懐古的壱年前


2012年11月04日 あれは一年前!



上、手術前 下、手術後



「この癖がまたなかなか消えてくれないんです」

秋も深まり、すかり秋の風に変わった昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか?

早くも、アレから一年が経ってしまいましたね。アレといわれても他人には全く意味が分からない話ですが・・・。眼瞼下垂(かんけんかすい)手術から早くも一年経ったのですよ。

眼瞼下垂とは、その文字の通り「瞼が下がる症状」のこと。原因はほぼ加齢によるものです。誰しも歳を取れば瞼(まぶた)が下がってくるのは当たり前のこと。ただし、問題はその下がり具合にあるんですね。光彩が隠れてしまうまで瞼が下垂すると、いろんな体調の変化が現れ、生活に支障を来すようになります。

私が経験した体調の変化は、まず上方視野が狭くなるので、視野を確保しようと顎を出すようになります。これで姿勢が悪くなり始めますね。さらに瞼を額の筋肉で上げようと一日中無意識にしているので、そこに繋がっている頭から首、肩にかけての筋肉が一日中緊張するのです。結果として、頭痛が起こったり肩こりが酷くなったりします。外見としては、額に皺が目立つようになります。さらに、眼に入る光の総量が減るので、精神的にも鬱の方向に引っ張られるようになります。

これらの症状に辛くなり、総合判断して「眼瞼下垂の手術をを受けよう!」と夫婦して決心したのが昨年の初めでした。3月に診断を受け、真性の眼瞼下垂であると夫婦ともに医師から判断されたので、健康保険を使って安く手術を受けられました。美容整形の手術で治療する金額の1/10以下ですよ。私たちは最終的に、市の医療補助も受けられましたので、一人当たり二万円で手術出来ました。

眼瞼下垂手術は、厳正な事前審査がありますので「ちょっと下がって来たんでやってもらおうかな?」なんてな美容目的ではやってもらえません。そんな方は美容整形で高額を払ってやってもらいましょう。

で、一年経って振り返ってみた経験談を。

瞼を手術した場合、どれくらいの期間で完治するのか?と気になりますよね。普通の軽い怪我であれば1か月もあれば元通りになりますが、患部が瞼ですから必然的に一日中動かす必要があります。手術直後から動かしてしまいますので、完治に思ったより時間がかかります。外見的には2週間〜3週間もすれば落ち着くのですが、違和感が長い期間続きました。

当初、医師は6か月から7か月で完治しますと教えてくれましたが、私の感覚で言えば、気にならなくなるまで約1年間かかりますね。妻はかなり早い時期に違和感が無くなったと言っていましたが・・・。この違いは、もともと二重まぶたか、一重まぶたかによって違ってくるようです。私は元々一重でしたので、瞼以外に瞼の奥の筋肉を多く切除しました。一重の人は筋肉を切除しないと瞼が上手く折り畳めないんですよ。そのために、違和感が長く続くんだと思います。妻は元々二重でしたので、瞼の一部を切り取っただけですから、すぐに通常感覚に戻ったようです。

私が感じていた違和感は、瞼が強く奥に引っ張られる感じでした。これは、長年培って来た瞼を持ち上げる無意識の習慣が癖となって、必要以上に瞼を開こうとしてしまうからなんです。外から見ると眼を思い切り見開いている状態ですね。度々妻から「眼を見開き過ぎ!」と注意されました。本人は無意識なんですけどね。しかしそれも手術後一年近く経つと、意識せずに普通の瞼の状態を保てるようになります。

もうひとつ顕著だったのは、歯を噛み締める癖の変化です。眼瞼下垂だった頃は、これまた無意識に一日中奥歯を噛み締めているんですね。瞼を無理矢理引き上げるためについやってしまうんですよ。この癖がなかなか消えてくれないんです。私が奥歯の噛み締めが止まったなと感じたのは手術後8か月以上経ってからでしたね。

手術後は、眼球に対する瞼の圧力が変化するので、少し視力にも変化が出ます。そこで、視力が安定した頃に眼鏡を作り直しました。手術後半年です。視力を調べてみると、それまであった乱視が消えていました。その変化もあって視界がスッキリしましたね。映画館で大スクリーンを観ても画像のニジミが気にならなくなりましたよ。ありがたい副産物でした。

60歳にして二重まぶたとなった私は、新しい人生を歩んでいるのかもしれません。2012年は多くのギタリスト達と繋がり顔合わせし、そして私自身が海外のマニアの間でも知られるようになってしまった現状に、いささか戸惑いつつも、食って行くだけのギリギリの収入を確保しつつなんとか生き続けています。鬱病から生還し、生き残る事で手に入れた現在の環境をしばらくは楽しんでみましょう。ということで、手術後1年経った顔は以下のようになりました。



最後に。
鏡を正面から見て自分の瞼が光彩を半分ほど塞いでいる方は、眼瞼下垂の診察を受けられる事をお勧めします。手術が終わった瞬間に上方視界が開けて「あああ、世の中はこんなに明るいんだ!」と思えます。健康保険適用が受けられれば、4万円〜5万円の出費と、抜糸までの2週間を我慢することで新しい自分が手に入るかもしれませんよ。


本日の結論
長年つき合って来た自分の見慣れた顔が、還暦になって突然変わる妙な快感!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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