試作的残響威


2009年10月26日 次の展開のために試作!


仮名「残響威」を組んでみました。



「欲求が沸き上がってきました」

ずいぶん前から欲しいモノがありました。私が所有しているアンプヘッドにはリバーブがついていません。そこでなんとかリバーブを追加しようと考えていたのですよ。LINE6 JM4 Looperを購入して代用してみたのですが、ガタイがでかいので何とも気に入らず、ほとんど使わずじまいです。

アンプヘッド内部にリバーブタンクを追加して何とかならないものか?とも考えましたが、詳しい方に相談したところ回路的に無理だとのこと。それからあれこれ考え続けていました。データを探してインターネット上を探しまくりましたが、ふと某ショップで「自然なスプリングリバーブサウンドをコンパクトに!」とのふれこみでキットを見つけました。手に入れて研究してみようとしたのですが、品切れでずいぶん待ちました。

10月15日に会社を辞めたことで、自由時間がたっぷり出来ました。そこで「空間系」の研究を再開しようとショップを覗いてみたところ再度そのキットの販売が始まっていました。よし!まずはここから手を付けてみようと、基板と最低限のパーツだけをオーダーしてみました。ケースやジャック、スイッチ、LED 等の周辺パーツはたっぷり持っていますのでね。

オーダーした2日後にはもう届きました。ところがそれ以降「駆動」シリーズのオーダーがほぼ毎日来るようになって、新しいものに手を出す時間が取れなくなってしまいました。バタバタしつつも、回路に手を付ける前にまずは設計図をよく読み込んで、しっかり解釈をしなければなりません。もちろんキットをそのまま作るのはつまらないので自分なりの改造も必要です。自分らしさをこのような場合でも表現しなければ!それによってケースの穴あけ位置が決まりますし、ノブの数も決まります。

ちなみに、以下のエフェクト機能がこのキット回路には含まれています。

●  Reverb
●  Phaser
●  Pitch Delay
●  Tremoro
●  Pitch Shift
●  Chorus
●  Flanger

これらの空間系エフェクトとReverbがミックスで出せます。エフェクトを絞るとReverbだけで使えますし、逆にReverbを絞って空間系エフェクトだけでも使用できます。なかなか多彩なコンパクトエフェクターです。

丸一日改造点を検討した結果、やはりこのキットのままでは私の目指すものは出来ないと判断しました。それを実現するためには新しいパーツを手に入れなければなりませんが、パーツが見つからなければ自力で作るしかりません。つまり、私が考えるような操作性を作り出すためにはまだしばらく研究が必要なのです。ということで、まずは最低限の変更だけを加えて、一度この回路での動作具合とサウンドを確認しようと考えました。

ようやく昨日朝5時から「空間系」の試作を開始しました。年寄りは朝早いんです!手元に実態配線図はありますし、パーツはすべてそろっています。まずはケースのデザインからです。これをやらないと気分が盛り上がらないのですよ。ケースをデザインするということは、その時点でノブの数や操作性も絞り込めるわけですからね。

デザインしながらネーミングも考えます。いくつかの候補をとっかえひっかえレイアウトしつつ、なんとかたどり着いた仮名は「残響威」とりあえず1台だけ作るのですからこれで行きます。使うケースは通常「駆動」シリーズに使っている黒いケースです。これは加工の時点でちょっと失敗して放置してあったケースの再利用です。サイド面によけいな穴明けのポンチ痕をつけてしまったので出荷物には使えません。そこで試作用のケースとして使うのです。とは言え、試作品でも傷が目立つのは嫌なので、サイド面まですべてシェル材でカバーして傷が見えないように処理しました。見た目豪華です!

本来このキットは、3ノブで良いのですが、私の用意したケースにはすでに4ノブの加工がしてありました。そこで例の「LED」コントロールもこいつに着けて4ノブで仕上げてしまいましょう!これでデザインは決定です。

次に、基板への回路パーツ組み込みです。ところが・・・この回路には手強いパーツがありました。オペアンプが26足で、基板に直付けしなくてはなりません。しかもそのピッチがやたらに狭いのです。このピッチだとほんの少し指先が揺れただけで、隣の端子とハンダが繋がってしまいます。初心者やハンダ付けが下手な方にはちょっと無理なパーツですなあ。しかし悩んでいても仕方がありません。トライしてみましょう!

ううむ・・・やはり恐れていたことが起こってしまいました・・・。4か所ほど、隣の端子とくっついてしまいました。これでは使い物になりません。さらに、かなり無様にハンダが付いているか所もあり、なんとか美しく仕上げたいものです。しばし呆然としていた時に、ふとこれを改善するアイディアが浮かびました。すぐに実行です!



ふっふふ・・・大成功です!テスターでチェックすると、26本の足がすべて問題なく回路に繋がっているのが確認できました。販売しているショップの解説でもこの方法は紹介されていませんし、しかも素早く処理が終わります。これは私のオリジナル工法でしょうかね?もし量産するはめになっても、この部分で悩むことが一つ減りましたね!わっはっは!

その後は順調に基板が組み上がり、ケースへの取り付けも問題なくサクサクと仕上がりました。やはりこの2年間作り続けて来たペダルの製造実績が出てきますね。作業に迷いが全くありませんでした。スイッチ周りのスルーバイパス配線もキットで説明しているやり方とは変えました。その理由はちゃんとありますよ。てなことで出来上がったのが以下の「残響威」です。



それではサウンドをチェックしてみましょう。なるほど!Reverbは自然な感じですね。デジタル臭くはありませんのでこれは使えます!各エフェクトも問題なく作動します。私が使いたかったのは Reverb だけなのですが、なかなか遊べる感じです。ちなみに、Pitch Delayに設定すると、ReverbノブはReverbコントロールではなくPitchコントロールになります。

しばらくテストしているうちに、やはり私が最初に考えていた操作性にしたいとの欲求が沸き上がってきました。さてどうやればそのような操作系を造れるのでしょう?まずはパーツ探しですね。じっくり探してみますよ。もしどうしても見つからなければ、他の方法で実現しなければなりませんが。こうやって趣味はじっくりと時間をかけて楽しむのですよね。

と・・・書きながらたった今、ある方法を思いつきました!ひょっとしてあのパーツを使えば出来る可能性大です!さっそく行動を開始しましょう!


本日の結論
思考することがとても楽しい昨今です!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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