竹内的伊藤声

2018年08月06日 またしても突然思い出したこと!


竹内まりや ファーストアルバム「ビギニング」



「私の頭の中ではずっと」

避暑のため、自宅の部屋に籠もってひたすらエアコンに身を委ね、空想と記憶の掘り起こしを繰り返していると、突然とんでもない記憶が蘇ってきます。この話もそんなひとつ。ある海外ロケと音楽録音の記憶です。

時は1978年。何月ころの出来事だったのかは定かではありません。私は当時、テレビコマーシャル制作会社に勤務していました。ほとんどの制作部社員は、入社後1年目くらいで海外ロケに参加していました。私はどういうわけか、海外ロケの話が出る度に留守番担当になったり、海外ロケそのものがポシャってしまったりで、ついに一度も海外ロケには行かないまま5年目になってしまいました。

その年の社員旅行に参加できなかった社員3名、しかも会社側が気を使ってなかなか海外ロケに行けないからとフィリピンのマニラ旅行を手配してくれました。数日間のフィリピンでしたが、私には何一つ面白いことはなく、ただただ蒸し暑い休暇を消化してきたと言うだけでした。しかし、そんな直後のこと私にLAロケの話が入ってきました。某化粧品会社のCMです。

出演者はすべてLAのモデル達だけ。約1週間のロケでした。後発隊でしたので一人でLAへ向かいました。案の定、撮影用商品をたくさん持っていたため、LAのイミグレで捕まってあれこれ質問攻めにあいましたが、なんとか稚拙な英語で切り抜けました。一番きつかったのは「帰りのチケットを見せろ!」と言われた時でした。先発隊が「アメリカで買ったほうがチケットは安いから」と行きのチケットしか持っていなかったのです。その御蔭で「不法滞在するのでは?」と怪しまれ始めました。上手く説明できないので、懐に入れていた1,000ドルの現金を取り出して「 This money for buck ticket! 」と言い放ち、なんとか切り抜けましたがね。

はじめての時差ボケで苦しみつつ、仕事はなんとか順調に進みましたが、撮影2日目のこと。ハリウッドのカフェでロケ撮影していたところ、一番いい時間帯になって突然空が暗くなり始めました。尋常な暗さではありません。なんだなんだ?と騒ぎ始めたらなんと「日蝕」が始まっていたのです。こればっかりは避けようがありません。再び太陽が出てくるまで待ちましたよ。

更に次の日は、LA郊外の牧場でキャンプのシーンでした。丘の上でセッテングが済んだころ牧場主がやってきました。ショットガンを持っていました。なんで?と聞いたところ、そのあたりにある岩陰にガラガラヘビが潜んでいるので、それを殺すためだというのです。それから撮影が終わるまで結構キョロキョロが続きましたね。

撮影の真っ最中にも困った出来事が起こってしまいました。撮影しているバックの青空に飛行機雲が現れたのです。それも一本ではなく10本以上が交差していました。これは何だ?と確認したら近くに米空軍基地がありその練習コースになっているのだとか。当然、雲が消えるまで待機しましたとさ。今だったら簡単に編集時に消せるのですがね。

撮影が全て順調に終わったので、一日オフの日が出来ました。その日はコーディネーターの案内でディズニーランドへ遊びに行きました。私にとってはそう楽しくもなく、ディズニーランドへ行ったという記憶だけが残りましたがね。そしてその夜。プロデューサーから「なにかやっておきたいことはないか?」と聞かれたので「帰りの日、飛行場へ向かう前にGuitar屋へ寄らせてください!」とお願いしました。

当日、朝早く起きて準備をした後、コーディネーターと二人で「ギターセンター」へ向かいました。許された時間は15分位しかありませんでした。すぐに Gibson LP Custom をみつけ、試奏もないままロケットケースに入れてもらい領収書を書いてもらって飛び出しましたがすでに30分以上経過していました。空港について合流すると集合時間に遅れたことで怒られたのは言うまでもありません。このギターは今も私の手元にあります。これら以外にもここには書きづらい際どい話もいくつかあったのですが、それはまたの機会にしましょうかね。

さて、そうこうする内日本国内での撮影分と合わせて編集が始まりました。さらにCM音楽の製作ですね。今回の話のキモはここです。音楽録音の日がやってきました。そこにやってきたスポンサーの広告担当者はその日限りで辞める方でした。しかも音楽録音は夕方からだったので、その担当者の退社時刻は過ぎているはずでした。しかし・・・その担当者はこのようなことを言い出したのです。「このスコアを見ると、この音が気に入らない!」とね。全員唖然!一音だけ取り上げてその音が気に入らないというのです。何だそれ?となりましたが、今はもうこの先どうなったのかよく思えていないのですよ。

バックを取り終えて、最終の歌入れです。そこへやってきたのはデビューしたばかりの「竹内まりや」さんでした。私達へ紹介された後、録音ブースに入っていきましたが・・・。その時音楽プロデューサーが言った一言がずっと記憶に残っています。「竹内まりやの声は伊藤ゆかりそっくりなんですよ!」これ以降、私の頭の中ではずっと「竹内まりや = 伊東ゆかりのそっくりさん」という構図が出来上がってしまいました。

なんてな記憶が本日は蘇ってしまったのですよ!


本日の結論
楽しい記憶、やばい記憶、いろいろ蘇ってきます!

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