変理的来日記

2013年12月04日 2日間に渡るドキュメント!


Mr. Henry Kaiser と3年ぶりの再会でした!



「なんて商売っ気の無い人なんだ!」

今日は私の記録として残す為、2日間をまとめて書くのでちょっと長くなるけど我慢してね!

最初にまず Mr. Henry Kaiser と私の関係について少し書いておきます。初めて彼と接触したのは、2008年12月22日でした。彼から「禅駆動 TWIN CUSTOM」のオーダーメールが届いたのです。当初、沢山写真が送られて来て、面白いギタリストだなあと思っているだけでした。

プロギタリスト是永巧一氏に「 Henry Kaiser って知ってる?面白そうなギタリストなんだけど・・・」と聞いたところ「知ってるも何も、DUMBLE AMP. を世に流行らせた張本人ですよ!」そこで私は初めて人物像を知る事になったのです。

1週間後、実際に Henry がペダルを受け取り試奏した途端に状況が変わってきました。すぐに弾駆動のオーダーが有り、それらが気に入ったと激賛。さらに FUZZ 「燦駆動」のプロトタイプを作って送りつけたところこれまた激賛!すぐにアメリカの「Guitar Player」へ4機種の掲載が決定しました。

そして2010年9月に私は Henry に会いにアメリカへ行きました。その時も感動の出来事が有り・・・。その3か月後、今度は Henry がライブで来日しました。食事したり散歩したり、ライブのローディーをやったりと2日間ずっとつき合っていました。

その後も、多くのギタリスト達へ私のペダルを推奨してくれたり、彼らが来日するたびにライブに招待され顔合わせする手配をしてくれたり、ことあるごとに写真付きのメールが頻繁に送られて来て、さらに面白い品や珍しいペダルを送ってくれたり、私もお返しに和食好きの彼に日本の食材を送ったりして、濃厚な交流は5年間絶える事無くずっと続いていました。

そして・・・。

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毎度おなじみ?tanabe.tv で登場頻度の高いアメリカのギタリスト Mr. Henry Kaiser が3年ぶりに来日しました。12月1日到着、2日3日とコンサートを行い、4日午前中に成田へ向かい帰国という、かなりハードスケジュール。

このスケジュールの連絡が本人からあったのは10月10日でした。11月中旬になりようやくスケジュールの詳細が判明。すると、自由に会える時間は12月2日のお昼くらいしかなさそうでした。そこで!Henry が一番好きな和食「赤坂ねぼけ」の「鰹のたたき定食」を一緒に食べようと私から提案しました。もちろん Henry もそのつもりだったようで大OK!

Henry はタバコの匂いや煙に対して異常なほど敏感なので、いつもの通り「赤坂ねぼけ」に個室の予約をお願いしました。これで準備OK! さらに、ギタリストの是永巧一さんにも連絡してスケジュールを押さえてもらいました。というのも、3年前にもいちど二人を会わせようとしたのですが、スケジュールがどうしても調整出来ず無理でした。そこで今回のチャンスを逃さないよう、満を持してのセッティングです。かくして、私のペダルユーザー第一号である是ちゃんと、世界に広める手助けをしてもらった Henry がテーブルを挟んで顔合わせすることに!

12月2日13時に「赤坂ねぼけ」の2階個室で待っていると、是ちゃん、 Henry が次々に到着!「Hi Tanabe-san !」 と握手を交わし3年ぶりの再会を喜びあいました。すぐにお互いのお土産を交換。私は Henry の家の近所で作られているという新鮮なジャムを3個いただきました。 さらに、新譜のCDも2枚いただきましたよ。よく見ると David Lindley の名前も確認出来ますね。彼もまた弾駆動のユーザーなんですよ。


さらに、3年前にもお会いした Henry の古くからの友人マークさんとその奥さんである「八木美知依」さんが加わって5名での食事会となりました。ほぼ英語での食事会でしたが、最近英語のドラマを延々見ているせいか、かなり聞き取れるようになっていてなんとかついて行く事が出来ました。ちなみに八木美知依さんもこれまた知る人ぞ知る琴の名手です。詳しくは彼女のブログをリンクしてありますのでお読み下さい。

お互いの紹介から始まって、盛り上がりつつ近況やマニアックなエフェクターの話など次々に展開しているうちに早くも予約した時間一杯となり、食事会は終了!満足まんぞく!では記念写真をば1枚!


八木美知依さん   Mr. Henry Kaiser    是永巧一さん    私

この後、Henry は一度ホテルへ機材を取りに戻る事になり、私と是ちゃんは天気もいいので「六本木Super Deluxe」まで散歩がてら歩いて行く事に。道中、久しぶりにいろんな近況を話しながら歩いていました。ちょっと早く到着しそうだったので喫茶店でお茶しつつ、16時に「六本木Super Deluxe」へ到着。すでに、その日のギタリスト3名がセッティング中でした。以下のメンバーです。3名とも前衛ギタリストですね。

■ ヘンリー・カイザー with 灰野敬二 & ジム・オルーク【ビデオ:ヘンリー・カイザー】

今回のライブは、Henry が撮影した南極海の水中撮影動画を映し出しながら、それに対して即興でサウンドを付けて行くというもの。Henry は世界的な水中撮影の権威でもあるんですよ。

セッティングの途中で、Henry が今回使うギターを見せてくれました。なるほど!クレインのプロトタイプですか!ヘッドがあるし、フレットも複雑な形をしています。ピッチがとても正確でボデイーはかなり軽め。是ちゃんも面白がっていました。足下には私の作った弾駆動TWIN CUSTOM と燦駆動(オリジナルデザイン)が置いてありますね。



灰野敬二さんとは、初めての顔合わせでした。Henry の使用機材に興味を示されて「FUZZが欲しいのですが・・・。」と話しかけてこられたので、ご希望を伺って「燦駆動」を作る事になりました。ちなみに、見かけと違って灰野さんは明るい方でしたよ。


私と灰野敬二さん

セッティングが終われば、ここで是ちゃんとはお別れです。残念ながら用があってライブまで居られないとの事でした。またの機会に是非聴いていただきたいものです!

ライブ開始まで1時間半ほどあるので、事前に Henry と Jim は夕食を採りたいと六本木の街へ出る事に。私もつき合う事にして六本木交差点方面へ。私は最近の六本木に詳しくないので、とにかく和食を探してキョロキョロと。最初に見つけたのは交差点横の蕎麦屋。入ってテーブについたところで・・・隣りのテーブルを見た Henry が一言発しました!

テーブルの上に灰皿があったのです。それを見た彼は「ここに煙草を吸う人が座る可能性がある!この店を出よう!」とね。私は店の方に謝りつつ次の店へ。寿司にしようとしたのですが、すでにノースモーキングタイムが終わっていてこれまた Henry がイヤだと。さらにもうひとつ、なんと Jim がベジタリアンだと判明!おいおい!寿司屋じゃだめぢゃん!



別の店を探して更にうろついて見つけたのは、居酒屋っぽい寿司屋。店員をつかまえて聞いてみると、1階は全部ノースモーキングエリアだというので Henry も納得。特性マグロ寿司盛り合わせを注文しました。Jimは、カッパ巻をアボカドで巻いたお寿司ともずく酢。「Jimともずく酢」妙な気分です。美味しく食事を済ませたところで、そろそろ会場へ戻る時刻だね。

「六本木Super Deluxe」へ戻れば、そろそろ客入れの時刻。私の知り合いも次々に到着。Henry は楽屋へ向かう事無く客の間でウロウロしています。程よく客席が埋まったところでライブスタートです!

いやあ・・・全く初めて体験するサウンドでした!大きなスクリーンに映し出される南極大陸映像や水中映像と相まって、空間を満たす轟音が体を蹂躙します。しかし、ウルサイのとはまた違う音の大きさを感じました。面白い!言葉で表現出来ない一期一会のサウンドですね!満足のうちに無事ライブは終了!そして、私の友人達を Henry に紹介し記念撮影を!

これにて初日終了!Henry に「また明日!」と別れを告げ帰宅です。

12月3日
起床後すぐに、灰野さんから頼まれた燦駆動の製作に入りました。基板材料が1台分しか残っていなかったので、失敗しないように慎重に進めました。今までとは少し仕様を変えて作り上げたのですが、非常に上手く行き、かなりパーフェクトな仕上がり!作った私も満足です。で、ふと気付くのです・・・。17時半になってる・・・。えっ?妻がまだ帰って来ない!

18時に日吉駅まで妻に車で送ってもらう約束になっていたのですが、まだ帰って来ていません・・・。妻は娘に頼まれ、昼から3時間ほど孫の相手をする為に出かけたのでした。ところが娘が帰ってこず、妻も戻って来れない状態!こりゃ困った!私はすぐに東急バスの時刻表を調べ・・・すると17時47分の日吉駅往きがあると判明。慌てて身支度し、家を飛び出したのが17時40分。なんとかバスに間に合い、無事に東横線に乗る事が出来ました。ふう・・・。

18時50分、六本木Super Deluxe に到着。入り口に近づくとまだリハの最中でしたが、5分後には終了。そこへ Henry の友人女性が沖縄より到着!客入れまで30分しか無いと言うのに、Henry は「一緒にテイクアウトのインド料理を買いに行こう!」と声をかけてきました。えっ?今から?で、3人で会場を飛び出し、近所のインド料理屋へ。いくつかのカレーやナン、ライス、サモサを買い込んですぐに会場へ戻りました。

さてどこで食べるんだと思ったら、一番奥のテーブル付き客席にカレーを並べ夕食の開始です!おっと!楽屋にいかないのか・・・。客前でミュージシャンが飯食うってのも面白い風景だなあと思いつつも、私も一緒にパクパク。次々に客が入って来てもかまわず食べ続けます。そこへやって来たのが毎度おなじみ、私の音楽専門プライベート通訳の橋本さんです。

食事中ではありましたが、まずは橋本さんを Henry に紹介し世間話を。その時、ふと気付いたのです。3年前も Henry が楽屋に入るのを見た事がありませんでした。今回も2日間ずっと楽屋に入る姿を見る事がありませんでした。なんで?なんで?そこでこの件を聞いてみると・・・「30年前から、楽屋には絶対に入らないんだ!」ううむ・・・そうですか・・・ポリシーが有って楽屋に入らなかったのですね!たぶんタバコの匂いや煙が彼には辛すぎるんでしょうね。

さて本日のメンバーは、
ヘンリー・カイザー(guitar) 坂田明(sax) 坂口光央(keyboards) 
ジム・オルーク(bass) 山本達久(drums)

前日のライブとはまた全くおもむきが変わる組み合わせですね。坂田明さんのサックスは初めて生で聞きましたがHenry とのコラボは素晴らしいですね!他にも面白い坂田さんの持ちネタがあって、これまた映像とのコラボでしたが最高でしたね!内容は会場に居た方だけの秘密ってことで。



満足のうちにライブが終われば、橋本さんと Henry の記念撮影です。撮影した直後にすぐそばで販売していた 新作CD を一枚 Henry が取り上げて橋本さんにプレゼント。橋本さんはビックリ!「なんて商売っ気の無い人なんだ!」と感心しきり。CDへサインもいただいて満足感たっぷりの橋本さんでした。



Henry との楽しい2日間はあっという間に終わりました。機材の片付けを少し手伝いつつ、別れの挨拶をすると「すぐにまた会えますよ」との返事が。なんらかの来日計画が来年も有るんでしょうかね?それは明かしてくれませんでしたが・・・。私も彼の自宅がある、カリフォルニアのサンタクルーズへ会いに行きたいと声をかけ、全てが終了です。また会える日を楽しみにしましょう!

ところで、Henry のフルネームは「 Henry John Kaiser lll 」つまり日本語で書くと「ヘンリー・ジョン・カイザー 三世」ってことです。彼の歴史についていろいろ調べてみると面白いかも。

私が Henry を紹介した方々は皆さん「本当にいい人だねえ!」と言っていました。暖かなまなざしと、穏やかな口調。サインや記念撮影に関するフレンドシップ溢れる対応は感心するほどです。ありがとう!Henry を通じて、日本人の灰野敬二さんや八木美知依さんと知り合えたのも面白い展開でした!またお会いしましょう!


本日の結論
不思議な浮遊感があった2日間でしたね。

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