へ突っ走る私であった!(悪なのか〜?)

得意のWEBの楽器売りますコーナーで再びB.C.Rich Mockingbird を探すのだ。それは意外に早々と見つかった。とある青年がB.C.Rich Mockingbird SUPREMEを売りに出していたのだ!怖いくらいトラメビシビシであるという。これは私が永年探していたモノである。さっそくメールで連絡を取り「見て気に入ったら購入する」と言う条件で勤務先まで持ってきてもらうことにした。

11月4日18時30分。青年石井氏(19才)は現れた。まずは商品鑑定からである。これは!これは〜〜〜!!!見事である!実にお見事である!気が遠くなるほどのトラメがでている。美品である。しかし、ここまでの美品を何故手放すのだ?聞けば、牛乳配達のバイトをしてためた金で買ったという。だが、あまりに美しすぎて実際に演奏に使う気にはなれず、じっと見つめるだけだったようだ。ここまま使わずにいるのは忍びないので譲渡したいとの意志だった。

一目で気に入り、迷わず譲り受けることにした私は、その場で所有権を移行したのであった。つまり、そのB.C.Rich Mockingbird SUPREME は現在、自宅の私の机横にハードケースに入って存在しているのだ。最初はすぐに分解して、その構造を見るつもりであったが、あまりの美しさにその意欲も薄れ、本末転倒の状態に陥っている。たぶん当家でもしまい込まれたままになるのであろう。まったくの大バカなのである!愚かである!愚挙である!だがウレシ〜〜〜のである!

石井氏は、今週末には登録会員00121として登録される予定である。ちなみに、石井氏は将来ギター職人になる夢を持っている。大いに頑張っていずれは私が作ったB.C.Rich Mockingbird をリフィニッシュして欲しいモノだ。5年くらい待てば大丈夫か〜〜〜?



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