刃物的完成弐

2018年06月29日 いよいよ仕上げに入ります!

ホコリ防止のゴミ袋内研磨作業!



「かなり多くのノウハウを取得できました」

6月28日午前11時から仕上げの最終作業をスタートしました。何がなんでも当日中に仕上げますって勢いでね!

此処から先は2時間程度で仕上がるだろうと思っていましたが、予想の倍以上も作業時間がかかってしまいました!まずは、グリップに丸みをつける整形です。これには電動サンダーを使いました。理由は、ハンドル材の厚みがありすぎるので全体的に均一に1.5mm薄くしたかったからです。ヤスリでの作業では無理がありますのでね。

ホコリが立つ作業なので、まずは予防から。ゴミ袋を広げてその中に万力を入れナイフを固定します。そのゴミ袋の周りを少し立ち上げてから電動サンダーで削りつつ、はみ出してしまうホコリは掃除機で吸い込みます。これの繰り返し。しかしこれが思っていた以上に時間がかかってしまい結構手首がつかれました。

厚みが少し削れたところで、全体的なR付けです。ハンドルを握った時に手のひらに柔らかくフィットするように角を取り除いていきます。これが結構神経をつかうんです。行き過ぎると二度と戻れないので、少しずつ削りながらその度にナイフを外して握りを確認しつつを繰り返します。実に地味な作業ですが気は抜けません。

グリップエンド部分も少しテーパーを付けて丸みを出します。ヒルト(鍔)とハンドル材とのつながりは同一面にしなければなりませんので、ヒルト材に傷をつけないように繊細な作業が要求されます。さらに上下の面も削り込んでいきます。この工程で思わぬ状態となりました。一度ブレード材のグリップ部分をピカピカに仕上げておいたのですが、今回の削り込みで擦り傷が結構はいってしまいました。この擦り傷を最終的に修正しなければなりません。余分な手間が必要になりました。ということは、そもそもブレード材を事前にそんなにピカピカに仕上げて無くても良かったのだと気づきがっくり!

ほぼ完成形に削り終えた状態が以下のようになりました。薄っすらと虎杢が浮き上がっていますね。角度を変えてみるともっと虎杢ががっきりと見えます。光の方向性の問題もありますけどね。これをさらに磨き込んで行くと虎杢が鮮やかに出るはずです。


次にやるのは、6mm真鍮パイプの断面のバリ取りです。ハンドルを握ると少し手に引っかかりを感じます。そこで小さな電動ドリルに円錐形のヤスリを付けてバリ取りは直ぐに裏表とも終了。手触りも気にならなくなりました。

此処から先は、ひたすら手作業のサンドペーパーがけですね。無心にひたすら擦りまくります。時々グリップを確かめつつ、上から見て左右対称になるように進めます。これも叉神経を使う作業となりました。手作業で左右対称って結構難しいんですよ。スリスリしつつ、微調整しつつ進めるとこんな感じに。



ここまでくればもう完成は間近です。木部が仕上がったので、金属部分の磨きに入ります。細かい傷を消しつつサンドペーパーで水研ぎ。地味でっすが仕上げの美しさに関わるので手は抜けません。擦りすぎて指先が痛くなります!とその時!まずいことに気づきました。金属磨きが終わった時点で、乾燥するのを待っていたら、ハンドル材が薄黒くなっているのです!ああああそうか〜〜〜〜!!!水研ぎで発生した金属の微細な粉が、木部の表面に食い込んでいるのです。参った!そこである程度乾燥が進んだ状態で、もう一度木部へサンドペーパーがけをして表面を薄く削り取りました。もちろん金属部分はテープで保護しつつの作業です。

ほぼ、予定していた形状に仕上がりましたので、水研ぎの水分が抜けるのを待ちます。ちょっとお茶休憩。見た目に乾いたことが確認できたので、次は仕上げです。当初はラッカーやニスで仕上げようか?と考えていたのですよ。ギターはそうやって虎杢を際立たせますからね。しかし、用途を考えると塗装はハゲるので辞めたほうが良いと気づき中止。蜜蝋などのマット仕上げというか素材そのままの仕上げのほうが良いかなと思って材料を探すと・・・。かなり前にもらった「大島産椿油」が残っていました。かなり粘度がある工芸用ですね。

ティッシュペーパーに椿油を垂らしてハンドル材を磨いてみると、おおお〜〜〜!!!見事に虎杢が浮かび上がってきました!裏表上下全面に椿油を擦り込みます。しばらく置いてから再度椿油を刷り込みました。さらに、仕上げの擦り込みで完成です!全体的にしっとりとした見た目ですが、しっかり虎杢も出ています。以下のように仕上がりました。本日の作業工程は約6時間。







初めての中型ナイフ作りは作業として結構タフでありました。その分だけ仕上がりに対する喜びも大きいですね。かなり多くのノウハウを取得できましたので、次回作はもっとスムーズに美しく仕上げる事ができるかと。今回の自己採点では80点といったところです。マイナスポイントはまあ置いといて、しばらく手に取り眺めて楽しむことにしましょう!現在シース(革ケース)が無いのでむき出し状態です。すでにイギリスで見つけて発注しましたので、10日後くらいにはシースが届くのではと予測しています。

実はすでに、第三弾の材料も発注済みです。半月後くらいには届くのではと楽しみにしています。次はもっと難しい作業に挑戦します。そして第三弾が終わった時点で「このさきも趣味としてナイフ作りを続けるのか?」の判断をしようと考えています。てなことで、今回の作業はこれまで!


本日の結論
完成しても使う場所が無いというのがなんとも微妙ですなあ!!!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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