会話的自由度

2018年02月21日 英会話学習はどのように進むのか?


私がホームステイした Henry 家 の皆様



「だし巻玉子の作り方を教える!」

突然気づいたことがあります。英会話学習初心者だけお読みください!

漠然と感じていたことが「そうだったのか!」と認識できたということなんですがね。ここ数日、またアメリカに一人旅したくなってきました。前回の旅が終わってまだ1か月も経っていないのにね。この感覚はなんだろう?とつらつら思っていたんですが・・・。ようやく、その正体に気づいたのですよ。

ダラダラと長い記述になりそうですが「英会話初心者の自由度」の変化について書いてみます。

2015年5月から英会話の学習を始めた私は当初、先生に対して発表した目標は「来日ミュージシャンの楽屋でジョークを言えるようになること!」でした。ネットスクールでの3か月間毎日自宅のiMacの前で午前中を費やしました。宿題をこなすのに短くて2時間、長い日は4時間も発音練習していました。歳取ると学ぶのに時間がかかるんですよ。

しかし、それは学習という場だけでのこと。現実には英語ネイティブの外国人と会話する機会は一度もありませんでした。そしてその英会話スクールの欠点に気づいたのです。ヒヤリングが疎かにされているとね。話すことに集中した授業内容だけど、英語発音に関する根本的な日本人の勘違いを丁寧に是正することはコースに入っていなかったのです。「毎日15分、3か月で英語がペラペラになる」という触れ込みのネットスクールでしたが・・・。実際にそうはならないと。

それは何故か?辞書にはペラペラの定義は「外国語をよどみなく自由に話すさま」とあります。幾つもの英会話学習ソフトや、スクールの謳い文句の中に頻繁に「ペラペラになる」と書かれています。イメージではわかりますが学校側には厳密な規程はなくて、これが「ペラペラ」だ!という基準はなく、あくまでもイメージですから。しかし、各スクールは「外国語をよどみなく自由に話すさま」に3か月で成れると言い切っているわけですよね。本当に出来ると思います?

私の学んだスクールでは週イチでSkypeによる対面指導が行われました。その際に複数の生徒が画面に出てきて、テーマにそって生徒同士での対話が促されます。この時に思ったのですよ。なんだこれは?とね。なるべく発音を綺麗にしようと自分ではやっていたのですが、一緒に学んでいた方々の「カタカナ英語」が酷くて、会話の学習にならない状況が生まれたのです。私の言っている簡単なことが聞き取ってもらえない事態が何度もありました。彼らが発音の学習をしていない証拠ですね。

さらに私自身にもありました。課題で出されたムービー映像での会話がどうしても聞き取れないので、テキストと同じ事を発音しているのか?と確認のメールを事務局に送ると、間違いないと返ってきました。しかし、何度聴いても聞き取れず悩んでしまいました。そこでヒヤリングに特化した教材を別口で探して購入、トライしてみました。すると驚いたことに、最初の1週間でかなりの変化が出てきました。極端に言えば初日からですがね。聞き取れなかったムービーが聞き取れるようになっていたのです。理由は簡単です。英会話での発音のルールを知り自分で何度も発音練習したために、それと同じ発音が出てきたので聞き取れるようになったというわけ。

この事実は、あの英会話ソフト「聞き流すだけで喋れるようになる」というヤツが初心者には無理だということを示しています。いくら聞き流しても、発音のルールを知り自分で発音できるようにならなければ決して聞き取れるようにはならないってことですから。「聞き流すだけで喋れるようになる」を私も随分前に試してみました。全くの初心者では無理です。聞き取れません。英語と日本語が交互に出てくるので聞き取れた気になるだけです。初心者が英語だけのバージョンを試してみると呆然とします。

しかし!ちゃんとヒヤリングソフトで英語の発音とルールを学んでから「聞き流すだけで喋れるようになる」の英語だけバージョンを聴くとかなり聞き取れるようになっているのが確認できます。正しく「R」や「L」「TH」等の日本人が持ってない発音やリンキングができるようになった方だけが聴き取れるようになるんですよね。

話を戻しましょう。
英会話を学ぶと「アウトプットしなさい!」と言われます。当たり前ですね。会話ですから話すことで成立します。しかし現実には、日本国内の田舎でそれを日常的に行うことはとても難しいですね。私のように、一人部屋にこもって仕事をしている立場だと更に難しいです。そこで、思い切って私はアメリカに一人旅をしてみました。2年半前と今回の2回です。もちろんそれにはホームステイの受け入れ先があってのことなのですが。

日本人が居ない環境に滞在すると、必然的に英語をアウトプットしないと生活できません。レストランで注文する度に、移動する度にそれは必要に迫られます。もっと言えば最初の遭遇は入国する際のイミグレですよね。苦手だった英語を使って日々過ごすのはストレスが溜まると思っていました。しかし、旅を終えてみると今回はそれが全く無かったのに気づいたのです。理由は「かなり英語が聞き取れた」事実があるってことです。アウトプットするためにはヒヤリングが重要ってことですね。

これはコミニュケーションが成立したことを意味しています。稚拙な英会話しかできなかった私が「ある程度聞き取れるようになった」ことで海外の人々との「交流の自由度」が増したってことなんですね。私が気づいた正体とは「自由度」のことだったのです。旅において、自分を解き放つ為の「自由度」とは言葉が通じる度合いのことですね。つまり「言語の自由度」が上がるに連れ精神的にも自由度が増すと。

かつて某人物がアメリカに仕事で行った時の話を聞いたことがあります。彼は信じられないほど英語が全くの苦手でした。その為、簡単な会話も聞こうとはしませんでした。通訳が一緒にいる仕事場に行く以外は、ずっとホテルの部屋に閉じこもり、電話がかかってきても決して取らなかったそうです。まだ携帯電話がない時代でしたので、連絡が取れず同僚がいつも困っていました。自分を解き放つ為の「自由度」が全くない状態ですね。

先日さらに衝撃的な話を聞きました。某知人が65歳になり定年になったと。しかしその人物は、役職はなく給与が出無いにも関わらず、定年後も毎日ネクタイを締めて会社に出社しているというのです。なぜ?勿体無い・・・。定年後にやりたかったことは無いの?と不思議でなりません。会社から脱却できないんですかね?今ならまだ間に合う気がするのですが、いくらでも時間はあるのですから3か月〜4か月英会話を学ぶために没頭してもかまわないじゃないですか。そして思い切って旅に出てみる。かつて仕事で行った海外が違って見えるはずですよ。この方は「精神的自由度」が低い状態なんでしょうね。

なんてな、勝手なことを申し上げておりますがかつては私も同じようなものでした。
「未熟でも良いからとりあえず英会話を身につける」ことから始めると、徐々に自分が開放されていくのを体感できるのですよ。時間はかかります。3か月のスクールを終えたからと言って自由に喋れるわけではなく、英語で話すた為のスタートラインに立っただけです。でもその後も日々、少しずつ自分なりに学習して行くと、自分でも気づかぬうちに「旅に出たい!」」と思うようになっていると。これは「学習の継続」が重要だということですね。さらには、学んだことはすぐに忘れてしまうので常に意識して継続していないと知識が消えてしまうということなんですよ。

私には一つ残念なことがあります。妻と一緒には海外へ出かけにくいということがあります。妻は極端な「気遣い」をする性質なので、決して海外でホームステイは出来ないというのです。親戚の家に泊まるのでさえ躊躇するくらいですから。ホテルを転々とする旅であれば可能なのですが、私自身は「ホームステイのほうが楽しい!」と思っているのでホテルぐらしの旅は余りやりたくないのですよ。ネイティブとの会話のチャンスがとても少なくなりますから。妻と一緒にいれば当然、日本語を使う時間も長くなり・・・その結果、私の一人旅を選択してしまうということなんです。

最後にもう一つエピソードを。
アメリカのギタリスト Mr. Henry Kaiser と懇意にしています。彼と最初に顔を合わせたのは、アメリカで2010年9月のことでした。その時は通訳してもらっていました。次に会ったのは2010年12月。東京ででした。通訳は居ませんでしたが、なんとか一人で対処して丸一日一緒に都内観光をしました。2013年にも Henry が来日したので、ライブの2日間付き合ってギターテックの様な手伝いをしました。そして2015年5月から英会話を学び、9月になり私は彼の誘いで彼の自宅へ8日間のホームステイをしました。ここで、かなり鍛えられました。英語に対する抵抗感とか、無意識の嫌悪感・劣等感に近いものは無くなりましたが、まだ不自由さのほうが勝っていました。

やがて2015年12月、Henry と奥さんの Brandy が来日しました。4日間の滞在の内、丸3日間を一日中アテンドして東京の各所を観光やショッピングして回りました。3日間朝から夜まで英語漬けの案内は、英語の瞬発力を試されました。彼らがしゃべれない日本語を私が通訳し店員に伝える行為は「自分でも想像していなかった行為」をやっているのです。自由度の拡大を感じました。その直後、2016年3月中旬。アメリカから地球物理学の学者夫婦が来日しました。Henry から連絡があり、学者夫妻を2日間アテンドして欲しいと言うのです。やってみました。初面識の彼らを案内するうちに、英語の瞬発力やジョークが鍛えられるのを感じました。「語学学習にはアウトプットが必要!」の意味がよくわかります。

その後は、オーダー者が日本へ来るので直接ペダルを受け取りたいと年に数名から申し入れがありました。もう以前の私ではありません。これはネイティブと英会話実践できる貴重な時間だと、躊躇無く毎回出かけていきました。30分程度の会話ですがこれによって初対面の人々と会話するのに抵抗が無くなりますよね。もちろん、海外から来るギタリストたちとも楽屋で会って話をするようになりました。ジョーク好きの彼らの話を聞き取れる様になってきたのは楽しいですよ。

そう言えば、1月末のアメリカ一人旅は最終日に英会話のトレーニングを自主的に行いました。「だし巻玉子の作り方を教える!」がテーマです。四角い玉子焼き用のフライパンを2年半前にプレゼントしたのですが死蔵されていました。そこで Brandy に指導です。一対一で、作り方を英語で説明しつ仕上げました。これが面白かったのは、料理中に突発事態が起こりやすく、それに瞬発力を持って対応しなければならない点です。予定調和でない会話は面白くもあり、自分がいつの間にか無心に喋っているのに気づきます。「卵はかき混ぜすぎないで!」とか「胡麻油ありますか?」などと意識せずに言っていました。

玉子焼きの一番最初の巻き始めは巻が崩れやすくいのですが、案の定そうなってしまいました。しかし!それは気にするな!最後にやる仕上げの巻さえ綺麗に仕上げれば問題ないんだから!と指導しました。するとそれは「了解!最後の仕上げね!」と順調に進み、見事なだし巻きが完成しました。こんがりきつね色に仕上げてね。ちなみに「美しい仕上げはフォクス・カラーだよ!」と言っておきました。これはかなり理解されやす言葉だったようです。なにせ動物好きの彼女ですから!


側面を使って形を整えてね!

そこで、さらに私が理解できた事がありました。料理を教えつつの英会話実践は瞬発力の学習にかなり効果があり、さらに相手にとっても日本料理を覚えるメリットが有るということ。お互いにメリットがあれば、もう学習という域を超えていますよ。精神的にも「自由度」を感じられる瞬間ですね。さて次は、何の料理を教えましょうかね!そうだ「茶碗蒸し」にしようっと!


本日の結論
思い切って、英語ネイティブの世界へ飛び込まないと英会話学習は進まない!

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