聴覚的限界点

2013年06月22日 聴覚はどこまで戻っているのか?


n-Track Tuner



「この年にしては上出来ではないか?」

先ほど、富士山が世界文化遺産に認定されたってニュースが流れていた。懸念されていた「三保の松原」もそこに含まれると。良かったよかった。審査員達の「三保の松原からの風景が美しい!」との声が多くて採用されたとか。そこで、私はふと思うのである。三保の松原からの富士山の風景は、かつて私が子供の頃に観た時代劇映画によく出て来た気がする。イメージとしては高田浩吉が三味線を弾きつつ歌いながら歩くその後ろに「三保の松原と富士山」の風景があったような・・・。本当にそんなシーンはあったのだろうか?

さて、本日のネタは「聴覚の範囲」について。

私は昨年4月に「右耳の突発性難聴」で点滴治療のため9日間ほど入院したのだが、そのときに聴力の劣化は「可聴音量低下」「雑音発生」「可聴音域縮小」の3つが感じられた。「可聴音量低下」はその通りで聴こえてくる音量が右耳と左耳で大きく差が出ていた。一番酷い時は右耳は左耳の1/10程度だったような気がする。

「雑音発生」はその聴こえにくい音にさらにディストーションがかかって聴こえた。こうなるとむしろ全く聴こえない方が良いと思えるくらいだ。ギターのサウンドにおけるディストーションはそれなりに心地よいものだが、すべての音が歪んで聴こえるとそれはそれは辛い!

そこでさらに「可聴音域縮小」が問題になってくる。聴こえてくる周波数帯域の上と下が極端にカットされてしまい、中域しか聴こえなくなるのだ。テレフォンボイスより更に狭い範囲しか聴こえなくなる。これら3つの症状が一気に押し寄せるのだから、音で商売するものにとっては致命的だね。その時は、出来上がったペダルのサウンドチェックが全く出来なくなってしまった。

突発性難聴の治療を終えた時、医師は「突発性難聴は再発し易いです。その時はまたすぐに治療をしてください!」と伝えて来た。そしてそれは現実のものとなったのである。昨年4月以降、2か月に一度くらいの頻度で右耳の聴力低下が起こるようになったのだ。その度に治療薬を出してもらい、3日ほど服用して聴力を元に戻していた。

私はそれ以来、目が覚めたときにテレビをつけて右耳と左耳の聴こえ方を毎朝チェックするようになった。突発性難聴の治療は3日以内に開始しないと全治しない可能性がある。1週間放置すると絶望的になるようだ。その為、毎朝のチェックが重要なポイントとなるのだ。ちょっとでも聴こえ方がおかしいと思ったら、常備している薬を飲んで対応している。メニエール病の治療薬と同じだがね。

1週間ほど前に再びその症状が現れたので、このところ再び投薬治療を行っていた。今日の朝までまだ少し劣化が感じられたのだが、午後になりスッキリとヌケを感じ始めた。という事は「可聴範囲」が広がって来たって事だね。可聴周波数の上下が広がったってこと。そこで気になる事が・・・。

F・Wスコーパンの実験によれば人間の音の可聴域は
 30歳で    15000Hz以上の高音は聞こえなくなり
 50歳で    12000Hzまで
 60歳になると 10000Hzまで
 70歳では    7000Hzまで
 ・・・・・・もちろん、個人差はあるが。

こうなると61歳の私は 9000 Hz 当たりまでしか聴こえないのか?ううむ・・・現時点で、私の「可聴範囲」はどこまでなのだろうか?どこまで復活しているのだろうか?気になるよね?耳鼻科では可聴範囲を検査する機械でチェックするのだが、自宅でそれをやるにはどうしたら良いのだろうか?と考えていたら、偶然こんなものを見つけた。


n-Track Tuner


iPad に入れていた「n-Track Tuner」だ。楽器のチューニングを行う為のアプリだが、その中に周波数を任意に設定して音を発生させる機能があったのだ。音叉の代わりに使うのだね。その発生音周波数範囲がなんと「29Hz〜19952Hz」なのだ!

人間の可聴周波数は「20Hz〜20000Hz」と言われている。それをほぼカバーしているのだよ。であれば、これを使って自分の聴覚を確認出来るではないか!ではさっそくやってみよう!

まずは高域から。61歳の私としてはモスキートトーンは聴こえない自覚はあったし、老化による聴力低下と突発性難聴による劣化もあるだろうし、以前調べたときに怪しげだった8500Hz程度が限界かなと考え、まずは試しに9000Hzを出してみた。お〜〜〜っ!聴こえる!両耳共に聴こえる!

では10000Hzはどうだろうか?さすがにダメだろうと思いつつ10000Hzを出してみると・・・おおっ!聴こえる!聴こえるぞ!なんだこれは?調子に乗って11000Hzに突入してみたら・・・あららら!!!これまた聴こえる!おいおい!どうしたのだ!さらに周波数を上げて行くとついにその限界が判明した!両耳共に13300Hzだった!40歳程度の能力だろうか?この年にしては上出来ではないか?以下の画像が証拠の測定画面だ。


では下も計ってみよう。なるほど・・・右耳は75Hz、左耳は55Hz って結果になった。

可聴範囲であってもその感度の違いもあるので、これだけですべを判断すべきではないのだが、とりあえず、高域の可聴範囲が年齢相当よりある事が確認出来たので、治療の効果があったのだと一安心しているのだよ。無料アプリなので、お試しあれ!


本日の結論
次は突発性難聴が発生したときにチェックしてみようっと!

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