始動的管増幅


2009年12月15日 それでは次の遊びに突入!


VOX Pathfinder 10



「気分も盛り上がります!」

2007年4月に1年間の休職生活から復帰して、再び会社務めを開始したとき、私にはひとつの遠〜〜〜い目標がありました。いつの日か「チューブアンプを自作する!」という目標を立てたのです。もちろんギターアンプです。ところが、その時点で電子工作的な知識はまったく持ち合わせていませんでした。そこでまずは手始めに会社往復の電車の中で基礎知識を頭に詰め込もうと入門本を手にいれたのでした。



「初めての真空管アンプ」この本が多くのWEBで推奨されていましたので買ってみました。早速次の日から電車の中で熱心に読み始めたのですが、なにせ「ウツ」真っ只中の私でしたので、なかなか本に書いてある文章の意味が頭に入ってきませんでした。そもそも基礎知識がないのですから読み解くのは難しく、いみわから〜〜〜ん!と辛い読書の時間となりました。一応一週間かけて全部読み終えてはみたのですが、全く歯がたたずその先を進める気が全く起きなくてしばし放置の時間が過ぎました。

そもそもいきなりチューブアンプから入ろうとするのに無理があったようです。そこで小さなものから電子工作を始めてみようと「スモーキーアンプクローン」を作ってみました。電子工作の知識なしでやるのですからこれでもかなりリスクは有りましたが、部品点数が少なくて、なんとか試行錯誤を繰り返しオペアンプの使い方がようやくわかりました。同時にハンダ作業の練習でもありましたがね。そんなこんなで次々に電子工作物は進化しつつ「GAKUYA 1号」という約1Wの小型ソリッドアンプを創りだすことに成功しました。プロの意見も聞きつつすこしずつ改良を続け、30台ほど今までに作りましたね。

それが一段落した頃に、エフェクターの世界に突入です。JRC4558D艷ありとの奇跡的出会いがあり、一気に加速して2007年10月23日に「禅駆動」プロトタイプが完成。電子工作を始めて半年後のことでしたね。その後は皆様ご存知の通り、TWIN CUSTOM や 弾駆動 が生まれいつの間にか世界中からオーダーが来るようになりました。ゼロからたった1年での劇的な人生の変化です。

しかし、その間もウツ病はなかなか私から離れてくれず、モンモンとする日が続きましたが、ついに2か月ほど前に「もうここに居る限り決してウツからは開放されない!」と確信して会社を辞めました。2009年10月15日で36年間2か月の会社員生活とはおさらばでした。その後、すぐに辞めた効果が出てきました。なんと、2週間後にはすっきりと精神的にヌケた感があり「ウツから開放されている!」と体感できるようになったのです。これが正しく私の求めていた精神世界の安定感でしたね。

さらに同時進行でギターの製作を始めました。これもまたイチからのスタートです。パーツを買い集めテレキャスを1本組んでみました。なるほどこうなるわけね・・・。と・・・一応の完成は見ましたが、まだ手をいれるべき課題がそこには残っていました。フレットの最終仕上げです。それをクリアするためにすでにフレットすり合わせの道具や材料の発注を行いました。たぶん年内に完成するでしょう。さらに、その頃にはもう1本のギターの材料が届くはずです。年明けから二本目のギターを組む予定です。

なんてな昨今の私ですが、そろそろ2年半前に目標とした「チューブアンプ」製作に取り掛かっても良いのではと考えるようになりました。これも精神状態が安定してきた証拠ですね。会社を辞める前から「チューブアンプ」の資料を集めてはいたのですが、なかなか取り掛かれませんでした。こういうものに手を出すにはイキオイと覚悟とハズミが必要です。それがなかなかやってこなかったのですよ。

ところが・・・今週になり気持ちが少し上昇し始めました。さらに以前から作ろうと集めていた回路に固執することをやめた途端に、新しい展開が見えてきました。そして最初に手がける「チューブアンプ」の構想がみえてきたのです!昨日は一日中その回路を眺めながら、パーツの手配はどうするのか?と思案しておりました。こんな時間がとても有意義で楽しいのですよ。

思いつけばすぐにWEBで検索してパーツのオーダー先を見つけます。そして回路図に手配先を書きこみます。徐々にパーツ調達の状況が見えてきて、自宅にあるパーツだけでも半分ほど揃うことが判明して、かなり「チューブアンプ」製作の現実味が増してきました!真空管は手持ちのものだけでクリア出来ますので、構想ではなく本気で作ろうと決心しました。その覚悟及びハズミとなったのは以下のアンプがあったからです。


VOX Pathfinder 10

このVOXのアンプは15wのソリッドです。3年ほど前にKOREさんから誕生日プレゼントとしていただいたものです。禅駆動を開発していた当初は、このアンプでサウンドチェックを行っていました。ところが先日、私のミスでこのアンプの回路をショートさせてしまい一部分が破損してしまったのです。音は出ますがとても音楽的なサウンドではなく使い物になりません。そこで考えました。このケースとスピーカー及びシャーシをそのまま使って「小型チューブアンプ」は出来ないもんかと・・・。

チューブアンプですから出力は1wもあれば自宅で遊ぶには充分です。大きくても出力は2w〜3wどまりという条件で回路を探しました。もちろん初めてのチューブアンプ製作ですから回路自体も簡単なものでなくてはなりません。かと言ってあまりにも簡単な物では物足りないと・・・そんな贅沢な仕様をツブヤキをしつつ探しまくりました。本来ならば、回路設計から始めるべきでしょうが、悲しいことにそこまでの根性はありません。既成の回路に自分なりのモデファイを加えて仕上げるという魂胆です。ターゲットが決まれば一気に進むだけです!

参考とする回路はこれです。出力は1wのようです。この図だけでは細部が分からない部分もありますので、補助資料もいくつか手にいれて補強しております。真空管は 12AT7 x1 と 12AX7 x 2 の3本です。これは手持ちで揃いますから問題ありません。トランスは Hammond 269JX が手に入りにくいので、ノグチトランスPMC-55Fで代用です。コンデンサの22μF 450vも以前に Ceriatone をモデファイしたときに買ったものが4本残っていましたのでそれを使います。これらが手に入れば他のパーツは問題ないでしょう。



ところで、パーツを手配する前にやっておかなくてはならない作業があります。VOXアンプをバラしてシャーシを取り出し、真空管ソケットやトランスを取り付ける穴を開けなければなりません。真空管ソケットの取り付け穴は直径22mmです。ところが、私の手持ちの機材で金属板に直径22mmの穴を開けることが出来ません。これをクリアしなければ!と、ここで一旦書くのを休んでDIYショップへ一走りです。はい!買ってきました!


これはスパイラル・ステップドリルですね。今まで使っていたステップドリルは12.7mmまでしか開けられませんでした。このステップドリル1本で直径4mmから22mmまで12段階の穴を開けることが出来るようになります。ただ、このパーツだけで3,990円でした。イテテテ・・・。でも出費した分だけ、気分も盛り上がります!

しか〜しこの穴開け作業はやってしまうと後戻り出来ないので・・・どうしましょ?パーツが全部揃ってから位置決めをして、完成形をフィックスしてから穴開けをした方がいいんじゃないのか?そうですよね!トランスの取り付け穴なんて、現物がないとまずいし!慌てて作業をやって失敗した経験は山ほどありますので、パーツを全部揃えてからじっくり取り組むことにしましょうかね。てなことで、パーツのオーダーは完了しました。今週中には全部揃います。


本日の結論
1台目が出来上がっていないのに、もう2台目のことを考え始めているし!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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