刃物的握完成

2018年06月20日 なんとか完成したが!


一応の完成を見たものの・・・。



「銘木廃材の再利用」

前回の続きです。ドタバタいたしましたが、ようやくナイフ・ハンドル試作が完了いたしました。

接着剤が完全硬化するまで丸一日放置してから、仕上げの作業へと突入いたしました。まずは、外形の削り出しです。前回の終了時には「こりゃあ仕上げには電動ベルトサンダーが必要だなあ!」と感じて、一瞬だけ電動ベルトサンダーを購入しようかなと物件探しもしたのですが、今回はあくまでも試作ですので、自宅の機材でなんとかしようとトライしました。

ボール盤に、極太のビットを取り付けてトリマー風の対処をしてみました。かなり無理矢理な感じでしたが、時間を掛けてゆっくりと外形削りを進めていくとなかなか調子よく進みました。あまりにもホコリが出るので、ボール盤のすぐ横に電気掃除機の吸入口を置いて強力にブン回しながらの作業です。おかげて散らからずに済みましたよ。指先に緊張感を伴う作業なので、思っていたより疲れました。力も必要なので結構汗だくになりましたね。

 

外形が綺麗に削り出せましたので、しばし休憩の後に手作業のヤスリがけで形状に丸みを付けていきます。少し削っては右手で握り、指先や手のひらに違和感がないか確認しつつを繰り返し進めました。脆いハンドル材なので、今までの作業工程で欠けてしまった部分の対処も行いつつですが、真鍮ピンまわりの細かく掛けた部分はもうこれ以上処理のしようがなくそのままです。

ヤスリがけが終わったら、サンドペーパーによる水研ぎ作業です。これが仕上げとなりますので慎重に!まずは♯400で全体的な細かい傷を取り去り、形状も整え♯1300で仕上げの磨きです。この作業自体はギターのフレット磨きなどで慣れていましたから問題ないのですが、指先に力を入れるので右親指が徐々に痛くなってきました!

全体的なフォルムを確認した後は、ポリッシュです。このハンドル材は磨き上げないと白っぽいままで鮮やかな色にならないんですよ。ターコイズ・ブルーのはずなのでピカピカになるまで磨きます!そしてようやく完成しました!スタートから3日間でした。実質作業時間は6時間でしょうかね。機材が揃っていればもっと早く完成するのでしょうが、なにせ手持ちの機材と材料だけでやってみたのですから!


仕上がってみるとやはり、ピン周りの欠けが気になりますね。ということは、この素材でハンドルを作る場合はピンを打たずに接着剤だけでハンドル材を留めたほうが良かったのでは?と反省です。まあ、それを含めた検証のために作ったわけですから問題ないのですがね。


背面は綺麗に処理できました。


作ったものの小さなナイフなのであまり実用性はないですね。

さて、ナイフハンドル試作が完了してみると見えてきたことがいくつかありました。実際に作業してみないと判らなかったのですが、今回使ったハンドル材は脆すぎました。作業中にちょっとしたことで欠けが発生しました。仕上げに影響するのでちょっと辛かったですね。これは、二度と使わないハンドル材です。何故、ハンドル材に硬いウッドが多いのか、ボーンやマイカルタが多いのか?が解りましたよ。

ハンドル材の基本的な部分として吸湿性があってはならないのですよ。本来は狩りで獲物を処理する目的ですので、血液等が染み込んでは後々腐敗したりするので困るのです。私は狩をするわけはないので材質が見た目に楽しめれば何でも良いのですがね。次回は、ウッド系でトライしたいと考えています。ウッドのほうが柔軟性があり、欠けが出にくいですからね。

そこで、ナイフの材料を扱っているショップでハンドル材を探してみると、えええ?ビックリ!これが結構高いんですよ。まだまだテスト段階なのに、このサイズの木材が2枚セットで5,000円と言われるとちょっと躊躇してしまいます。販売するものを作るのではないのですから、そんなにコストは掛けられません。

では、他にどんなウッドハンドル材が良いのでしょうか?と・・・しばし考えているうちにあるアイディアが浮かびました。ギターの製造者とコラボするのはどうだろうかとね!その意味は・・・。

ギター製作では、アコギにしろエレキにしろ木材を使います。結構杢目が綺麗な銘木が使われることも多いですね。ですが、一旦ギター製作が完了すると、そこには切り落とした廃材が残っているわけです。それら廃材は小さいので再利用も出来ず、廃棄するしか無いですよね。ところが、ナイフハンドルに使うウッド材は厚み 8mm x 幅40mm x 長さ120mm 程度あれば充分。それが左右で2枚あればいいんです。きっと、ギター製作後の廃材はその大きさ以上ではないかと思いっ立ったわけです。

そこで次回のテーマを「銘木廃材の再利用」にしてみようと決めて、ギター製作者のベテランに声をかけさせていただきました。趣旨を伝えたところ、ご協力していただけるとの返事が。さらに、必要サイズにカットしてお送りいただけるとのご配慮に大感謝です!早速端材が見つかったと、AAAAAのコア材の画像が送られてきました。グレート!




ところが一つ問題があって、厚みが足りないとか。しかしその解決策も提示していただけました。AAAAAのコア材がが少し薄いので、ローズ材を挟んで厚くするという作戦です。予想していたなかった展開だけに、これは面白い!またしばらく妄想を楽しめそうです!谷口様!感謝です!


本日の結論
一つ動き出すとさらに新しい動きが生まれて面白いです!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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