刃物的鍔製作

2018年07月09日 いよいよ初めての作業に取り掛かります!


4mm厚真鍮板からヒルトの概形を切り出した!



「とにかく製作に時間がかかるんです!」

本日の内容は、自分の作業記録のために書きますので、ご興味が無い方は直ちに立ち去ってください。淡々と製造手順を記録するだけですからね。後々自分が作業工程を見直す際に振り返るための記録です。

ナイフ造り第三弾は、はじめての作業に取り組みました。ヒルト(鍔)造りです。様々な種類の作り方があるようですが、今回選んだブレード材の形状を考えてサンドイッチ方式を取りました。ブレードの両側からヒルト材で挟み込み接着。さらにそこへ2本の真鍮ピンを打ち込みカシメて固定してから、外形を削り出すという手順です。

まずは、4mm厚真鍮板にヒルト(鍔)の外形を書き込みます。その外形の外側に4mmドリルで細かく穴を開け、切り出しやすくします。これが結構根気がいる作業で、ドリル穴とドリル穴の間を切り取らなければなりません。地味にヤスリを使ったり鋭いニッパで切り取ったりしつつ、なんとか二つのヒルト材を切り出しました。そして、ざっとバリを取ります。バリを取らないと思わぬ怪我をする可能性があるのでね。指先を切ってしまうと痛くて作業になりませんし。後々のヤスリ作業を楽にする意味もありますよ。


次にブレード材のヒルト部分に二か所、3mm径の穴を開けます。真鍮ピンを通すための穴です。真鍮ピン自体はサンドペーパーで周りを磨いて通しやすくします。片面だけピン用の穴を開けたヒルト材に接着剤を塗り、ピン穴をガイドにして接着します。この時真鍮ピンを一旦刺してズレを無くしますが、万力で固定した後はすぐにピンを抜いてしまいます。接着剤でピンごと固定されないためです。



片面の接着が終わったら、もう片面を接着します。ここではピンは必要ありません両面がしっかり接着され、エポキシ接着剤の硬化が終わるまでしばし放置です。4時間経過後、ヒルトの穴が開いている側から、3mm経ドリルで貫通させる穴を開けます。その穴2か所に真鍮ピンを刺し金槌で打ってカシメます。ピンの打ち込みはかなり強くやる必要があります。ピンの頭が、すこし広がってくればOK! カシメが完了すればヒルトの固定は終わりです。


真鍮ピンは飛び出しているので、削って段差を無くし、ピン自体が見えなくなるまでヤスリで平面を出していきます。ここが今回はじめてやる最大のポイントでした。「カシメはうまくいくのか?ピン跡は見えなくなるのか?」とちょっと不安をいだきつつ進行!上手くピン跡が消えてくれました。この段階で一旦ここはいじるのを止めて、次へ移ります。



ここからが神経を使うし、時間がかかる作業です。ヒルトの上下部分の出っ張りをブレードの形状に合うよう削り込んでいきます。削り作業は行き過ぎてしまうともとには戻れないので、すべて手作業で行うことにしました。ヤスリでひたすら形状を削り出していきます。この様に上面は無事に削れました。ただ、こちら側は平面なので簡単なのですが・・・。



下面に移ります。形状が複雑な曲線なので、いくつかのヤスリを使い分けオリジナルのブレードのカーブに合うように削り込みます。これが疲れる!腕がパンパンになって少し痛みが出てきました。でも途中で止めるわけにも行かずひたすら汗ビッショリになりながら作業を続けました。


下側のヒルト形状が整ったら、各角が鋭くなっているので、一旦軽く面取りをしました。これで怪我しづらくなります。この後はもっとヒルトを削り込んでRを付けて指に馴染む形に仕上げるのですが、それはグリップ材が届いてからの作業になります。グリップ材の厚みによってヒルトの削り方も変わる可能性があるからです。では、ここで作業は一旦お休みしましょう!

 

と、ここまで初めての作業をやってみましたが、結構時間がかかる作業でした。電動工具でやればかなり短縮できるのでしょうが、音を出すのが嫌だったので、手作業にこだわりました。有名ナイフ作家の仕上がりはとても美しいのですが、それは電動工具を使ってさらに技術的に繊細な仕上げテクニックを身に着けているからですね。

以前は、個人作家のナイフの価格が「えっ?こんなに高いの?」と思った時期もありましたが、実際に自分で作ってみると「あの価格は妥当だ!」と思えるようになりました。とにかく製作に時間がかかるんです!しかし、私自身は商売にするわけではないので、じっくりと毎日少しずつ完成へ近づけていくのが楽しいですよ!


本日の結論
もう第四弾の構想を考え始めているのに自分でも呆れる!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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