株式的現金化

2021年11月01日 結果的にはOK!



「この騒ぎで手に入った現金で何年延命できるのだろう?」

更新をサボっているうちにもう11月に突入してしまったなあ。実は、一度更新したのだが、データを消してしまいやる気が失せたのだよ。思い出しつつもう一度書いてみようかね。

もう20年以上も前のことだ。私が当時勤務していた会社が株式の一部上場した。その直前に、社内割当の株の購入を打診された。当時はバブルで真っ盛りで株価の上場はかなり予見でき、迷うこと無く割当分を購入した。だがそれから一年後、株価は下がり始めた。会社の業績は右肩上がりで順調に進んでいたので、株の配当は毎年受けとることができた。その後、妻にも株を持ってほしいと依頼され僅かであるが妻名義で持つことにした。妻への配当は毎年のささやかな小遣いとなった。

2009年になっても鬱病がなかなか回復せず、リーマンショックで減俸もありでグループ会社を離れ独立した。ギターペダルを作り始めた私はその後も株を持ち続けたが、当面株を売る気はなかった。長年持ち続けることが、36年間も世話になった会社に対する礼儀というものだろう。その後、株価は上下を繰り返していたが、2019年になり突然高値1,800円以上を付けることになった。いったい何があったのだ?今売るべきか?と思っているうちにコロナが騒ぎがやってきた。当然、広告業界は打撃を受けた。あの電通でさえ赤字路線まっしぐらとなった。そして株価は下がり続けた。

一年延期された東京オリンピックの開催も、広告業界が目論んでいた成果は挙げられず業界全体が沈んだままだった。オリンピックが終わった途端に、私が持っていた株式に対して全く予期していなかった情報が入ってきた。

TOBのターゲットにされたのである。「株式公開買い付け」ともいう。簡単に書けば敵対的買収である。今まで600円台で推移していた株を898円で買い取ると募集があったのだ。某グループが会社を乗っ取ろうと仕掛けたのである。池井戸潤の小説でありそうな展開だが、現実に自分の株がその対象となったのには驚いた。「現実に起こるんだ!」との感が強かった。

2021年9月1日から30日までの期間限定募集であった。私は無視した。

やがて9月が終わり10月になりお知らせが届いた。私の持つ株式が「上場廃止」となったというのだ。「???」どううこと???調べてみると、どうもTOBによる買収は成功しなかったようだ。株主数減少による上場株の条件違反となり、上場廃止となったということだった。そうなると上場廃止された私の株式はどうなるのだ?株式を管理している会社に聞いてみると「TOBに応募しなかった株式は、管理会社によって一株900円で買い取られ、12月末にあなたの銀行口座へ振り込まれます。」と回答があった。

そもそも数年前から株をそろそろ売ってもいいかなと思い始めていただけに、面倒な手続きもなく高値で現金化できるのはありがたい。株を入手してからの20年間で受け取った配当もかなりの金額になる。当初購入した株の代金はその配当ですでにほぼ回収済みなのだ。つまり、今回受け取る売却額はほぼ当家の利益になったということだ。老後の資金がこれで少し補充されたのはありがたいことだ。

来年になれば私も70歳代に突入する。収入はほぼ年金だけとなりそうだ。生きていくにはお金が必要だ。この騒ぎで手に入った現金で何年延命できるのだろう?自分の人生の終わりが少し近づいて来ている感覚を最近持ち始めた。


本日の結論
人生には予期していないことが起こるよね・・・。



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