刃物的裏打材

2018年06月28日 ブレードが届いたので作業進行!

このブレード材はパキスタン製だった!



「AAAAAの虎杢が現れてきました!」

さてと、ブレード材がアメリカから届いたので、再び刃物三昧に戻る私です!

今回取り寄せたのは、全長21.5cmのドロップポイント。本来欲しかったのはブレードの削り込みが上までスムーズに繋がっているものだったのですが、いくら探しても手頃なサイズでは見つからず妥協の産物としての第二弾製作ということです。ハンドル材は「ギター製作者とのコラボ企画」として、すでにギター製作者の谷口さんからハワイアン・コア材を頂いていましたので、ナイフのハンドル外形に合わせてざっと切り出しました。


で、実際にブレード材と合わせてみると・・・。外形は問題ないのですが、コア材の厚みがやはり足りません。4.5mm厚なのですが、ヒルト(鍔)の出っ張りが4mmなので、表面を削るとほぼ同じ高さになってしまいます。これは不格好な上に握りにくいので、コア材の裏側に2mm〜2.5mmの材を貼り合わせて厚みを出すことにします。

さてそこで、その厚みを出すための材は何にすればよいのか?と悩んでしまいます。黒檀、紫檀などのように色が濃くて堅い木が良いのでは?と思いましたが、そんな都合の良い厚みで有りますかね?化粧張りに使う材ならあるかもしれませんね。東急ハンズあたりで探すのがてっとり早そうですが、高いしねえ・・・。全く発想を変えて、アルミ板で裏打ちというのは有りですかね?このブレード事自体が持つとずっしり重いので、できれば軽い材で作りたいのですよ。



さて、もう一つ問題を発見しました。ブレード部分はきれいに仕上げてあるのですが、ハンドル部分の外形の仕上げが全くできていませんでした。これは大変な作業になるのでは?と怯えつつ、早速万力に挟んでヤスリ作業を開始。金ヤスリ3種類、サンドペーパー2種類、コンパウンド2種類を使ってようやく使える状態にまで持ってきました。金属のヤスリがけは、中学校の「技術家庭」の授業でセオリーを習いましたね!



6月26日午後14時ころ、東急ハンズへ向かいました。久しぶりなので、一番上から順番に全フロアーを眺めて回りましたよ。目的の裏打ち用の木材を探してみましたが、黒檀で程よい良いサイズと思ったものは全部5mm厚でした。これを均等に半分の厚さにするのも手作業では無理だしなあ・・・。と悩みつつしばし探しまくっていたところ、3mm厚の桂材を見つけました。材としては少し柔らかいし白っぽすぎるのでと躊躇しましたが・・・その中に一枚だけ薄茶の桂材があったのです。色としてはコア材に近い色でした。コレなら使えるか?と購入したところ160円でした。ここまでの電車代より安い・・・大笑いです。ついでにと、金属パイプの売り場に行って6mmの真鍮パイプも1本購入。

6月27日午前11時作業開始です!

まずは、ブレード材に開いている穴3つを6mm経まで広げます。焼入れしてあるブレードなので大丈夫か?と思いながらやってみると、たしかに堅い!ドリルの歯をジワリジワリと下げていき、半分ほど進んだところで裏返して反対側から削ります。こうするとバリが出にくいですからね。流石に穴あけを完了した時、ブレードがとても高温になっていました!次回はオイルを注しながらやってみましょう!



裏打ち材を接着剤でブレード材に貼り付け、それが固まったところでコア材を貼り付けました。固まるまでしばし放置。その間に6mm真鍮パイプの切り出しです。2.5mmの長さで3本作りましたが、これが思ったより大変な作業で、汗びっしょり!ハンドル材片面が完成したら、3か所に6mm経の穴を開けます。更に反対側のハンドル材も貼り付けて接着剤が固まるのを待って6mm経の穴を全体に貫通させます。


片面のハンドル材を貼り付けた状況 。反対側にも施します。

次に、6mm真鍮パイプをグリップの穴に打ち込んでいきます。貫通させたらブレード材にカシメるように両面から強くハンマーで叩き込みます。強く押してもグラつかないようになったら完了!これで基本的な材料の組み立ては完了です。此処から先は地味ですが重要な作業が待っています。

最初に、真鍮パイプの飛び出している部分をヤスリでフラットに整えます。最終的にはハンドル材と一緒に握りやすい形に削り込みますので、まだ仕上げの精度ではありませんが、飛び出していると他の作業の邪魔になるのでね。

ハンドル材を外形に合うように削っていきます。一気に加工すると、コア材は固く脆いので欠けてしまう可能性がありますから、地味にカッターナイフを使って手作業で少しずつ削ります。やりすぎるともとには戻れないので、慎重に慎重に。ボール盤で一気に行けそうな気もするのですが、あくまでも手作業にこだわってやるってのが今回のテーマです。ほぼ外形に近いところまで削った状態が以下の画像です。ハンドル材はまだ全体的にブレード材より1mm〜2mm大きめに残してあります。ここまでで、当日作業スタートから5時間です。



疲れてきたし、一旦ここで作業を止めようと思ったのですがやはり気になってしまったので、もう少し追加で作業を勧めます。ハンドル材をブレード材の外形までさらに近づくよう進めます。気を使いながらなので、時間がかかります。カッターで本当に少しずつ削って約1時間後、ほぼ外形になりました。ほぼというのは、この先サンドペーパーで仕上げるために0.1mm程度の余裕を残しているからです。

谷口さんから教えていただいた、コア材の虎杢の出し方が気になったので、ハンドル材表面削りに入る前にテストしてみました。カッターの刃を広く当ててスクレーパーのようにコア材を薄く削ります。すると!見事にAAAAAの虎杢が現れてきました!斜めから光を当てるとよく見えます。この画像でははっきり見えないのが残念ですがこれで一安心。この先はいかにこの虎杢を美しく保ちながら仕上げられるかがテーマです。



きっと、電動ベルトサンダーとか電動ジグソウとか電動トリマーとかあれば便利で楽なんだろうなあ〜〜〜!!!と願望を述べたところで本日はここまでといたしましょう!次回はいよいよ仕上げに入ります!


本日の結論
手持ちの機材だけでやり続ける無謀さに自分でも呆れる!!!

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