理解的報道裏


2014年10月09日 ノーベル賞に関しての報道について。

ほぼ毎日使用しているLEDの存在が!


「情報は両面からきちんと収集し理解すべき」

2014年10月07日 ノベール物理学賞が発表されました。

赤崎勇・名城大学教授(85)、天野浩・名古屋大学教授(54)、中村修二・米カリフォルニア大学教授(60)に授与すると発表しました。

青色LEDの研究開発及び量産・普及に対して 贈られたものであると私は理解しております。単に光だけではなく、その後の映像モニター、ブルーレイディスク、交通信号、携帯電話等、に広く応用され世に無くてはならない存在となりました。

ノーベル財団は以下のように評価しています。

「彼らの発明は革命的なものである。白熱電球は20世紀を灯してきたが、
 21世紀はLEDランプによって灯されていくだろう」

青色LEDが開発されたことで、赤、緑、光の3原色が揃い、低い電力消費量で白色光を得られるようになったことがポイントであるということですね。

私も、日々作るギターペダルに「フルカラーLED」を組み込んでいます。これによってGAINの3トーンで今、何が選択されているのかを肉眼で確認出来るようにしました。私も、このペダルを使用しているギタリスト達もノーベル賞を受賞された皆様の努力の恩恵にあずかっているワケですね。

と、ここまでの話では、何も気にしていなかったのですが・・・。ネット上でいろいろ情報を読んで行くうちに「あら?そういうことだったの?」と疑問が湧いてきました。私がかつて知っていた中村氏に対する報道から得られた知識がかなり歪んだものだったのでは?と思い始めたのですよ。以下に簡単に私が漠然と知っていると思っていた事柄を書いてみます。

1 中村氏は青色発光ダイオード開発時に所属していた会社「日亜化学工業」で評価されず、
  発明報奨金として2万円しか支払われなかった。

2 中村氏は裁判を起こし、莫大な収益を上げる青色発光ダイオード開発に対する
  対価として日亜化学工業に200億円の訴訟を起こし和解金8億円を支払わせた。

3 この裁判結果に憤慨し、日本の研究環境は酷いと、
  中村氏は日本を去りアメリカ国籍を取り米在住となった。

ざっと書くとこんな事なのですが・・・これを読むと「日亜化学ってどうなのよ?」って思い始めますよね。そして更に、受賞後のインタビューで中村氏は「怒りが原動力となった!」と言い放っています。なんだこれは?私はその言い方に違和感を持ちました。

やがて次々に、ネット上に中村氏と日亜化学に対する情報が上がり始めました。もちろん、当事者の日亜化学も書き始めています。一方的に書かれたものを読んだだけでは「なにそれ?」となってしまいます。さまざまな意見や情報を読み比べてみました。すると、私が漠然と持っていた情報は全く意味がないのだと気付きました。

それは何故か?かつて世の中に流布された情報は中村氏側からの情報だけで、日亜化学は公に反論していなかった事。それによって、事実と思われる情報は隠されてしまったと。マスコミとしては「会社が研究者を搾取した」との構図が分かりやすく共感を得やすいですからね。これによって日亜化学が悪者のような扱いを受けてしまったと。

しかし、情報を集めれば集めるほど、ノーベル賞受賞者に「日亜化学工業の研究スタッフ」が含まれるべきではないの?と思い始めました。以下のページを御読み下さい。日亜化学工業の主張が書かれています。そしてそのページに中村氏の主張がリンクされています。これで両方の主張が読めます。

http://techon.nikkeibp.co.jp/NEWS/nakamura/mono200404_2.html


私は今回ノーベル賞の受賞に対してどうのこうのと意見するつもりは全くありません。ただ、私が日常的に使用してる「フルカラー発光ダイオード」の開発量産と中村氏の関わりについて、未熟な知識であれこれ思い込んでいた事が恥ずかしいだけです。つまり、私は長年に渡り「中村氏 = 青色ダイオード発明者であり・量産化への貢献者」対「搾取する日亜化学」という「誤った知識」を持っていたという事実があるってことなんですよ。

さらにビックリしたのは、中村氏の開発した結晶化の方法では生産効率が悪いので、量産化の時点でその開発した技術は使われていないという事実を知った事ですね。

まあ、色々ご意見もあるでしょうが、ネット上に転がっている多くの情報を読み比べていただければ、あの裁判の意味と、今回のノーベル賞に対する全体像が掴めるかと。そして、情報は両面からきちんと収集し理解すべきだと思うのですよ。

最後にこちらを読むと、あの裁判の訴訟金額200億円はどのような意味が有ったのか?が分かります。リスクを負うのか?負わないのか?これが重要なポイントである気がします。裁判官もなんだかなあ・・・と言った感じがしますね。

http://www.huffingtonpost.jp/satoshi-nakajima/blue-led_b_5953412.html


本日の結論
マスコミがかつて流した情報だけを信じている限り「日亜化学工業」は可哀想な気がする。

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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