笑顔的写真考
2017年11月17日 笑顔について思いだしたので書いておきます!

 
2017年11月14日 Mr. Robben Ford と私 。二人共に笑顔が自然です。


「折角の記念撮影なのに!」

長い人生では、何かのキッカケで状況や自分自身が大きく変わることがあります。些細なことに思えますが、私にとっての「笑顔」がその一つでした。なにそれ?と思われるかもしれませんが、実はコレが結構人生にとって重要なファクターであると今は感じています。若いうちに身に着けたほうが絶対よいと思います。それは何故か?書いてみましょう。

私がギターペダルを作り始めるまでは余り気にしていなかったのですが、ある時気づいてしまったのです。それは、Henry Kaiser と一緒に撮影した2010年9月10日の記念写真でした。口角を少し上げて楽しいはずの写真なのに中途半端でなぜかそう見えないとね。そして観察しているうちに徐々にその原因が分かり始めました。


2010年9月10日 Mr. Henry Kaiser と 私。私の目が不機嫌!

私の瞼の重さだったのです。年令を重ねて来るうちに徐々に「眼瞼下垂」(がんけんかすい)という症状が現れたのですよ。これは加齢によって瞼が下がり眼球の見える部分が少なくなる現象です。老化現象というやつです。徐々に進むので男はなかなか自分では気づけません。気にしてみると結構多くの年寄りの目元がそうなっています。瞼の下がり具合がひどくなり、正面から見て眼球の半分が見えなくなった時点で「眼瞼下垂」と判断されます。こうなると手術して瞼のたるんだ皮膚をカットし縫い縮めるしか回復の方法はありません。

私は子供の頃から一重瞼でした。別に気にもしていなかったのですが、加齢で「眼瞼下垂」の症状が出てくると、その一重瞼がさらに下がってくるのですから不機嫌な目元に見え始め、見える景色も上半分が見えず空は暗く、精神的にも鬱傾向になるようです。2011年に、さらに妻にもその現象が現れ始めたので二人して立川の名医である整形外科医に検査してもらいました。妻はもともと二重でしたがね。その結果見事に二人共「眼瞼下垂」であると診断され、手術したほうが良いと判断されました。その年の11月、二人同じ日に手術を受け瞼を切開し縫い縮めてもらいました。すると見える世界が今までと大きく変わり、昼は明るく眩しいくらいにまで変化しました。性格にも少し影響が出始めました。積極性が出てくるといいますか・・・。


手術前と7日後

手術内容的に言えば、二重瞼の手術とほぼ同じです。ただ「美容整形」ではなく、老化に対する視野確保治療としての手術ですので健康保険でカバーされとても安く出来ます。美容整形だと40万円〜60万円のようですが、私は治療でしたので2万円で済みました。その結果、見た目も変わりました。目元がスッキリと二重になったのです。これはとても不思議な感覚でした。ある日突然自分の顔が変わるのですからね。1週間ほどで目元の腫れがなくなり、2週間で抜糸完了。しかし、目元の違和感は結構長期間残りました。全く気にしなくて済むようになったのは1年以上経ってからでしたね。

さて、なぜここまでクドクドと「眼瞼下垂」の件を書いてきたかというと、この手術直後から私の人生に大きな変化が現れたからです。それは、同時期に私が作る「禅駆動」や「弾駆動」を、Larry Carlton が使い始め、追いかけるように Robben Ford が使い始めたのです。年明けて2012年2月に Robben 7月に Larry が来日公演し、私はそのライブに招待されました。そして楽屋で彼等と記念撮影する事になったのです。



その結果、撮られた写真を見て私は悩みました。私の目元はスッキリしたのに口元が喜んでいないのです。そこに居るのはにこやかに笑顔を見せている Robben や Larry と無表情な私でした。なんだこれは?そしてその年、次々に来日するギタリスト達に会うことになり、当然のように毎回会って記念撮影を続けました。結果として分かったことは、私は「笑顔」を意識していないということ。「笑顔」を作る訓練をしていないのだと気づいたのです。

アメリカ人の多くは口角を上げ、歯を見せてしっかり笑顔を作ります。Larry Carlton の笑顔は典型的な「スマイル」です。これは営業的に必要な笑顔というだけでなく、子供の頃から写真を撮る際の笑顔を作る訓練をしている結果なんですね。そう!意識して訓練しないと写真撮影で自然な笑顔は造れないんです。そう気づいた私は鏡の前で練習してみました。60歳になるおっさんが鏡の前で笑顔を作る訓練は、はたから見ればお笑いです。しかし、私には必要であると固く信じていました。

日本人でも女子はほぼ笑顔で写真を取ることに慣れています。それは必然的に日々鏡を見る習慣があるからですね。男には訓練が必要です。やがてその成果が出始めました。私の写真に自然な笑顔が見え始めたのです。今ではかなり自然な口角の上げ方を身に着けましたので、記念撮影では表情が穏やかに微笑んでいます。下の写真では笑顔がとても自然ですね。これくらいの微笑が私は好きです。


以下の写真は Larry がジョークを発したので思わず笑った瞬間です。笑顔が過剰ではありますが自然な笑いです。本当の笑いだからですね。自分でも信じられないほどの笑顔となりました。カメラマンがシャッターを切る瞬間が良かっただけなのかもしれませんがね。本気で笑うと眼は細くなりますね。

数年前、私の実弟と笑顔の話をしました。私が弟を撮影する際に彼の表情が暗かったのです。やはり笑顔を意識していないので口角が上がらず不機嫌に見えました。そこで、笑顔の作り方の基本的な事を教えてみましたが、かなりぎこちない笑顔がそこにありました。しかし、ここで実弟は真面目に「笑顔」の作り方に取り組んだのです。その結果、母と一緒に上京してきた実弟を今月撮影したところ実に自然な笑顔を作っていました。聞いてみると、意識して笑顔を作る練習をしたと言っていました。その努力の成果が出たようです。

この文章を書こうと思ったきっかけは、11月14日の夜のことでした。Robben Ford のライブ後、楽屋で Robben や他の方とも記念撮影をしました。同行した他の4名も同じく記念撮影をしました。その結果、私ともう一人は自然な笑顔で映っていたのですが、3名の写真は無表情か不機嫌に見えました。これって勿体ないですよね?折角の記念撮影なのに!と思ったのですよ。古来、日本では「男子たるもの歯を見せてヘラヘラするものではない!口をしっかり結べ!」との教えもあり、それが根付いているとも思えますが、もうそんな時代ではないでしょう!

写真は残るもの、残すものです。せっかくなら気分良い写真を残したいではありませんか!男子諸君!もっと笑顔を作る訓練をしましょう!コツは二つです。「まず眼を開き、口角を軽く上げる。次に前歯を少し見せる」これだけです。しかし、自分で考えているより過剰にしてください。実際にやってみると思ったより笑顔に見えないのですよ。日本人は口角を上げるだけの方が多いのですが、少し前歯が見えていない写真では笑顔に見えにくいのです。やりすぎるとギコチナクなるので、程々がどれくらいなのかを鏡を見ながら練習しましょう!男子諸君の健闘を祈ります!


本日の結論
日本人は歯並びが悪くて歯を見せないっていうケースも多いんだよね!

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