瞬読的体験記


2018年10月07日 人はどこまで進化できるのか?!

この動画クリックすると見られる読書方法を信じるか?



「私もミステリーはゆっくり読みます!」

本日のネタは長文です。
「信じるか信じないかはアナタ次第です」とまず書いておきましょう。

以前から気になっていて、身につけたいと思っていたのが速読です。30代の頃から何度かマニュアル本を買って挑戦しましたがやり方が悪いのかモノにならず。いつしかやる気も薄れそのままになっていました。でもなんとなく気になり続けた速読でした。読書は好きなのでなんとかその時間を短縮して多くの本を読みたいなと思い続けていたのです。

一か月以上前、Facebookの広告に「瞬読」の文字が現れました。まあ、だいたいFacebook の広告は怪しいモノが多いのですが・・・。しかし気になりました。速読の一種か?とリンク先のページで解説を読んでみると、アレの動画が現れました。一度はご覧になった方も多いと思うのですが、子供が本をパラパラとめくり、一瞬で一冊読み終えるというもの。かなり以前にも話題になったことがあったのですが、私の心情としては「無理だよ嘘だろ?」とかなり懐疑的でした。それほどあまりにも衝撃的な読書スタイルだからです。

今回アクセスしたページにその読書スタイルは真実であると書かれていました。そう言われてもねえ---。そして、東京で近々「瞬読の体験セミナー」を開催するというのです。会費は1万円。「瞬読」の理屈を知りたいと気になり始め、好奇心の塊となりセミナーを申し込んでみました。理由として、体験セミナー1回受けただけでも読書スピードが4-5倍になると。もし2倍以上にならなければセミナー代金は払い戻すともいうのです。長年持っていた疑問「あのパラパラ読書スタイルは物理的に本当に可能か?」を解明したかったのです。

突然暑い日となった10月6日14時45分。汗だくになりながら、浜松町駅から徒歩で会場へ到着。持参した冷たいお茶を流し込み、しばし汗が引っ込むのを待ちました。会場の参加者定員16名。男女比4:2くらいの構成。15時の定時となり15名の受講生が揃ったところで、セミナー開始です。30分間「瞬読」の意味と理屈、なぜ「瞬読」なのか?「速読」との違いなどの解説でした。

まず、例の動画のようなスピードで本を読むのは「速読」では無理です。基本的に「速読」のMAXスピードは1分間2,100文字だそうです。ところが「瞬読」の訓練を3か月間受けると1分間240,000文字などと桁違いの読書スピードが可能となるというのです。ここが私の知りたいポイントでした。その違いはどこから生まれるのか?

通常の「速読」は眼球の動きをスピードアップし左脳を使って読んでいます。言語を支配する左脳ですからこれは当たり前ですね。ところが「瞬読」は右脳を使って読むというのです。なんだそれは?言語処理能力をできないはずの右脳でどうやって読むの?と誰でも疑問がわきます。

そもそも「瞬読」はどうやって生まれたのか?というと、田舎の某学習塾の先生が「速読マニア」でありとあらゆる速読のテクニックを自分の子供に対して実験したそうです。そのテクニックの組み合わせが徐々に成果を出して、あの動画のようにパラパラページをめくるだけで読めるようになってしまったとね。そこで「これはいける!」と学習塾に来ている子どもたち全員に対してその訓練を施したところ、50名全員が「パラパラ読書」が出来るようになってしまったと・・・。しかし、その塾講師は田舎の小さな塾のため、その情報は拡散されずじまいだったと。一時期テレビの番組で取り上げられていましたが、それも一時的な現象でしたね。

そして私がセミナーを受けた講師は全国的な塾の経営者(女性)この講師が呼ばれその田舎の塾で発生した読書技術で子供がパラパラと読んで見せたところ、やはり最初は「嘘でしょ?」と信じられなかったとか。そこで講師はたまたまバッグに入っていた持参の本を渡して「この本を読んでみて!」と実験開始。その子供はパラパラと一瞬で読み終え、その本の内容を解説し始めたと。その内容があまりにも正確だったので「こりゃたまげた!本当だった!」と強烈に興味を示し、そこから「瞬間読書」つまり「瞬読」の研究を始めたというのです。

そして2年掛けて「瞬読メソッド」を開発。まずは自分の塾の子供達に試したところ、かなりの確率でパラパラ読書ができる子供が誕生。その結果に驚いた父兄が「私達にも教えて!」と言い始めて「瞬読メソッド」を大人にも試したところかなりの効果が現れたそうです。さらにその口コミで「私もやりたい」と申し出る方が多くて「瞬読セミナー」を開催し、全4回のセミナーで多くの方に成果が出始めたというのです。ただ、東京でしか開催していなかったので、遠くからくる受講者は交通費、宿泊費等含めてかなりの出費となったようです。でも、そのあまりの効果に遠くからの受講生は通ってきたと。

ただし、年齢的な制約はあるようです。最高年齢77歳の男性は当初無理だと思って参加したところ、今では5分で1冊読めるスピードまでになったというのです。やはりパラパラ読む方法までは行けないようですね。これは脳の使い方が長年左脳で言語処理しているので右脳に切り替えるのが完全にはできないからのようです。子供であれば、左脳に注ぎ込まれた言語数が少ないわけですから、脳の活動に柔軟性があり右脳活用が直ぐにできるようになると。しかし!それでも77歳の方が1冊の本を5分で読めるようになれば、それはそれで素晴らしいではないですか!

面白いことに、ある会社社長が「瞬読メソッド」を受けてその初回に最低の成績を叩き出したというのです。そこでめげずに3か月間の「瞬読メソッド」を続けたところ、今では1冊1分で読めるようにまでなったというのです。本人が話す動画ありました。それによると、毎朝会社でメールの処理が膨大で時間を取られていたが、今ではそれが大幅に短縮されて仕事の効率化ができて助かっているとのこと。記憶力も進化するそうです。早く読むのに記憶が定着しやすいとか。

さて、ここから私が受けた「瞬読メソッド」の実体験です。長くなるので端折って書きましょう。まず最初に受講前の「読書スピード」の確認からです。お題の文書を何秒で読み終えるかを計測。その結果は「1分間800文字」でした。通常は500文字前後のようですね。その後の1時間半「瞬読メソッド」を受けるとどこまで進化するのでしょうか?

大きく分けて3段階の訓練があリました。まずはヘッドホンをして、眼の前のラップトップPCに対峙します。

一段階目。
瞬間的に表示されるランダムな丸い文字列に「なんと書いてあるのか?」を読む訓練。文字はバラバラの位置にあり、文章にはなっていません。クリック音に合わせて本当に一瞬です。1秒以下です。早すぎるので読むというより眺める感じです。6分間繰り返します。最初は怯みましたがやがて少しずつ判読できるようになってきました。後半はその文字列を口に出して行きます。

二段階目は3行〜4行の文章です。これもまた瞬間的にしか表示されません。しかし、ある程度は読めました。この段階ではまだ左脳が抵抗を示しているようです。時々全文読めないイラダチがあります。

三段階目
実際の印刷された市販の本を使って、文章を一行ずつ早く読む訓練です。堀江貴文著「他動力」が渡されました。ヘッドホンをしてクリック音に合わせて、眼線を上下に動かしていきます。同時に右手人差し指も読む行に合わせて上下に動かします。そのクリック音が徐々に早くなっていきます。読むというより、文章を眼が追いかけているだけの感じですね。

ここまででわかったことは、読むという行為には「心の中で声を出して読んでいる」ということです。そうなると声を出すスピード以上には絶対なれないということ。いかに自分の心の声を消すかが勝負の分かれ目になるようですね。

これらが一通り終わったところで、この訓練の二周目に入ります。

二周目の一段階目。一回目よりクリック音のスピードが少し早くなっています。もちろん表示される文字列の表示時間も短くなっています。しかし、一回目より少し楽になっていました。今度はさらにそれを声に出して行きます。

二周目の二段階目。これまた少し早くなったクリック音に合わせて文字列が瞬間的に表示されます。更に声に出して行きます。物理的に口がついていけなくなりますが、それはOKだと。

二周目の三段階目。
今度はまず、本を読み進める文字の幅を自分の好みの幅に設定します。一行でも二行でも三行でももちろんそれ以上でもOK。目線を上から下ろす際に読み取る幅のことです。私は二行でやってみました。クリック音は自分で調整することができ、自分が可能な速さでクリック音を鳴らし、それに合わせて読み勧めます。慣れてきたらクリック音を少し早めました。三分間やった結果が目の前のPCソフト上で計測表示され、私の最終的な読書スピードは「一分間3,700文字」でした。さらに、予想していなかったのですがそこから講師の質問が始まりました。「あなたが読んだ本の内容について一言でいいですから説明してください」私は「私の時間を盗むな!」と答えました。教師は嬉しそうに「そうです!私もその本を読んで人に電話をかけるのが怖くなりました!」私は正しく理解しながら読んでいたようです。「一分間3,700文字」はすでに声を出して読むスピードを超越しています。私は「瞬読」の入り口に立ったようです。真面目に訓練を続ければ、私もあるいは5分で一冊読破くらいの境地に立つことは出来るかもと信じられるようになりましたよ。

これで今回の「瞬読体験セミナー」は全行程終了です。私の読書スピードが当初の4.6倍になったわけですから、もちろん返金はありません。この成果は「瞬読三級」に当たるそうです。ということで、後日「瞬読三級」の認定証が自宅へ送られてくるとか。

ちなみに「瞬読セミナー」を最終段階まで受けるために必要なコストは約25万円です。そしてネットで全行程を受けられることになったそうです。つまりどこかに出かけて行ってということではないので楽に受けられると。ということは、自宅のPCで家族全員が受講することが出来るわけですので、教育熱心でお金のある方はやってもいいかな?という金額ですかね。

さてここで検証です。最初にご案内した「パラパラ読書」動画についてどう思います?講師は「これは事実です」と言い切っています。私もセミナーを受けた身として、瞬間的に4.6倍のスピードに上がったわけですから、これから先も訓練を続ければ、1冊5分の世界も不可能ではないと感じました。まあ、とは言え25万円を払って訓練を続ける気はなく、なんとなく「瞬読」の秘密を覗いた感じでしたので、あるエッセンスの部分を取り出して自分なりに訓練すればもう少しスピードアップ出来るのでは?とも考えています。これから少し自主トレをやってみましょう。セミナーで使ったアプリを使わなくても出来る方法を思いつきましたのでね。もう一つあるのは、一分間の読書スピードの計測を自力でどうやるかです。このスピードの記録ができないと練習ごとの上達具合がわからないのでモチベーションが上がらないですよね。

そう言えば、講師が最初にこのようなことを言っていたと思い出しました。
「みなさん今日はバカになってください。賢すぎる人は瞬読が進化しません。すでに多くの資格を持っているような方は勉強しすぎて左脳がガチガチになっています。ですから、今日はボーッとしてバカになってください。でも、必ず出来ると信じてください。そのほうが早く身につきます」

余談
速読の最速は「一分間2,100文字」と聞きました。しかしセミナー終了時の私のスピードは「一分間3,700文字」一回だけのレッスンでとっくに速読の世界を通り越しています。なるほど。これが右脳を使うってことか・・・。セミナーが終わると脳が疲れているのがよく解りました。普段使わない脳の使い方をしたのでなんだかグッタリします。


本日の結論
ミステリー本好きは「瞬読」を究極に身につけると、一分で犯人にたどり着くという悲しい結果に・・・。この件を講師に質問したところ「その質問はよく受けますが、私もミステリーはゆっくり読みます!」と答えてくれました!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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