六弦的贋作姿


2009年08月09日 あきれますね!


これがWEBに載っていた商品の画像です。


「更生させよう」

前回の続きです。5日経って、気を取り直しました。

実態を皆様に知っていただこうではないか!と画像を撮影し、ご披露する気になったのです。ただし、現物で見るより撮影した画像の方がよく見えてしまいます。これは私の撮影能力がかなり上手であるからだと言えるでしょう(なんだよそれ!)では、まずいきなり細部からいきましょう!

一番気になっていたテールピースです。WEBの画像ではアジャスタブルのはずですが・・・なんだこれ?というような固定式のテールピースです。仕上げも粗っぽく、妙に高さがあります。チューニングして弦を弾いてみたところ、2弦3弦の反応が鈍いです。ブリッジ部分の精度の悪さでしょうね。エッジのはっきりしないサウンドです。こりゃあ全く使い物になりません。スタッドボルトに留めるためのボルトもごつくて不格好過ぎますなあ。

次はナットです。ご覧のようにかなり高めのセッティングです。というか、セッティングというような範疇ではなく、ただ単に取り付けただけと言った方が正しいでしょうが。ローポジションがとても押さえにくいのです。ご覧になって分かるように指板はほぼフラットです。トラスロッドのカバーは安っぽいプラスティックの板です。本物には無いのに、ボリュートだけは妙に分厚いサイズで作られていますね。

はい、次はフレットです。ひどいバリ等はないのですが、打ち込みの精度が悪いです。全体的に真ん中に少し浮きが見えます。実際に弾いてみると、これほど弦高があるにもかかわらず音が詰まってでない箇所を発見しました。トラスロッドを回してネックを調整しても音詰まりがあるということは、フレットがかなりデコボコしている証拠ですね。一度フレットの擦り合わせをしないと使い物になりません。

チューナーです。WEBの画像ではエボニーノブのPRS純正でしたが、実際についているのはグローバーの金属ノブのものです。しかも、そのグローバーと刻印されたチューナーはどうも信用出来ない荒っぽい仕上がりです。なんだかな・・・という情けない感じでシリアルナンバーが入れられています。

では本体にいってみましょう!

先ず気になるのが、Fホールから見える配線です。安っぽい色の配線が丸見えです。あああ・・・。正面から見ると確かにPRSシェイプですが、少し斜めにしてみるとうす〜い立体感しかありません。アーチトップと呼ぶには貧相すぎます。もちろん10TOPであるとはとても思えないぼやけたフレームが少しだけあるメイプルです。肉眼で見るとその貧相具合は泣きたくなるほどです。

ボディー裏です。WEBの画像では10TOPのフレームメイプルで削りだしのアーチでしたが、目の前にあるのはただのフラットな板です。材もなんだかよく分かりません。

そしてヘッドですが・・・。ここだけ妙にロゴがアバロンで入れられています。薄っぺらですがね。指板に入れられたバーズインレイも、肉眼で見るとがっくりくるクオリティーです。これらの画像ではそれなりに完成したギターに見えますが、現物はガックリ感の塊なのですよ。


さあ、このような痛い仕上げのPRSもどきですが、これからどうするかというと、一度出荷先にクレームをつけて連絡したのですが、こんなギターを送ってくるような相手ですから反応は大笑いです。以下にそのショップの反論を掲示します。

Each guitar is impossible to be completely same, the impossible each lumber is the same wood grain, each guitar has a little bit of difference! This question simply does not need to refund money, asks you to understand! Needs you to listen to the acoustic fidelity carefully, this model of guitar is very good!

ということは返品も出来ずですか。これ以上戦っても時間の無駄ですね。そうなると、なんとかギターとして最低限の機能だけは持たせてやりたいではないです!そこで私は、手があいた時に少しずつメンテしてなんとか真っ当に弾けるように立派に更生させようと決意したのです。

で、さっそくKOREさんに相談してPRSの純正テールピースをいただくことになりました。ここだけがPRS純正部品というのも大笑いですがね。先ず最初にやらなければならないのは、フレットの擦り合わせです。外注しても良いのですが、これ以上金をかけるのも嫌なので、かつてGIBSON LPの擦り合わせを自力で行った経験がありますし、なんとか自分で処理したいと考えました。その際にナットも調整し直しましょう。どうせなら手持ちの象牙材でナットを削りだしますかね。

それら全て調整が終わった段階で、ピックアップの性能確認です。使い物にならなければ、当方で在庫している57クラシックに取り替えましょう。そうだそうだ!チューナーもグローバーの本物を在庫しているのでそれに取り替えましょう。

なんだ?なんだなんだ?計画通り進むと、パーツ類は一流品なのに、肝心の木部が怪しいままという結果になります。末端肥大症みたいなギターになりそうですね。自戒を込めてこのギターを更生させる計画はさてどこまでたどり着けるでしょうかね?気になる完成の姿は、また後日ご報告いたしましょう!


本日の結論
あの国のレベルはこんなもんですかね!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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