盲点的双子箱
2012年01月07日 PETERSONの盲点!


「安全策としての結論である!」

持つべきものは友であり、信頼出来る情報源である!

昨日の「修理的双子箱」の最後にどなたか「ソリッドステート・アンプでリバーブが効かなくなったらまず疑うべき部分がここだ!」をご存知の方はお教えいただきたい!と書いておいたのだが、それに対して早くも有効な情報が寄せられたのだ!

その前に、まず私がネットで調べて分かったことがいくつかあった。それは「PETERSON」の典型的問題点として多くの方が書かれていたのだが・・・。このアンプに使われているボリュームポットの致命的品質についてである!あまりにも品質が悪くて、ガリがとても出やすく長期放置すると音が出なくなるというのだ。特にGAINにこの現象が出ると最悪になるとのこと。

そこで、長期間にわたり「PETERSON」の安定した性能を保つためには、15個すべてのボリュームポットを日本製に交換するのがセオリーであるというのだ。なるほど!ようやく理解出来てきたぞ!



そしてもう一つ、リレー接点に微細な塵が付きスピーカー出音しなくなることがあるとね。処置としては、アンプを逆さにし叩き塵を接点の接触ポイントから除去する事により復旧するようだ。必要により完全互換品のオムロン製に交換することが出来るとあった。

今回、シャーシを外しキャビネットの中を見たときに、驚くほど埃が溜まっているのを確認した。掃除機で埃を吸い込んで、ある程度きれいにしておいたが、確かにこのキャビは埃が入りやすい割には除去しにくい構造になっていましたなあ。

では次に、私に直接いただいた情報について書いてみよう!米桝さまから届いた情報は・・・はっきり言って盲点だった!米桝さまは「PETERSON」を2台お持ちの方だが・・・。

「リバーブ、故障でなく仕様の問題かも知れません」とタイトルされたメールには

「コイツのリバーブは、
 専用のフットスイッチを繋がないとオンにすることが出来ません。
 フットスイッチを繋いでいますか?
 また、アンプをお預かりになった際、
 フットスイッチを受け取っていらっしゃいますか?
 なければ一台お貸ししますので、ご連絡ください。

 また、スイッチ無しでリバーブを効かせるため差し込むピンが
 ヤフオク にたまに出ています」

ほほう!なるほど!フットスイッチを繋がないとリバーブが効かないというのは盲点だったなあ〜!さらに調べたところ、リバーブスイッチを使わない場合は、5ピンの端子をコネクターに向かってキー(突起)から反時計回り3番目と5番目のピンを短絡してやれば良いと。なるほど、ピンの時点でリバーブスイッチオンの状態に短絡させれば良いというのだね。これはスムーズに理解出来る話だ。つまり、ジャンパーピンを自作して3番目と5番目を繋ぐだけで良いと。



今回は、ちゃんとフットスイッチも預かっていたのでそれを使ってチェックすれば良いのだから何も問題なし。では早速チェックしてみよう!まずは端子の掃除をしてからフットスイッチを繋いだ。


結果を言おう!惨敗である。見事に惨敗である!リバーブは全く効いてくれなかったのだ!オシロスコープを導入し、丹念に基板上の信号の流れをトレースすべきであると、シカゴ在住の綿貫さまからも情報をいただいたのだが、あいにく私はオシロスコープを持っていない!

で、今回の結論として以下のように考えた。

まず、ポットの不良は致命的なので全取り替えで対応すべきであると。さらにリバーブに関しては専門職に任せるべきだろうと。これは、これから先も長きに渡り「PETERSON」を使い続けるとするならば、後々のことも考えてポット交換を含め専門ショップに徹底的に修理してもらうのが得策だろうと考えたのだ。

すでにメーカーは倒産しており、メーカー修理の対応は出来ない状態だ。ネットで調べてみると「PETERSON」の修理を得意とするショップがいくつか見つかった。どのショップを選ぶのかは橋本様にお任せするとして、私の任務は「全く音が出ないのは何故だ?の追求」を行い「プロショップに修理を任せるべき!」という結論を導き出した、ということでお許しいただきたい!



自分が使う機材であれば「壊れてもかまわない!」の覚悟で徹底的にバラして時間をかけ自力修理するのだが、今回はそうもいかないだろう。壊してしまっては元も子もないからね。ちょっと悔しい気もするが、情報をいただいた皆様に感謝して今回は早くもこれで終了とする!安全策としての結論である!

蛇足ではあるが、もう一つだけ。
今回のチェックで初めて「PETERSON」のサウンドを聴いたが、チャンネル1はとても心地よい柔らかいサウンドだったなあ。きちんとレストアして長く使いたくなるアンプであると感じる。いずれどこかで安い出物を見つけたら手に入れてみようかな。そんな気にさせるアンプであった。でも、チャンネル2のサウンドはイマイチ。GAINが強くハイ寄りで好きになれない。まあ、この辺りは好みの問題だけどね。このアンプにはクリーン設定で禅駆動をかませると最高!ってな感じかなあ。

さらに追伸!
A機だけしかチェックしていなかったので、B機をチェックしてみたところ、フットスイッチを繋ぎ、GAINとVOLUMEのノブをグリグリしばらく回し続けたところ、なんとすべての機能が復活!リバーブもちゃんと効くようになったのだ!これでしばらくはごまかせそうなので、A機を使っている間にリバーブの効かないB機を修理に出し、それが戻ってからA機を修理に出すというローテーションで解決に導きたいと。そんなことで私の出来ることはこれで完了!


本日の結論
どこかに、オシロスコープは余ってない?

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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