米旅的総括考

2018年02月12日 アメリカ旅の総括と英会話について!


出会いは突然に!例えば、Mr. Mark Goldenberg



「初めて会う方との交流」

1月24日から2月1日にかけて9日間の「英会話未熟者アメリカ一人旅」は、色々考えさせられることも多くて面白い旅となりました。大それた事件が起こったわけでもなく、淡々と日々は過ぎていきましたが、この一人旅を可能にした要因は、何と言っても「英会話の学習」でした。さらに Facebook がもたらした外国の人々との交流ですね。一度も直接会ったことはないのに、お互いに良く知っているという不思議な関係。いままでの経緯をご存じない方はまず、以下の旅の記録を順番に御覧ください。

一日目。初日的合衆国
二日目。初日的楽器展
三日目。次日的楽器展
四日目。観光的四日目
五日目。移動的五日目
六日目。滞在的六日目
七日目。海岸的七日目
八日目。象獣的八日目
九日目。帰国的九日目

上手く言えないのですが、2年半前に英会話を3か月学び直し好奇心が湧いたというか、この歳になり一人でアメリカに出掛けることに抵抗感が無くなったのです。けっして自由に喋れるわけでもなく、相手の言っていることが全部聞き取れるわけでもなく、しかし!その不自由な英会話能力がもたらす最大のものが「好奇心」のブーストでした。アメリカに、何人も協力者が存在するという安心感も有ったのですが「いざとなったら自力でなんとかなる」という変な自信といいますかね。そういう分けのわからない精神状態が動かしてくれたんですね。

英会話学習初心者は教師に「アウトプットが必要です!」と繰り返し言われます。日本で学習していると同じ相手(先生)としか英会話しない状態が続きます。「自主的に不特定多数と英会話せよ」と言われても、初心者には恐怖心が先に立って出来るものではありません。アウトプットが必要だと皆理屈では分かっているんですよ、でも出来ないんです。

なぜ出来ないのか?

最大のポイントは、ネイティブが話す英語が聞き取れないことです。聞き取れないから対処が出来ないという理屈です。聞き取れて相手の要求が分かれば、こちらが上手く話せなくてもなんとか対処・対応はできます。こちらが日本人で英語が下手だとわかれば、相手もゆっくり話してくれますし、なるべく簡単な英語で伝えようとします。こちらが言うことも、なんとか理解しようとします。しかし、その相手のかなり分かりやすい英語でさえ聞き取れない場合どうしようもないのですよ。

では、どうすればいいのでしょう?

一言で言えば「相手の英語を聴き取れるようになれば良い」のですね。そのためには「語学の学習では、自分で発音できない音は聞き取れない」という理屈がありますから、まずは発音から始めます。英語の場合であれば、ABCの正しい発音から始まって、リンキング、消える語尾、飲み込む音など、様々な種類の「日本人が義務教育で習わない音」があります。さらには消えたように聞こえるけど決して消えていない音などもありますよね。これらを学習すると、急にネイティブの音が聞こえるようになります。学習にかかる時間は、基本だけであれば早ければ1日です。ABCの正しい発音を意外と日本人は知らないんですよ。私の場合は、ヒヤリングに関してDVD教材を手に入れて自主的に約1か月間発音練習をやってみました。徐々に理屈がわかってきて、いままで受けた英語教育は駄目だったんだなあ・・・。と認識させられました。

それをやってアメリカへ出かけてみるとどうなるのでしょうか?
1回目は2年半前やってみました。8日間のホームステイでした。受け入れてくれたのは Mr. Henry Kaiser アメリカの有名なギタリストです。以前から Santa Cruz の自宅へ泊まりに来いと何度も誘われていたのですが、なかなか英語が話せなくて躊躇していたのです。しかし!思い切って行ってみることにしました。(今回の旅でも同じ家にホームステイしました)

サンフランシスコ空港に着いてまずイミグレーションです。ヒヤリングの訓練後初めて生のネイティブと話す瞬間です。そして、ビックリします!係官の質問が信じられないほどよく聞き取れるのです。私自身でそれを経験しました。税関でも同じでした。ジョークも聞き取れて自分自身が信じられない感覚でした。しかも、そのジョークにちゃんと返すことが出来ましたし!

しか〜し!その旅の後の二年半ほとんど英語をしゃべっていない生活でした。今回の旅は鈍ってしまった「アウトプット」を取り戻し、それをさらに進化させる一人旅なのでした。

9日間、基本的に日本人と付き合わないという前提。さらに、NAMM SHOW の会場で不特定多数のアメリカ人たちとも会って言葉を交わすという目標がありました。つまり英語漬けの日々をあえてやってみるという「アウトプット」が目的の旅だったのです。時制の間違いなんて気にしない!間違って当たりまえ。考えていることや要求が通じれば良いと言う縛りです。

結果は初日から現れてきました。まず私が当初の4日間一軒家で宿泊を共にした3人はネイティブです。ただ少し残念だったのはそのうち二人は日本語が少し理解できるということでした。それでも初日に「英語が下手なのでごめんね!」とまず伝えたことで、彼らの話すスピードや内容が私に対して少しコントロールされている感じでした。ありがたい!と思いましたね。

今回は聞き耳を立てて、内容を理解する事に徹したことと、判らなければすぐに聞き返したことです。それによって相手は「この単語は理解できないのか・・・」と知るのです。今回やたらに聞き返しましたが、それは良かったことだと思っています。

それから「あえて説明をする」という事をやってみました。例えば Henry Kaiser が発言していた時、あるフレーズの中で「Caucasin」と言う単語が 飛び出しました。私はそれが聞き取れたのですが、日本人には馴染みのない言葉ですね。そこで私は、あえて「Caucasin」に対して殆どの日本人は知らない言葉だと伝えたところ、Henry は「嘘だろ?」と驚いていました。

さらに、なぜ私がそれを知っているかという説明を続けました。「白人という意味ですよね。私は アメリカのテレビドラマを英会話の学習のつもりで原語で沢山観ました。しかも FBI , CSI , CIA モノなどがほとんどです。犯罪現場で遺体検証する場面が度々でてきます。その時に遺体をチェックして最初に出てくる言葉が「Caucasin」なのですよ。それらの番組で「Caucasin」という単語を覚えましたと、話しました。

もちろん、これはかなりたどたどしい英語で伝えたはずですが、自分の持つ英会話能力でどこまで伝わるのか?を試すにはいい機会でした。最終的には理解してもらえましたので大成功でした。結局会話というのは、質問して答えを聞き、また質問されて答えるの繰り返しです。自己紹介だけして終わりはありえませんよね。ある程度聞き取れるようになったら、説明するという行為を積極的にやるべきだと思いました。

もう一つの説明の例は、長距離移動の際に乗っていた車が「KIA」でした。つまり韓国車ですね。「一昨年、日本で日本人が購入した韓国車は何台だと思います?」と Henry に質問してみました。「隣の国だから相当な数だよね!」と返ってきました。そこで「たったの1台だけです。日本では KIA を見ることがないんです」と話すとビックリしていました。そして、その理由も説明しました。「韓国車のディーラーが日本には一軒も無いんです」ってね。Henry は「そうか・・・日本のメーカーにはかなわないよね!」と納得していましたが。

今回の旅で初めて出会った人々の中に、Facebook で繋がっている方もいました。その一人が有名なギタリスト Mr. Mark Goldenberg です。NAMM SHOW の会場で突然目の前に現れてビックリしましたが、彼もまた私を見て「Oh!」と反応をして、お互い歩み寄り挨拶し握手をしました。こんなとき、英会話を学習する前だったらかなり躊躇していたはずなのです。しかし!それが全く無かったのが自分でも嬉しかったのですよ。

NAMM の会場では、次々に私に挨拶する人が現れました。「あなたを知ってるよ!」とか「私もユーザーです!」とか「友達があなたのペダルを使っています!」「あなたに会えて嬉しい!」という方まで。そうなんです。これが私の目指していた「初めて会う方との交流」が実現できた瞬間だったのです。


同業者とも記念撮影! Mr. Robert Keeley は有名なギター・ペダルメーカーです。

ですが・・・私がこの旅を成功させたのは、もう二つの要因があります。それは協力者達。私をずっとサポートしてくれた、アメリカの偉大なギタリスト Mr. Henry Kaiser とその家族たちです。私を受け入れ、私に快適な滞在環境と楽しい時間を作ってくれました。今回、彼ら無しでの一人旅はできなかったはずです。ホームステイ出来たので、コストもかなり抑えられました。宿代、食費、その他雑多な出費がいつの間にか処理されていて私が支払うことはあまりありませんでした。帰国後、もちろん御礼の品をお送りしておきましたがね。

そして、最後の一つの要因は年齢です。現在65歳となった私は日本人が苦手とする「図々しさと厚かましさ」を身につけて来たのです!旅先で遠慮なんかしていたら身動き取れなくなります。ホームステイ先でも、その家の住人のように振る舞い堂々と行動いたしました!それが功を奏したようで、すぐに打ち解けましたから。

以上「英会話未熟者アメリカ一人旅」の総括でした。さて、今度はどこに行きましょうか?


本日の結論
そして、またそう遠くない時期に海外へ出かけてみたいと思い始めています。

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



GO TO HOME PAGE