到達的積算数

2022年09月25日 節目の日がやってきた!



「皆様への大いなる感謝を申し上げて」

大きな台風が次々に通り過ぎようやく秋晴れの日々がやってきました。皆様被害なくお過ごしでしょうか。

2007年10月に趣味でギターペダルを製作し始めました。当時は量産するつもりはなく、自分のためだけにオーバードライブを作ってみただけでした。10月25日に初号機が完成し、その夜からオーダーが始まりました。なんのことやら訳もわからず、材料をかき集め見様見真似で作り続けました。時は流れ、200個目のオーダーはアメリカに住むプロギタリストMr. Henry Kaiser。当時はよく知らない方でしたが、メールのやりとりで徐々に人となりがわ分かり始め今ではすっかり友人となりました。2010年には、アメリカまで Mr. Henry Kaiser に会いに出かけました。LAのマリブで会いましたよ。その後2度のホームステイも快く引き受けていただきました。

100個を過ぎたあたりから海外のオーダーが増え始め、海外からのオーダー数は日本国内と逆転しました。爆発的にオーダーが増えたのは2012年3月。Mr. Larry Carlton と Mr. Robben Ford のペダルボードに私の作ったペダルが採用された直後のことでした。当時両名ともに楽屋で直接会ってバックアップ機も手渡しできました。ですが、あまりにも急激なオーダー数に製作作業の体力配分がうまく行かず、働きすぎで急性難聴となり入院する騒ぎに。9日間の安静が必要でした。その後も、次々に来日するプロギタリストに会いに出かけ、楽屋でお会いすることができました。その多くは Mr. Henry Kaiser が手配してくれたのものでしたがね。

私が作るペダルの「弾駆動」や「禅駆動」につかうオペアンプは「JRC4558D」または「JRC4558DD」です。1980年代のもので、もう世の中にはほとんど流通していません。製作を始めた当時は、まず手に入れるのに苦労をしていました。ヤフオクで見つけては落札を続けていましたが、あまりにも高騰を自らが招いてしまい反省することしきり。数度、売り込み等でまとまった量を手に入れることがありました。私は幸いにして最終的にまとまった量を福島のショップから入手することができて、ペダルを作り続けることができました。今はそのショップはもう廃業されていますがね。

回路基板を八王子のアルニックに発注できるようになり、アルミケースも穴あけ加工を外注するようになってようやく安定して量産できるようになりました。かといって一日あたりの生産数は基本的に1個だけ。無理すると、また入院騒ぎになりますからね。そんなこんなで「東北の大震災」が来たり「不景気」になったり、トドメの「コロナ騒ぎ」で海外への発送に絶望的な状況が生まれましたが、なんとか細々と作り続けていました。健康を保ちながら作るには程よい量でした。

やがてやってきた「ウクライナ侵攻」これによって大問題が発生しました。円安によるパーツ代の上昇。パーツにはアメリカ製のものもあり、それらは軒並み大幅な値上げ。トータルコストが25%以上も上昇をしてしまいました。そろそろ値上げをしないと対応できなくなりそうですが・・・。そんな日々に、節目の生産数が判明しました。

2022年9月24日。出荷数3,000個目のオーダーが来たのです。神奈川県平塚市からのオーダーでした。すぐに作り始め、夕方ヤマトの営業所に持ち込みその日の便に間に合いました。そして本日、3,000個目のペダル「弾駆動」は無事にオーダー者に届けられました。初号機からここにたどり着くのに、一人で作り続けること14年11ヶ月かかりました。年間平均約200個ですね。一時期オーダーが集中していた頃には妻に回路基板を組む手伝いをしてもらっていましたが、今は私一人だけでやっています。かなりゆったりとしたスケジュールになっているので、コロナ騒ぎが収まれば旅にでたいなと考えるようになりました。Henry の家にもまたホームステイしに行きたいなと思っていますが、彼の地でもまだコロナが結構ひどい状況だと言っていました。もうちょっと落ち着いてからにしましょうか。

そうそう、私はあと何個作ることができるのでしょうか?材料のオペアンプ在庫を考えると、おそらく1000個が限界でしょうね。つまり、年200個ペースが続けられるとすればあと5年間でオペアンプを使い果たすということになります。さて、その日はやってくるのでしょうかね?ということでメールのやりとりによる直接の取引だけで、世界68カ国に渡るギタリストたちに届けたギターペダルが3,000個に到達したとのご報告でありました。ここまでご購入、ご声援、製造にご協力していただいた皆様への大いなる感謝を申し上げて本日のご挨拶とさせていただきます!


本日の結論
この年になってもまだ続けていられるのは幸せというものなのでしょうね!



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