摺合的六弦造


2009年12月24日 では仕上げに入りましょう!



「自分の道具は自分で」

まずは少しだけ過去に戻りましょう。

11月21日に一旦完成したかに見えていた「自作テレキャス」は、1か月ほど触り続けていたのですがなかなか好きになれずにいました。それには理由が2つあったのです。その1は、ピックアップの問題です。出力が弱くてちょっとねえ・・・。いずれピックアップは積み替えましょう。とはいえ、私の部屋ではアンプのボリュームを上げればなんとでもなるのですが。

その2はフレットです。肉眼で見る限りはフレットの状態は揃っているように感じていたのです。でも、新品のネックでしたがどうも微妙な凸凹が存在しているようです。ビビリのない低いセッティングが上手くいかないので、どうも気分が悪くてね。現時点で、私の部屋に立ててある他の2本に比べると明らかにフレットワークが劣っています!

そこでフレットの摺合せをやることにしました。今までにもやったことはあるのですが、今回は機材をキチンと揃えてからやってみようと企てました。そこで2つのヤスリを発注しました。平面を出すための平ヤスリと、フレットの頭を丸くするヤスリです。ようやくそれが届きましたので、これで仕上げ作業に入れます。

2009年12月24日13時30分作業開始!

まずは弦を外して、ネックが真っすぐになるまでトラスロッドを緩めましょう。


つぎにネック用の枕にヘッド側を乗せてギターを安定させます。ちなみにこの枕は以前いただいた手作り品です。こいつのおかげでネック作業の際には結構助かっています!金尺で平面性を確認するとフレットにはほんの少しだけ凸凹がありました。次に指板が傷つかない様、マスキングテープで養生します。マスキングテープは隙間がないようにきっちり貼ります。後で研磨剤を使いますので、それが漏れて指板につかないようにしなければなりません。特にフレットの指板側との隙間が出来ない様、慎重に密着させましょう。


ではいよいよフレットの平面出しです。平ヤスリを乗せて力を入れないで全体をゆっくり擦ります。飛び出しているフレットは削れていきます。ヤスリの目がフレットに食い込んでいるザリッとした感じが指先に伝わってきて「ああ〜〜〜削れてる!」と妙に嬉しくなります。本当に力入りません。ヤスリ自体の重さで少しずつ削れる感じでやればOK。最終的には全体が一番低いフレットの頭と同じ高さになるまで作業を続け・・・フレット全部の頭が擦られたところで平面出しは完了です。まあ・・・こんなもんでしょ。金尺で平面性を確認すると問題なさそうです。


次の段階は、削れて平坦になったフレットの頭にRを造ります。このヤスリはRのついた溝にヤスリの溝が刻んであります。これもまた、力を入れないように一方向へゆっくりと擦ります。各フレットの頭が丸くなればOK。でも削りすぎに気をつけなければなりません。削りすぎると、また平面出しからやり直しとなりますからね。じっくりと時間をかけて進めましょう。


ハイ!全部のフレットの頭が丸くなりました。これで基本的な作業は完了ですね。では仕上げに入りましょう。サンドペーパーの水研ぎでヤスリのラインが消えるように磨いていきます。これ又時間がかかる作業ですね。慌てないでゆっくり進めていきましょう。600番で一度全体を磨いてから、再度2000番で仕上げました。作業スタートから1時間30分後、ようやく納得行く感じになりました。


最後に金属用の鏡面仕上げ研磨剤で磨いてピカピカにしましょう。これでなめらかな弾き心地が生まれますので、これまた丁寧な作業を心がけます。指先で触るととてもなめらかに仕上がりました!スタートからここまでかかった時間はトータル2時間。こういう作業を楽しいと思っている私にとってのこの2時間は、例えば他の方が映画を観たりサッカーの試合を観たりたりすることと同じで有意義な時間なんです。と言いつつ、テレビでやっていた映画を横目で見つつの作業でしたよ。かと言って、他人のギターまでは触る気がしませんがね。

さあ!弦を張ってみましょう!と、いつもの弦を入れてあるケースをあけたところ・・・いっけね〜〜〜!!!あると思っていたElixir 0.10~0.46 が1セットも存在しませんでした!こりゃいかん!慌てて買いに走る私です。ところで、私が買いに行くショップは楽器店ではありません。一番近い「HARD OFF」です。ギターコーナーにちゃんと弦も置いてあるんですよ。しかも安い!まとめて5セット購入完了!

弦を張り、チューニングしてしばし落ちつくまで待ったあと、ネックの調整を行います。トラスロッドを締めて平面を出しましょう。12フレットで弦高が1.2mm になるようにセットします。ハイ!完了です。1時間後再度ネックの平面性を確認してやや修正をしました。ここでハーモニクスのチェックも行います。サドル位置を微妙に調整してすべての作業が終了です。弾いてみると、今まであった僅かなビビリが見事に消えていました。嬉しい仕上がりです!お疲れ様でした!


ではアンプにつないで弾いてみましょう。もちろん先日完成したチューブアンプを使います。フッフッフ・・・イイですねえ〜〜〜!!!ようやく使えるフレットになりました。滑らかさが出て指先が気持ちよいです。チョーキングもスムーズです。この作業に使ったヤスリは2種類ですが、通販で送料まで入れて5千円程度で手に入ります。ギター弾きなら1セットくらいは持っていてもよろしいのでは?自分の道具は自分でメンテすると楽しいですよ〜!あなたもやってみます?(普通はやらねえってば!)


本日の結論
2時間ずっと指先に力を入れていたので、右肩がとてつもなく凝ってしまいました〜!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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