駆動的阿蘭陀


2010年05月26日 事実は小説より奇なりか?


この画像の意味が分かる?


「私の意志とは関係なく移動していく」

tanabe.tvの登録会員は海外にも10人ほどいらっしゃるのですが、その海外在住登録会員との交流で起こった出来事をご報告いたしましょう。

始まりは先週のことでした。オランダ在住の Mr.Walter Goyen からメールが届きました。内容は「私が持っているペダルと禅駆動を交換してもらえないか?」という内容でした。通常であれば、私はこのような取引は一切お断りしています。理由は簡単です。私は他人が作ったエフェクターに興味がないのと、私はほとんどギターを弾かないので必要としてないからです。

彼が交換して欲しいと申出て来たのは「PiGtRONiX Mothership (analog synthesizer)」でした。2回しか使ったことが無いということでした。彼の演奏スタイルに合わないので放出したいとの意志です。これは「モノフォニック・アナログ・ギター・シンセサイザー」ですが、ギター以外にもベース、キーボード、ボーカル等様々に使うことが出来ます。


日本の定価は 83,000円  オランダでは450ユーロ程度だそうです。

私は以前からギター用のシンセサイザーに興味がありました。しかし、ギターのボディーにピックアップを取り付けたり、大げさなシンセサイザー本体が必要だったので敬遠しておりました。ペダル形式のシンセはないの?と探していた時期もありましたので、今回の交換の提案はどうかなあ・・・と考えていたのですが・・・。

ところで・・・なぜオランダ在住の Mr.Walter Goyen がtanabe.tvの登録会員になっていたのか?これは10年以上前に遡ります。 Mr.Walter Goyen の奥さんは日本人です。彼女もtanabe.tvの登録会員で啓示倉庫に書き込むときは「オランダ香織」と名乗っています。そもそも彼女はアメリカのシリコンバレーに務めていた登録会員「シリコン清水」さんの同僚でした。「シリコン清水」さんの紹介で tanabe.tv にアクセスするようになり、やがて「オランダ香織」さんのご実家が当家のすぐそば「日吉」であることが判明しました!

それからしばらくして「オランダ香織」さんが日本へ里帰りされた際に、一度だけ東横線「日吉駅」で顔合わせをしてお土産をいただきました。顔合わせしたのはこのたった一回だけです。その後は、メールのやり取りを時々しておりました。やがて彼女はインターネット上で知り合ったオランダ在住の Mr.Walter Goyen と意気投合し結婚。アメリカからオランダへと嫁いでいきました。そしてその頃、 Mr.Walter Goyen は登録会員となったのです。彼とメールのやりとりを直接することはありませんでしたがね。

そうそう!思い出したことがありました。「オランダ香織」さんがかつてオランダのシステムキッチン製造会社から「和風のシステムキッチンを開発したのだけれど、まだネーミングが決まっていないので和風の名前を考えてくれない?」と相談されたとか。そしてそのお鉢が「オランダ香織」さんから私に回ってきました。「考えてもらえませんか?」とね!

いくつか候補を考え、私が送ったネーミングの中に「SEIGA」というのがありました。漢字で書けば「清雅」です。クリーン・エレガンスということですなあ。カタカナで書いた場合3文字で濁音が含まれているというセオリーで考えたものです。コレがメーカー担当者にヒットしました。意味と発音さらに漢字で書いた場合のバランス。それらが気に入られたようです。しばらくしてオランダの業界新聞が送られてきました。そこには「清雅」と書かれたパネルが張り付けられたシステムキッチンの姿が掲載されていました。ギャラは無かったのですが私は満足でした。私の人生で面白かった出来事の一つですね。

話を戻しましょう。

Mr.Walter Goyen は、趣味でギターを弾いています。何本かのギターも集めています。そして「オランダ香織」さんから最近の私の動きを聞いて、tanabe.tv にアクセスしつつ、インターネット上の「駆動シリーズ」に関する情報を収集し始めました。様々な評価を読んだ結果「欲しい!」と気持ちが盛り上がったようで、私へメールを送ったのです。

さて、結論として私はその交換に応じることにしました。今回は特例です。「オランダ香織」さんのご亭主でなかったら私は拒否していたに違いありません。そんなワケで私が Mr.Walter Goyen のために作ったのは「DUM + ZEN TWIN CUSTOM」です。彼は追加で支払いをすると申し出てきましたが、私はその必要がないと「完全交換」を提案しました。コレで商談成立です。

そして!面白くなったのはここからです。画像とともに、その後の顛末がメールで送られてきました。

先日 Mr.Walter Goyen が、インターネットでオランダのローカルオークションサイトを覗いていた時でした。そこになんと出品されていた「DUMKUDO」を発見したのです!その時点でオランダに存在する「DUMKUDO」は1個だけです。当然それを持っている方も私は把握しています。Mr.Walter Goyen は驚いて、すぐに出品者に連絡をとり「オランダ香織」さんを連れてアムステルダムに住む出品者の家へと向かったのでありました。


コレが出品されていた現物!

出品者は最近 Dumbleスタイルのアンプを買ったので「DUMKUDO」を放出したとか。添付されていた画像をよく見ると、その Dumbleスタイルのアンプというのは「Overtone HRM by Ceriatone 」のようですね。「Ceriatone」は私も持っていますがね。


てなことで彼らの商談も成立し、Mr.Walter Goyen は「弾駆動」ユーザーの仲間入りしたのであります。ちなみに「オランダ香織」さんの実家が当家のすぐそばであるという事実に出品者は驚いていたそうです。


Mr.Walter & Mr.Danny

ではナゼ、私との商談が成立していたにもかかわらず Mr.Walter Goyen はオークションでさらに「弾駆動」を手にいれたのでしょうか?それは私との商談が成立した直後に出品物を発見したことで「運命」を感じたからだそうです。さらに彼はオランダの音楽誌にもルートがあるようで、編集部にこの「弾駆動」を貸し出してレビューを書いてもらうのだと言っていました。さて、どうなりますことやら。

当然ながらこの直後、 Mr.Walter Goyen は自宅で早速「弾駆動」を試奏して大いに満足したそうです。

私の製造したものが、オランダの地で不思議な出会いをして私の意志とは関係なく移動していくのは面白いですね。Mr.Danny もお金が無くなって仕方なく「弾駆動」を手放したようですが。今まで1年間楽しんでいただけたようなので、私は満足ですが。でも、Mr.Danny が新しく手に入れた「Overtone HRM by Ceriatone 」に「弾駆動」をつなぐと、さらに美味しいサウンドになるはずなのですがねえ。それに気づいていただけなかったのは残念です!


本日の結論
果たしてオランダにブームは来るのでしょうか?

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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