内孫的腕時計

2014年01月26日 ちょっと落ち着いたので雑談を。



「記憶を孫に残せるのか?」

このところ少しばかりドタバタしていたので、更新が出来なくて・・・。今日は仕事が途切れたので思い出しつつ少しばかり雑談をば。

まずは、孫の事。だいたい子供というものは野菜嫌いというのが世の常ですね。いくら食べさせようと頑張っても野菜を器用に見事によけてしまうのであります。しかしそんな状況にありながらも孫に「青汁」を飲ませたところお気に入りになり、毎日「青汁」を飲むようになりましたこれで野菜不足が解消しました!さらに、飲み干すともっと欲しいとばかりに「More prease! More Prease!」を連発してお代わりを要求します。一体誰が教えたんだか?どうも、幼児向け英語教育番組で覚えたようですなあ。

で、孫繋がりで・・・。私自身が孫であった時代の話。
私の父方のジイさんは、宮崎県の現在の西都市に住んでいました。私が中学3年生の頃に亡くなりました。そのジイさんに関する記憶と、この歳になって知った事実のことを忘れないうちに記録しておきましょう。

2年ほど前、実家に帰省した際に久しぶりに少し年上の従姉に会いました。一泊で温泉旅行に行ったのですが、その道中で様々な昔話が出ました。そして私がこの年齢まで全く気付いていなかった事実を教えてもらいました。

私はジイさんの事を「あんぱんじいちゃん」と親戚の集まりでは言っていたようです。これはジイさんが私と弟に会う度に「あんぱん」を始めとする菓子パンをいつも持って来てくれていたからでした。私が小学生の頃の記憶です。ジイさんは私たち兄弟がパン好きであると思っていたようです。しかし、その事実は他の従姉達には理解出来ませんでした。ジイさんが他の従姉達に対してパンを買ってくるような事は一切無かったからです。従姉はそれがとても羨ましかったようです。

さらに、私が中学生になったとき、一枚のハガキがジイさんから届きました。「入学祝いに腕時計を贈呈するので引き取りにくるように」との内容でした。私はバスに乗りはるばる父の実家へ出かけジイさんから腕時計を受け取りました。その腕時計は SEIKO の17石でシンプルなものでした。手巻きのシックなものでした。その頃流行の自動巻でもなく、カレンダー付きでもなかったのですが、自分の時計が持てたととても嬉しかったですね。その時計は8年間使った後に、母へ譲りました。その後どうなったかは知りませんがね。

さて、2年前の事。久しぶりに会った従姉と旅の道中にしていた世間話のなかで、その入学祝いの腕時計の話になりました。すると従姉はとても驚いていました。父は7人兄弟だったので従姉はたくさんいたはずですが、ジイさんから腕時計をもらったのは私だけであると言うのです。なぜ?さらに「あんぱん」をもらい続けていたのも私たち兄弟だけだったというのです。これまた何故?従姉はその理由を説明してくれました。

父は男3人女4人の7人兄弟でした。父はその次男。通常であれば、ジイさんにとって同居している長男が最優先になるはずなのですが、いかんせん長男は出来が・・・。私が持っているその伯父さんに関する記憶はガッカリでした。三男もやはり・・・。そこでジイさんは次男である私の父が「自慢の息子」であったようなのです。

父の女兄弟の子供については「内孫」ではないので、ジイさんの寵愛する対象外となっていたようです。

で、父の長男である私が「自慢の息子の内孫」だったので、一番かわいがっていたと。ジイさんと私たち家族は離れて住んでいたので、年に何度か会うたびにジイさんは私を喜ばそうと「あんぱん」をお土産に買って来ていたんだとね。

つまり、当たり前だと思っていた事が、実は私は自分が全く知らない状況のなかで、選択された孫になっていたと・・・。私が、それに気付くのに60年もかかってしまったのですよ。今思えば切ないですね。ふとそんな事を昨夜思い出してしまいました・・・。

さて、私には子供は一人しかいません。孫も一人だけ。ということは対象は一人だけってことですね。さて、この先どれほどのサポートを孫に対して出来るのか?ジイさんが施してくれた「あんぱん」や「腕時計」に匹敵する記憶を孫に残せるのか?それがこれからのテーマであり楽しみでもありますね。

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1月21日に新年会をやりました。もう20数年前に仕事をしたスタッフ達なのですが、それ以来ずっと毎年新年会をやり続けています。ですから会うのは年に1度だけなんです。かつて若かった我々も還暦を過ぎ、体の節々に老化による劣化を感じています。そして最近は、新年会という名の「病気自慢」大会と化しているのですよ。糖尿病を発症したとか、突発性難聴で入院したとか、海馬が誤作動したとか、次々に話題が出てきます。これから先、何年続くか分かりませんが取りあえず毎年「無事に生き延びて来たね!」と相手だけでなく自分自身に対しても再確認する集まりなのでございます。


本日の結論
せいぜい長生きして孫の成長を見守りましょう!

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