皿洗的違和感

2018年06月21日 無意識の常識が疑われ始める!


皿洗いの後にやってきた違和感とは。



「ありがとう!助かる!」

結婚して3年後に妻は仕事を辞めたいと言い始めました「構わないけど、私の給料だけで本当にやっていけるのか?」との問いに妻は「大丈夫。やりくりするから!」と答え専業主婦となり、それ以来ずっと専業主婦を貫いてきました。この事によって「私は外で仕事。妻は家事一切を取り仕切る」との暗黙のルールが私の中に生まれ長年過ごしてきました。妻の家事は完璧でしたね!

2005年に私は鬱に倒れ、2006年には長年働いていた会社を離れました。その後、2007年から2年半その子会社で働いたもののなかなか鬱が消える様子もなく、リーマンショックの嵐の中で自主退社しました。その後2010年に子供は結婚して家を出ていき、二人だけの生活になりました。先の展望はまったくなかったのですが、2007年から作り始めたギターペダルが少しずつ売れ始めていたので、なんとか生きていくギリギリの収入は確保できました。

私は家に居てギターペダルを作り続ける日々。徐々にオーダー数が増え、2011年末頃から睡眠時間を削らなければならないほど忙しい日々がやってきました。あまりも睡眠を取らなくて突発性難聴発生!9日間の入院を経て、なんとか復活しましたが仕事量はさほど減ることはありませんでした。それから7年の月日が経ちました・・・。

今年になり、オーダーは笑えるほどに減少し穏やかな暮らしに戻りました。妻は日課のスポーツジム通いで、週に6日間はお昼前に出かけ夕方に帰宅するスケジュールです。毎日妻は車で出かけるので、私の移動手段を確保するには徒歩かバスです。バスは1時間に2本ほどしか通らない地域に住んでいますので、出かけるのが面倒!必然的に、自宅であれこれ面白そうなことを見つけてドタバタしています。時々来るペダルのオーダーにはすぐに対応できますし、暇な日には読みたかった本を一気読みも出来ます。最近では、昔からやりたかったナイフ造りにも目覚めてしまいました。昔で言う趣味人のご隠居ってやつですかね。

さて、そんな最近になり妻の一言に違和感を覚えました。それは「ありがとう!助かる!」という御礼の言葉です。これには説明が必要ですね。私は長年「専業主婦」の妻に家事一切を委ねてきました。私が自宅で働く様になってもそれは変わらないままでした。ところが、数年前から私に一つの家事が生まれました。それは「洗濯物の取り入れ」です。妻は昼間スポーツジムに行っているので、夕方4時前くらいに私が洗濯物を取り入れるのです。洗濯物を畳むまではしませんが、湿気が出る前に取り入れるだけです。私自身がペダル作りで部屋にこもっていると洗濯物が干してあるのに気づきにくく、3時すぎに「洗濯物の取り入れお願いします!」とスマホあてにメッセージが送られてきます。「おっ!いけねえいけねえ〜!」と作業中断して洗濯物を取り入れます。これは定番化したので違和感はないのですが・・・。

ある日のこと、私は仕事がなく暇だったので朝から夕方までずっと本を読んでいました。17時過ぎになり読了。水を飲みに台所へ行くと、朝早くに妻が出掛けたため、台所の流しには汚れた食器がそのまま放置されていました。帰宅後に妻が洗うつもりだったようです。長年その光景を見ても私はそのまま放置していました。無意識に妻の仕事だと思いこんでいたようです。

しかし、その日は違いました。気温も暖かくなってきて水仕事も苦ではない季節ですので、何気なく食器を全部洗っておきました。そして妻が18時過ぎに帰宅してすぐに「ありがとう!帰ってきてすぐに洗い物をしなくてよいのは助かる!」と言っていました。なんとなくいい気持ちです。やがて皿洗いは、私が暇な日の日課となりました。勿論、一日中忙しい時はやれませんが、夕方に手が空けば苦もなくやる様になりました。二人分の朝食の食器ですから、たいした量ではありませんしね。

ここからが問題です。私が洗い物をした日には必ず妻が「ありがとう!助かる!」と言ってくれるのです。それが何度か続いているうちに・・・。私の中で違和感を覚えたのです。「今まで毎日妻が洗い物していることに対して、ありがとうって私は一度でも言ったことがあるのか?」と気づいたのです。結婚して以来、ずっと妻が毎日やり続けてきたことを私は当然と思い、それに対して感謝する感覚を無くしていたのでは?と感じたのです。食事の準備に対しては毎日テーブルに出してもらう度に「ありがとう!」と言うようにしていますが・・・。

ということで日々「ありがとう!助かる!」と言われることは嬉しいことではあるのだけれど、私自身の中にある「違和感」が頭をもたげる言葉でもあるのですよ。ひねくれてます?


本日の結論
妻よ!もうそろそろ言わなくてもいいよ!

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