京都的遺失物


2018年10月13日 外国人でごった返する京都で!

私はまだ金閣寺を見たことがない。


「基本的な届け先が存在しないのです」

これは1週間ほど前の出来事です。

妻は福岡に住む義姉と時々、iPhone のFacetime で長いおしゃべりを楽しんでいます。姉妹は呆れるほどに長い時間話し続けていますが、お互いに WiFi 使用の Facetime なので通信コストの心配はまったくなく、ありがたい世の中になったものだといつも技術の進歩に感謝しております。

そんな先月末のこと、その長話の中で「京都旅行に一緒に行こう!」と盛り上がっていました。義姉は孫の幼稚園の運動会が京都で開催されるのでそれに行きたいと言っていたのです。もちろん京都観光も含んでいます。すると妻は「私も行きたい!一緒に行こう!」とすぐに決定して、ホテルの手配をはじめました。オフシーズンなのでホテル代も安いようでした。やがて決まったスケジュールは、10月2日朝出発、お昼京都着、10月5日夕方自宅戻りというもの。

当家が一番近い新幹線の駅は「新横浜駅」なので、私が2日朝に車で送ることにして、もちろん5日夕方の迎えにもいくスケジュールです。その間私は、自宅にこもってひたすらオーダーを受けたペダルの製作に励むのです。もちろん、私も京都旅行に一度は誘われかけましたが、やはりオーダーした方の待つ身になると、なるべく早く仕上げたいとの思いが強かったですからね。

かくしてこの京都旅行は、台風24号が過ぎ去り25号が襲来するまでの貴重な4日間となりました。一日ずれてもアウトだったはずです。予定通り妻は10月2日8時半の新幹線で京都へ向かいました。

その後は無事に到着したとか、金閣寺に行ったとかメッセージで写真が数多く送られてきました。仕事に一日中集中していた私でしたが、iMacでその写真を受信するたびに律儀に返事だけは送っておりました。こんなに豪華な食事をしたよ!と写真が送られてきた時、私は7-11のカレーと春巻きで夕食の真っ最中でしたがね!そして私は心の中で小さくつぶやきました「空気を読めや!」


そして!10月5日14時半過ぎ事態は急変しました!

「のぞみ364号、14:26発で帰ります。
 改札から出て外に行く時間をみて16:30前に着くから16:50待ち合わせでいかがでしょうか?」
と連絡があってもう新幹線で出発したなと思い始めたころのことでした。

「今乗ったお土産の紙袋をトイレの棚に置き忘れて来た」

とのメッセージが届いたのです。なになに!!!俺の生八ツ橋を忘れたってか???それからドタバタが始まりました。妻のスマホはもうバッテーリーがわずかしか残っていないというので、私が自宅から京都駅お忘れ物係に電話して、遺失物の捜索をお願いしなければなりませんでした。しかしここで一つの壁にぶち当たりました。本当にトイレの中なのか?という疑問。

お忘れ物係によると、新幹線の改札口を入ったあとの忘れ物だと「JR東海」の管轄。改札前の切符売り場あたりだと「JR西日本」の管轄だというのです。同じ京都駅内でもお忘れ物係は当然2つに分かれています。そこで、私と娘が二手に分かれ同時に2つのお忘れ物係へ電話し申請しておきました。「発見されればお電話でご連絡を差し上げます。見つからなけれご連絡はいたしませんのでご了承ください」との担当者から伝えられました。妻がっくりの状況。

やがて帰宅した妻が私に差し出したのは、新横浜名物「崎陽軒シウマイお弁当」でした・・・。笑えます!幸い旅行かばんの中に「生八つ橋がいくつか入れてあったのでそれは無事でしたがね。

翌日その電話は妻あてに突然やってきました。京都駅お忘れ物係からです。おおお!!!見つかったか〜〜〜!!!やはり新幹線改札口を入ったあとのトイレの棚に置き忘れてあったそうです。幸い、その紙袋の中にホテルの精算書が入っていたので、名前の確認が取れ落とし主の特定が簡単だったとか。不幸中の幸いでありましたなあ。やがて事件勃発から44時間後ヤマトの着払いで京都駅からお土産袋が到着!ありがたや!ありがたや!



そんなドタバタが終わってみると、日本のシステムはありがたいものだとしみじみ感じました。外国人観光客が日本で落とした財布がすぐに戻ってくるという経験をYoutubeなどで発信していますが、それと同じような気持ちにさせられましたよ。ところで、海外で落とし物がなかなか届けられないのに、なぜ日本ではすぐに届けられる確率が高いのか?については、こんな事情があるようです。

日本では子供の頃から「落し物を見つけたら交番に届けなさい!」としつけられます。そして届ける交番も割と身近にあります。つまり、しつけとその届け先が確立しているのです。もし交番が無くても近くの駅などに届けておけばなんとかなりますしね。

しかし、海外ではそもそも「交番」がない!ので基本的な届け先が存在しないのです。財布を拾ったらどこに届けるのか?行き先が見つからないのです。故にそんなしつけはなされていないと。公共の施設内での忘れ物であれば管理室に届けられる確率は高いのでしょうが路上となるとね・・・。

なんてなドタバタした京都旅行の顛末でした。ご旅行の際にはくれぐれもお忘れ物なきよう!京都駅でご手配いただいた職員の皆さん!ありがとうございました!



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本日の結論
シウマイ弁当も美味かったけどね!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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