迷品的改造案

2018年07月21日 使えないものを手に入れたら改造する!


これが呆れるほど使えないナイフ!



「今回はこれにてご勘弁を」

誰だって魔が差すことはあります!ナイフの面白そうなものを探していたら、見つけたのが上の画像のカード型ナイフ。財布に入れておいていざというときに使えるというやつで、しかもやたらに安いとくれば手に入れて検証したくなるのは仕方がないと。で数枚手に入れてみました。

ブレード部分は金属でそれ以外はプラスティックです。刃もそこそこ切れるのですが・・・。まず最初に驚いたのは、ブレードが取り付けてある部分が外れないこと。えええ???と無理やりこじ開けてもなかなか外れず。そのうちプラスティック部分が変形してもとに戻せなくなりました。数枚チェックしていずれも似たようなもので、スムーズに外れたのは1枚だけ。なんてこったい!

そして、目の前に残されたのは薄いブレードだけ・・・。どうしろというのでしょう?使いみちも思い浮かばず、かと言って捨てるわけにも行かずしばし放置しておきました。そしてクソ暑い数日前のこと。暑すぎて朝から外には出かけられず、クーラーの効いた部屋で「さてと・・・今日は何しよう?」と思考していたとき、ふと思いついたことがありました。これから構想するナイフ製作のための実験をしたくなったのです。

机の上には、以前谷口さんからもらって、ファスナーボルトの穴開けテスト用に使ったローズウッドの端材がありました。そのまま捨てるは忍びなかったので、この際中途半端なナイフのブレードと、そのローズウッドを組み合わせてペーパーナイフくらい作れるのでは?と気づいたのです。さらに、ファスナーボルトの削り込みのテストもしようと。

まずはローズウッドの端材の外周のドリル跡を削って使いやすいサイズに纏めました。次にブレードをどこに置くのか決めて、一旦エポキシ接着剤でローズウッドハンドルに貼り付けました。万力に挟んでしばし放置。1時間ほどしたら、ハンドル材の反対側も接着して万力で固定しました。この際にファスナーボルトを突っ込んで位置ずれを防ぎましたが、万力固定後はファスナーボルトを引き抜きました。

このハンドル材は薄いので、ファスナーボルトの本来のネジ締めができないんです。あくまでも今回は飾りの要素ですね。一旦ファスナーボルトのネジ部分を切り取って、ハンドル材の10mm径穴に左右のファスナーボルトを埋め込みます。この時点では真鍮のファスナーボルト頭が1mmほどハンドル面から飛び出しています。

接着剤がある程度硬化したところで、ローズウッドのハンドル材外周を削って握りやすい形に整えます。設計図があるわけじゃなし、今回は適当に握りを確認しながらの作業でした。外形が整ったところで、ブレードの空いた穴の部分に合わせて3mm経の穴を二か所開けました。ここへ真鍮のピンを打ち込んで固定の助けにします。

途中いくつかの失敗を繰り返しながら、ファスナーボルトは無事に削り終え、グリップ材と同じ平面を作れました。ヤスリさえちゃんとしていれば手作業でもそんなに難しくはないですね。全体の接着剤が硬化したら、更にハンドル材全体をサンドペーパーで磨いて仕上げます。ツルツルに仕上がったところで、椿オイルで仕上げました。ところが・・・。

作業中に誤ってヤスリをブレードにぶつけてしまい、刃が一部欠けてしまいました。これは無様です。放置はできませんね。そこで、砥石の登場です。台所にある砥石でブレードの欠けている部分が無くなるまで研ぎ出していきました。これが結構時間がかかりなおかつ繊細な作業となりました。

さらにもうひとつ問題が。この時点でまだ真鍮ピンは打ち込んでいなかったのですが、水分がハンドル材とブレードの間に染み込んで接着剤が剥がれてきたのです。おおお!!!まずい!ブレードがグラグラです。刃は研ぎ上がっていましたので、一旦乾燥のために放置。その後、ハンドル材の中の接着剤をかき出して、再度ブレードを接着し、真鍮ピンをカシメてなんとか留めることに成功!

真鍮ピンの頭を削り、平面を出したところで再度サンドペーパーで全体を仕上げて、なんとか完成させました。テキト〜に作ったペーパーナイフなので、いろいろ問題はあるのですが、実用上は問題ないかと。全長は16.5cmです。Amazonのダンボールを開けるのには使えるかと!



まだこのブレード部分が5枚ほど残っていますので、いずれ気が向いたら続編を作るかも・・・。しかし、使いみちのない半端な材でこの様に新しいモノが作れるというのは楽しいですよね。本来はもっと美しい形に仕上げることも可能だったのでしょうが、今回はこれにてご勘弁を!


本日の結論
ひたすら暇つぶしのためにやっていました。丸一日掛けて楽しみましたよ!

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