2013年10月22日 特注があり製作してみた!
これはいったいなんだ?
「ズリ〜〜〜ッとまるで股裂き状態!」久々に新しいタイプのペダルを作ってみました。
コトの起こりは・・・。ギタリストの清水一雄さんに誘われて、片瀬江ノ島の Kz Guitar Works へ遊びに行った時に出た話からでした。Kz Guitar Works のオーナーである伊集院さんは、数年前に清水さんのご紹介で弾駆動、禅駆動のユーザーになられました。しかも、弾駆動、禅駆動が事務所の試奏エリアに設置してありまして、いつでもお客様が試奏できる環境が整っています。ペダルをお買い上げ頂いただけでなく、お客さんへの試奏用にまでしていただいているのは、当方としては有難く一度ご挨拶にお伺いしたいと考えていたのでした。
10月16日午後15時「片瀬江ノ島駅」待ち合わせし、清水さんと私は微風に吹かれつつ徒歩5分ほどで Kz Guitar Works へ到着。オーナーの伊集院さんにご挨拶した直後には、ギターリペアの濱野さんも来られて4名で世間話をあれこれ。
濱野さん 私 清水さんそんな中で清水さんからこんな話が出てきました。
「ライブでエレアコを弾く際に、ソロ、指弾き、バッキングのピック弾き、などでボリュームを変えたいんだけど、ボリュームペダルだと、弾きながら瞬時に狙ったボリュームに変えるのは難しいよね?一発で切り替えたいんだけど、なんかいい方法ないかなあ?アコギのハイのキラリとした部分は削りたくないんだけど・・・」
その後、4名はそれぞれアイディアを交えてあれこれ話し込んだのですが・・・。
「ボリュームをプリセット状態で使いたいってことですかね?
何も味付けせず、オリジナルのアコギサウンドそのままで音量だけ絞れるようにすると」
「そう・・・でね、2系統欲しいんですよ!」なるほど・・・。そうなると、パラとシリーズで使えるようにして・・・ギター本体のボリュームを100%として、2系統であればスイッチAで90%、スイッチBで80%に絞れるように出来れば、スイッチA+Bで70%に絞れるわけね。ようするにプリセットでボリュームコントロールするだけのペダルを作れば良いと・・・。そう難しい話ではないし、ペダル製作者は私だけだったので、私が引き取って試作する事にしました。その後は藤沢で飲み会となりましたがね。
濱野さん 伊集院さん 私
さて、翌日10月15日になり、オーダーされていた弾駆動や禅駆動を作りつつ、頭の片隅でどうやってあの宿題であるボリューム・ボックスを作るかなあ・・・と考え続けていました。とその時!思わぬ事態が!
ペダルのデザインや内部のレイアウトを設計するのに、いつもiMacを使って書いているのですが、その肝心のiMacがいきなり目の前でブラックアウトして死んでしまったのです!何度も電源を入れ直しましたが、微かにハードディスクが立ち上がろうと努力するむなしい音だけが聴こえていました。電源だけは入るがそれ以外は全く反応無し・・・。
この画面になった直後にブラックアウトしてご臨終!
ボリュームボックスどころの騒ぎではなく、慌てて修理してもらえるショップを探しまくり、見つけたところが「横浜ららぽーと」内にある 「クイック・ガレージ」というショップ。台風が迫る大雨の中、すぐに車を飛ばして 持ち込んだところ・・・。診断は「マザーボード、ビデオカード交換 修理費用は6万円弱」というもの・・・。ガックリ・・・。修理期間は1週間から10日間程度のようだと。ううう・・・。
で、iMacが使えないと印刷が出来ないので、ペダルの製作や仕上げが出来ず出荷が出来ないのでイラつく日々。では気分を変えて、清水さんご所望のボリュームボックスを作るとしますか!と久々に紙と鉛筆を取り出して、アイディアを書き始めました。で・・・手書き製図の結果、一日かかって出来上がった0号機が以下のようなもの。予定通りの動作をしているし、オリジナルのサウンドも劣化せずで問題無し。LEDを3mmにして保護用の抵抗もちょっと大きめにして消費電力を極力小さくしてみたんです。これで、電池で使ってもかなり長い間使えるはずだね。もちろん外部電源も使えるようにしているんだけど。
清水一雄さんにこの画像を送って0号機が出来たと伝えたところ!
「ギターの持ち替えや、チューニングのときに必要なのでミュートスイッチも付けて欲しいです!」との返信が。そうか・・・そう来たか・・・。しかし、この筐体だともうひとつフットスイッチを付けるには小さすぎる・・・。筐体を大きくして再度設計し直しですなあ〜!
翌朝、またもや紙と鉛筆であれこれやり始めました。大きなサイズのアルミケースに実物パーツを並べ、線を引き、パーツの干渉をチェックしつつ、どの位置にボリュームノブとフットスイッチをセットすれば使いやすいのか?ライブ中にスイッチの踏み間違いを起こさすに済むか?アレコレアレコレ・・・・・・。最終的なパーツの位置を決め込んだのは10月20日でした。
実はこの時点で、もうひとつ重要な事を決めなければなりませんでした。このペダルの名前です。名無しでは寂しいので「清水一雄さんが欲しかったボリューム・ボックス」を略して「SHIVOL」と付けました。音を「絞る」ために使うのですからピッタリですなあ。名前が決まるともうひとつアイディアが出てきました。それはミュート用LEDの位置のこと。
ミュートスイッチ用のLEDは、視認性を良くして「いま明らかにミュート状態である!」と警告してくれるようにしなければなりません。気付かないと音が出ないんですから。で、こちらは5mmのLEDにしましょう。で、出来上がった「SHIVOL 初号機」が以下の画像です。
SHIVOL 初号機
ミュート用LEDのホルダの大きさが、ちょうど「SHOVOL」の「O」に使えると思いつきました。10月21日に iMac がようやく修理から上がって来たので、さっそくラベルをデザインし「O」の位置に合わせ穴をあけLEDを仕込みました。これで完成!あとは清水さんの試奏を待つばかりです。実はここに書き切れない様々な試行錯誤も有ったのですが・・・。まあそれはサクッと作った風を装っておきましょうかね。
で、最後にもうひとつ奇跡が起こったのでそれも書き留めておきましょう。
iMacの修理が完了したので引き取りに来てくださいと連絡があったのが、10月21日15時でした。これまたすぐに修理代金約6万円を握りしめ、車を飛ばして「横浜ららぽーと」へ急行!30分後にショップに到着し、引き取りに来たと伝えたところ5分ほど待たされて担当者が私のiMacをもってカウンターへ出てきました。
電源を入れ、iMacの作動を確認したところで、担当者が済まなさそうな顔でこう切り出してきました・・・。
「先ほどのお電話で伝え切れなかった事がございまして・・・」
なに?なにがあったんだろう?もしかして修理費用がもっとかかったとか・・・?
「今回の修理はビデオカード交換だけでした。他は何も問題ございません。
そのビデオカードですが、実は交換プログラム対象となっておりましたので、
今回の修理費用は、この作業報告書の通り無償でございます!」
えっ?えええ???それってAppleからアナウンスされている事なんですか?と確認したところ「いや・・・まだ交換プログラム対象になったと発表されたばかりのようですが・・・」との返事が。ううむ・・・そうでしたか・・・。いずれにせよ私は修理代を支払う気満々で引き取りに来たものの「修理費は無償です!」と強く宣言されたのですからねえ。「いや私は何が有っても払います!」と言えるほどの精神的生活的余裕は無く「ありがとうございます!」と素直に従ったのですよ。ああうれしい!
最後に「駐車場までお運びします!」と担当者は言ってくれたのですが「いやいや、それほど足腰は弱っていませんので大丈夫ですよ!」とiMac を受け取りすぐに駐車場へ向かいました。iMac27インチですからかなり重いんです。両手で抱え慎重に歩きつつ、やがて自分の車が見えて来てそばまで歩み寄った時!そこに小さな水たまりが出来ていたのを私は見過ごしていたのです。
左足が水たまり入った瞬間!私の左足は滑り始めズリ〜〜〜ッと広がって行き、両手には重い iMac27インチを抱えていますので、その重量もありいっそうズリ〜〜〜ッとまるで股裂き状態!ぐっと腰を落とし、必死で四股を踏むような体勢に持って行きひっくり返る事も無くスリップを止める事に成功!なんとか iMac を駐車場の床に叩き付けるような悲惨な事態にならず救われました!
修理代金を支払わずに済み、iMac をコンクリートの床に叩き付けずに済み、幸せな午後でありましたなあ。
本日の結論
LOTO6の賞金で買った iMac がまたしてもツキを呼んだね !
「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。
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