米軍的装備品

2011年12月18日 オーダー者の住所は!


一見、ごく普通の弾駆動ですが・・・ 納品先が!


「ミルスペック」


先月末から続いていた連日のオーダーは、昨夜全てのオーダー分を作り終えましたので、明日発送して完了です。ようやく落ち着きました。初期不良で返って来たモノもありましたので、その検証と改善にも時間を取られていました。自分が作ったペダルのトラブルは、大抵はその症状からすぐに原因を予測できるのですが、全く初めての現象が出るといささか狼狽えます。しかし、それを解決できれば経験値が増えるのですから日々勉強ですね。

このところ起こっていたトラブルは、GAINやVOLUMEがフルになってしまう現象でした。フルということは、GAINポットの抵抗が最大になっていたり、VOLUMEの抵抗が無くなっているという意味なのですが・・・。それは、まったくコントロールが利かない状況です。様々なトライをした結果、原因がポットの不良であることが多かったですね。いくら丁寧に作っても、作動不良の原因が部品にあるというのはちょっと悲しいですよ。ペダル製造時にはその現象は出ず、出音のチェックでも問題ないので出荷するのですが・・・。オーダーされた方に届くとそのような作動をするというのです。

何が原因なのか?製作過程にそのようなことを引き起こす要因はないのか?ポットの不良だけで済ますことはできないので、再度自分の作業工程を見直しています。すると、ハンダ付けの際のとても些細な動きの中に可能性を見つけました。そこで昨日製作したペダルは、その気になる行程の動きを変更してみました。そして完成。全く問題がありませんでした。やはり、あのアクションにその謎が潜んでいるのでしょうか?追求を続けます。

さて、そんなドタバタの日々の中に、こんなオーダーがありました。

「弾駆動 SWITCES CUSTOM を使ってみたがとても気に入った。
 禅駆動 SWITCES CUSTOM が製品リストに無いけれど、
 禅駆動 SWITCES CUSTOM を作ることは可能ですか?是非使いたい!」

要望があれば、なるべくそれに応えるのが私のポリシーですので、すぐに「可能である」と返信してから製造に取りかかりました。TOP面のデザインを行い、あとはいつもの手順でケースを削り、基板を組めば1日で出来上がります。で、正式オーダーが無いままに作り始めました。

ところが!ケースを削っている時に、何を勘違いしたか余計な穴をあけちまったのです!それはトーン切り替えのスイッチ穴です。この機種では、フットスイッチで3種類のトーンを切り替えるので、通常のトーン切り替えスイッチは必要ないのです。でもそれを開けちまった・・・。ううう・・・これでまたケースを1つジャンクにしちまった・・・。と、しばし呆然としていた時にペダルの神が降りて来ました。

「その余分なスイッチ穴にスイッチを取り付けて、他のものの切り替えに使えないだろうか?」と考えたのです。そして思いつきました!以前、LEDの輝度が明るすぎるのでもう少し下げたいとの要望が有ったのですが、このスイッチで、LEDの輝度を3段階に切り替えられれば面白そうです。やってみました。大成功です!一気に仕上げて完成いたしました。問い合わせが有った方にもすぐにメールで無事に完成したと伝えました。ところが・・・。



その相手から返事が無いのです。18日間連絡が無いということは、単なる冷やかしだったの?私としては、機種が一つ増えたので、それはそれで後悔は無いのですが、行き先を失った「禅駆動 SWITCES CUSTOM 光量調整付」が目の前に物悲しく横たわっております。非常に美しく上手く出来上がったので、もったいないな・・・。どなたかご希望があればすぐに渡せますよ!(すでに売約済みとなりました!)


ペダルをオーダーされる方のほとんどがギタリストであるのは当然のことですが、昨日あった弾駆動オーダー者の住所に気になることがありました。そこには「 Ft Knox 」の文字が並んでいたのです。これを見た瞬間に「フォートノックス?」と疑問を持ちました。これって米国の金を保管している地名で有名ですよね。007ゴールドフィンガーの舞台となったあの金庫があるところです。あの金庫は米軍基地の中にあります。



ということは、米陸軍基地でも有名な地名ですよね?そこでオーダー者のメールアドレスをチェックするとドメインが、@us.army.mil となっていました。ほほう!やはり米軍関係者ですね!



そこで、返信の際に「あなたは兵士ですか?士官ですか?」と問い合わせたところ「 Yes Mr Tanabe I am a Soldier I play guitar for the Army. 」と返ってきました。これって軍楽隊なのかなあ?まあ、これで私のペダルが米軍にも採用されたということです。しかし!このオーダーは「ミルスペック」で作らなきゃならないってことかい?ジャックはスイッチクラフトなので合格してますがね!そうそう!基盤もその基準で作られているはずですね!

ミルスペック とは。(Wikipediaより引用)
MIL規格 (みるきかく、英: Military Standard) とは、アメリカ国防総省が制定した、アメリカ軍が必要とする様々な物資の調達規格である。正式には「A United States Defense Standard」と言う。 その内容はミサイル部品からコーヒーメーカーまで多岐に渡り、国防総省の調達する品目の規格・仕様を規定する。 軍隊が使用する物資を意図した規格のため、屋外での利用 (そのため防水・防塵性能などが重視される) や苛酷な環境 (非常な高温・低温、高い重力加速度等) を考慮する。民生用と比較するとかなり性能過剰な部分も見られるが、中にはTOUGHBOOK (パナソニック) などのように、逆にその部分をセールスポイントとしてアピールする製品もある。



本日の結論
弾駆動は米軍装備品ってか!なんとなく笑えますなあ。

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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