本年的修理初
2011年01月03日 助っ人は今年も!


お節用の割り箸で叩いてみた!

「色々ありますねえ〜!」

正月休みだからと言って、どこに出かけるわけでもなく一日中家でゴロゴロしているのですが、それも1月2日には飽きてしまいましてね・・・。大晦日の左手指先火傷のおかげで、何か作業するにもなかなか不自由でありまして・・・。しかし!ただ呆然と代わり映えしないお笑い番組を見ているのも辛いし!

てなことで、2日は昨年末に中途半端なまま終わっていた「Fender The Twin」の修理を楽しむことにしたのです。「修理を楽しむ」という感覚は、理解しがたい方もいらっしゃると思うのですが、作業を通じて未知の世界に足を踏み込むのは楽しいですよね。分からない事だらけだけど、時間をかけて徐々に解明して行くのは快感ですし、ボケ防止でもありますね。脳のためには「ああ〜〜〜!!!そうだったのか〜〜〜!!!」と感じることが大切なんですよ。

元旦に届いたメールがありました。おなじみの Mr.Henry Kaiser からです。彼も「Fender The Twin」の修理状況を気にしているようでした。そのメールに添付されていたのは「Fender The Twin service manual」のPDFでした。全ページではなく、必要最低限のピンポイントの4ページ分だけでしたが、これが助かりました!ずっと疑問だったことがこれでいくつか解決したのです。

私が持っていた疑問のひとつは、回路図に書いてある真空管の種類に「12AX7」「12AT7」があります。その使い分けと、その部分に刺してあるのがどちらなのか?でしたが、送られて来たマニュアルに的確な図がありました。プリアンプ部分に「12AT7」1本と、リバーブ部分に「12AT7」1本です。幸いにして、数年前にシカゴの綿貫さんからいただいた「12AT7」が1本ありましたので、これをプリアンプに使っていた12AX7と交換しました。リバーブ用は追っかけで取り替えましょう。


昨年末にアルニックの野村社長からThe Twinの回路図はいただいていたのですが、Henry の送ってくれたマニュアルには回路図も入っていました。これがクッキリした奇麗な物でしたので、これでまた解読がスムーズに出来ますね。


さらにもうひとつ解決したことが。スピーカー取り付けボルトを私はインチネジだと思い込んでいたのですが ・・・。こちらはシカゴ在住の綿貫さんから寄せられた情報でした。

スピーカーのネジですが、たぶんミリねじだと思います。
規格はM5-25で探せると思います。
以前、是さんのフュークスキャビの話でネジまで素材が関係するという話があり。
私はステンレス削りだしを使用しています。一度、M5-25が合わないか確認願います。
ノギスでの計測は先端部で計ると4.6-4.7肉厚の厚い部分で計ると4.8-4.9くらいになります。
M5は直径5ミリですので、素材によって外径の差が出ます。
この規格のネジはフュークスのキャビにも使用されていました。(M5-15)ですが。


M5-25であれば、近所のショップで手に入ります。探してみたところ、ステンレスのM5-25が手に入りました。1本だけではなく、2発のスピーカーに使っている全部のボルトを取り替えましょう。8本購入!すぐに取り替えたところ、ピッタリでした!助かりました!


さらに千葉県在住の荒井様からいただいた情報は、スタンバイスイッチを入れる際に発する爆音ノイズに関するチェック方法の情報でした。簡単な方法ですので試してみましょう。

小さい外部スピーカーでは何とも無いなら、フィードバックの接触不良版とおもわれます。
音が出る状態にして、箸など絶縁体の棒で回路のあちこちをコツコツと叩いてみると、
導通の切れ掛かっているところがみつかりますので、お試しください。



ところが、実際にこのチェックを行ってみると、至る所でザリザリとノイズが発生したのです。なんだこれは?念のためにシャーシもコツコツやってみるとやはりノイズが発生しました。これって、回路の問題ではない?そこで念のために真空管を一度全部取り外し、セットし直したところ驚くことに爆音ノイズがピタリと止まってしまいました。意外な盲点があったものですなあ!これでまたひとつ悩みが消えました。

しかし、新たなノイズがあるのに気付きました。今度はスタンバイスイッチを切る際に出るノイズです。爆音ではないのですが、ザリッとしたちょっと大きめの音が一瞬でます。気になるので、これもまた気長に探索いたしましょう。

それにもうひとつ、クリーンチャンネルのボリュームを回す時にパリパリとしたノイズが出るようになりました。ノブに手を触れると発生するようにも思えます。ノブを回してもノイズが発生するポイントが毎回違うので、ポットそのものの劣化ではないようですが・・・。アースの接触不良の様な感じのノイズでしたので、念のためにポットの取り付けナットを増し締めしたところアラララ!ぴたりと止まってしまいました。大笑いです。取り付けた際の締め具合が甘かったようですね。

これで「Fender The Twin Red Knob」は、ほぼ使えるようになりました。でもまだ残っている作業はいくつかあるのです。次にやるべきことは「フットスイッチ」の製作です。欠品していましたので自作しましょう。この製作はペダルを作るより簡単です。以下の回路図通りに作るだけですから、アルミケース、ケーブル、フォンジャック、ダイオード2個、LED2個、があれば出来ます。材料は全部揃っていますし、1時間もあれば作業は終わるでしょう。後日暇な時に作りましょうかね。


そして最後の作業となるのは・・・真空管部分の保護のために裏面についているはずの板が欠品していましたので、これを作らなければなりません。縦90mm 横625mm 厚14mm のパイン材に黒いトーレックスを貼って取り付ける予定です。しかし・・・それを考えているうちに、違う作戦が浮かんできました。

このアンプの外側に使われている金属パーツは経年変化で錆が浮いています。これを新しい物の取り替えたいとの欲求が湧いて来ました。さらにスピーカーの前に張ってあるサランネットも一部が破れて補修した後がはっきり見えます。ということで、サランネットも新しい物に取り替えたいですね。となれば、キャビ全体に貼ってある黒いトーレックスも至る所に傷がありますので、いっそのことトーレックスを全部張り替えるってえのはどうでしょう?しかも黒をヤメてオリジナルのカラーにするのも面白そうです。では材料を探してみましょう!色々ありますねえ〜!

 

 

右上のイエローパイソンが今のところ気に入っていますが、広い面積で見るとどうなんですかね?ちなみに材料費は7,000円程度で全面張り替えが出来そうです!サランネットは3,300円でカバー出来そうです。まあ、再仕上げには他にも様々なパーツが必要ですので、本気でやるとすれば金も掛かるのでジックリ取り組みましょうかね。

ところで、オリジナルのトーレックスはどうやって剥がせばよろしいのでしょうか?美しく剥がせる方法をご存知の方!お教えくださいませ!


本日の結論
今年もこうやって、厄介な作業を自分で生み出して行くのであります!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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