六弦的贋作答


2009年08月04日 実態はこうなのです!



「見事に私が予想していた」

前回の続きです。実は私が、皆様の好奇心の代表としてダイブしてみました!やっちまったな〜〜〜!!!

啓示倉庫に書き込まれたURLが気になってアクセスして、なんぢゃこれは?なんだ?なんだ?と思える価格のギターを見つけました。GibsonやFender、グレッチ、などと言い張っているそれらのギターは、USドル表示ですが200ドル〜400ドル程度です。これって何? 明らかにバッタもんぢゃん!と思ったのですが、じっくり調べていくうちに「これはものによってはアタリがあるかも知れんなあ〜〜〜!!!」と好奇心がウズウズしてきました。

そしてついに1本だけ「この画像が本当ならアリかもしれない・・・」と思えるギターを見つけたのです。PRSとおぼしきそのギターは299ドルでした。この価格でどこまでのクオリティーが保てるものなのか?パーツと木材だけでもそれではそろわないはず・・・。それに送料も込みだと書いてあります。ストラップや、ダダリオの弦、ピックなどもサービスで付けるというのです。どう考えても私には理解できない原価構造です。

今回取り上げたギターの存在について、先日、状況に詳しい某ギタリストから情報がもたらされました。多くのギターメーカーは量産タイプのギターのパーツ生産を中国にゆだねていると。そして、それらのパーツを中国の楽器製造業が勝手に組み上げて販売していると。ううむ・・・つまりパーツは本物だけど、組み立てと仕上げが本家ではないと。ということは、腕の良い中国のギター職人が仕上げたギターであれば、アタリの可能性があるということですね。もちろん、ハズレの個体も多く存在するのでしょうが。きっと昨今の世界的不況で、ギターパーツもかなりダブついているのでしょうね。他の産業ではそのような材料だぶつき状況がニュースで報じられていましたから。

このショップが出店しているWEBをあれこれ探索したところ、怪しげではあるけれど「危険と引き換えにトライしても面白んじゃねえか?」と結論づけました。つまり、価格が異常に低いのは日本に住んでいる私の感覚であって、中国の物価レベルでいえばそれほど異常では無いのでは?と考えたのです。かくして私は、失敗覚悟でこのギター購入をやってみようと決意したのでした!例えれば、ミステリー本を読んで早く結末を知りたいというアノ感じです。


まず、このWEBには登録が必要でした。ハンドルネームとメールアドレス、パスワードを設定すれば申し込みOKです。申し込みが完了すると、WEB主催者から登録確認メールが来ました。これで登録完了です。ではすぐに購入手続きしてみましょう。支払いはPaypalです。いつものごとくPaypalの手続きを済ませて、相手の反応を待ちました。すると、すぐに支払い承認のメールが届きました。これもまたWEB主催者からでした。ここまでが7月27日の出来事です。

そして、次にメールが届いたのは7月31日の昼過ぎ。EMSの配送番号が書いてあり、出荷したとの連絡でした。ここに来てようやくこのWEBの仕組みが見えてきました。購入者はショップと直接のやり取りはしない仕組みなのです。Paypal出の支払いは、購入者が「商品を受け取りました。問題ありません」と評価を送るまでWEB主催者にプールされるのです。ユーザーが納得するまでショップは料金回収が出来ない仕組みなのです。これが本当なら、各ショップは真っ当な対応をせざるを得ませんね。以下にその手順を書いてみます。

1 WEBに会員登録する。 主催者より会員登録確認メールが届く。
2 ユーザーは商品購入手続きをする。 主催者より購入確認メールが届く。
3 ユーザーは支払い手続きする。 主催者より支払い確認メールが届く。
4 主催者はショップに商品を発送するように指示。
5 ショップは出荷後、主催者に出荷完了連絡をする。
6 主催者よりユーザーに出荷完了メールが届く。

数日後

6 ユーザーに商品が届く。ユーザーは商品確認を行う。
7 ユーザーはWEBにアクセスし商品受領の報告をする。
8 主催者はショップに代金を支払う。

こんな手順で進んでいくのですよ。

そして、8月1日にWEBをチェックしてみるとその時点でのステイタスが表示されていました。その時々の状況がこのマークで示されます。左から順に黄色いカラーリングが進行していきます。

8月3日早朝、EMSの進行具合を検索してみると、既に成田に到着済みで税関のチェック待ち状態。無事に税関を通過出来れば、私の手元に届くはずです。夕方再度EMSをチェックしてみると、おおお〜〜〜!!!ついに税関を脱出して神奈川県方面へ向けて出発した模様!このように刻々と自分に近づいて来ているのをWEB上で確認出来るとは、何とも嬉しい時代になったものです。こうなると、私の家に届くのは8月4日の午前中あたりでしょうかね?

そうなると、前回予想した5つの結末のうち、3と4が排除されました。残るのは・・・

1 ガックリくる完成度のPRSもどきが送られてくる。40%
2 そこそこの完成度を持ったPRSもどきが送られてくる。30%
3 税関で没収されて届かなくなる。20%
4 支払った後にショップと連絡が取れなくなり詐取される。9%
5 見事なまでの完成度を持った贋作PRSが送られてくる。1%

てなことで8月4日になりました。楽しみに待機していたのですが、午前中には届きませんでした。午後15時になりようやく到着!税関で一度開いた痕跡がありました。早速梱包を明けてみました・・・。うっ・・・なんぢゃこれは?まず、発泡スチロール塊をくりぬいて作った箱にハードケースが納められていましたが、その発泡スチロールのクズがハードケースと溶けあって、ハードケースの表面にビッチリこびりついています!うわわわ〜〜〜!!!まずはそのクズを掃除機で吸い込みまくりましたが・・・。とても取り去れるものではありませんでした。既にガックリ度がかなり上がっています。


では中を見てみましょう・・・。はい!これがその現物です・・・げんぶつ・・・うわ〜〜〜!!!なんぢゃこりゃ〜〜〜!!!WEBに表示してある画像とあまりにも違うチープさ満載のクズギターです!全く違うギターと言うべきでしょう!見事に私が予想していた 1 ガックリくる完成度のPRSもどきが送られてくる。40% そのものではありませんか!テールピースたるや・・・あああ・・・悲惨・・・なんでこんなのが付いている・・・と情けなくなりました。私はこの時点で既に写真を撮影する気を無くしていました。

1万円でも買わないギターです。5,000円でも買わないです。差し上げるといわれても「いえいえ!私は結構です!」とお断りするべきギターです!真っ当に弾けないのです。この出来だと、税関でもコピーものとして輸入停止するチェック対象にもならないではないでしょうな。ポルシェの画像を見て注文したら、中古の軽トラが届けられた感じです。

てなことで、結論が出ました。安いものにはそれなりの訳があると。そういうこと!!!それにしてもダマシの幅が大きすぎますなあ!またしても私のあの国に対する不信感が増幅して参りました。では早速、突っ返す手配を開始いたしましょう!さて、うまく返品できるのでしょうか?この結末はいずれ書くことにいたしましょうかね。


本日の結論
よい子は絶対に手を出さないように!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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