直結的電源系

2011年02月05日 電源トランスのヒューズを無視して!



「おっ!クリーントーンが出てきました!」

さてと、前回は数値が色々出てきましたが、それは結論に達する為にどうしてもチェックしなくてはならない通り道でした。で、今までやって判明したことを振り返ってみると・・・。

1 電源トランスのヒューズが切れていて、ノーマルな配線では2次側に電圧が確認できない。
  電源トランスの構造を検証したところ、内部の温度ヒューズが切れていると思われる。

2 電源トランスのヒューズ配線を無視してCP3とCP5、CP6を直結したら、2次側に規定電圧が発生。

3 真空管ソケットの電圧はすべて確認できたがプリ管への電圧が少し高め。

4 出力トランスは導通があり問題なし。

5 チョークコイルは導通があり問題無し。

と、簡単に列記したけれど、ある程度の結論にたどり着く為には色々悩みつつ、手探りを続けていました。ここまで判明したからには、そろそろ真空管をセットして音出しを試してみても良いのでは?と感じます。どうせ元から音が出ていないアンプなのですから、アクシデントが起きても諦めがつきます。これがジャンクを扱う時の豪快な気分なんですよ。

シャーシはキャビから外したままですが、最低限のセットをしましょう。まず、真空管を元通りにセットします。



スピーカーはキャビまでケーブルが届かないので、前回も使用した自作超小型スピーカーキャビを使いましょう。16w8Ωですので大音量にしなければ大丈夫です。次に電源トランスのCP3とCP5、CP6を鰐口クリップで直結。これでとりあえず100v交流が電源トランスに流れ込みます。

ギターを繋いで電源スイッチON!、真空管を観察。真空管のオレンジ色点灯が確認できました。なんだかホッとします。ここでしばらく待機。怪しい臭いがしないか?鼻をヒクつかせます。問題なさそうですね。次にスタンバイスイッチ ON!ここでもしばし待って観察しましたが、やはり危険な香りはしてきませんでした。ボリュームを2程度に上げ、ギターを弾いてみると・・・おっ!クリーントーンが出てきました!

しばしクリーントーンのまま弾きつつ、BASS 、MID 、TREBLE、PRESENCE、のコントロールノブが効いているか確認。ちゃんと作動しています。では次にチャンネルを切り替えて、DRIVEチャンネルを確認。これまたDRIVEコントロールを5に上げて、MASTERを少し上げるとディストーションサウンドが出てきました。これで両チャンネル共に生きているのが確認できました!10分ほどそのまま弾き続けていましたが、怪しい挙動や大きなノイズは出ていませんでした。もちろん、シャーシむき出しになっているのでわずかなノイズは聞こえますがね。これで一応基本的なことは確認できました。


念のために、バイアスの確認も行いましょう!このアンプの回路基板には、バイアスを計る為のテストポインが設置してあります。基板の一番隅に分かりやすく表示してあるので間違える事がありませんね。チェックしたところ60mVで問題無しでした。



テスト終了後シャーシをキャビに戻したところ、シャーシのサイズがキャビの幅ギリギリのため、キャビの両サイド内側に貼ってあったシールド用のアルミシートがベリベリと剥がれました。まあ、これはしょうがないことだと諦めて、シャーシを元通り組み込んでからご新規のアルミシートを貼りつけることで対応しましょうかね。それにしてもサイズがピッチリしすぎていますなあ。

リバーブタンクも元に戻し、キャビに固定。これで一応外観は元通りになりました。で、これから先どうするのか?テスト段階では鰐口クリップで電源を直結していましたので、そのまま使用するには危なすぎます。しっかりと、CP3、CP5、CP6をジョイントし固定しなければなりませんね。そこで材料を探してみました。

まずCP3から電流を引き出す為に、現在死んでしまっている「VIO」のラインを再利用しましょう。ヒューズが切れているので二度と使えないラインですから、残していても意味が無いのでトランスから「VIO」を切り離します。


「VIO」にラグをかまして二股にした後、CP5、CP6、に繋ぐラインをジョイントします。以下のラグを注文しました。これが出来ればギターアンプとして安定使用が可能になります。ついでに、パイロットランプと、念のためにヒューズも数本注文しておきました。



これでようやく出口が見えてきましたね。当初は電源も入らないジャンクアンプを呆然と見つめるだけでしたが、適切なサポートと日々の観察でなんとかもうすぐ解決できそうです。このアンプは、フルテンで長時間使用されたために、電源トランスの温度ヒューズが切れてしまったと推察できます。この状況だと、サーミスタも影響を受けていたのが納得できそうです。

本来であれば、ご新規の電源トランスを買って積み替えるべきでしょうが、未だに同じ電源トランスが見つかりません。近いデータのモノに取り替える手もありますが、それはまあ・・・取っ替えりゃすぐに済む作業ですので、別に面白い作業でもないし・・・必要になったらいずれ考えるということにしましょうかね!ということで、たぶん次回でレストアで完了になるはずですよ!


本日の結論
電源トランスは内部を修理できないのが悔しいね!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



GO TO HOME PAGE