読了的宮崎噴


2009年07月13日 あああ・・・私の故郷が!


「宮崎県出身者であれば」

私は宮崎県出身です。宮崎県と鹿児島県の境に霧島山があります。幼い頃からこの霧島山が常に私の生活していた地域から見えていました。私の原風景の中に今も存在する山です。少年の頃、霧島山の麓にある小林市で5年間育ちました。その頃、時々霧島山が噴火して、川に軽石が流れてきました。九州で火山と言えば阿蘇山や桜島が有名ですが、霧島山も立派な火山です。

先日まとめて購入した本の中に、自分が生まれ育った故郷が舞台になる本がありました。霧島山が噴火することで宮崎が災害に巻き込まれるシュミレーション小説です。

「死都日本」 石黒 耀 著 2,300円 520ページ  2002年刊

はっきり言って、面白いです!私は一気に読み切ってしまいました。

ストーリー自体の面白さももちろんあるのですが、私にとって登場する土地、地域の固有名詞が頭の中の地図上に容易に展開できて、主人公が動き回る位置関係が俯瞰てとらえられたのです。これによって小説のリアリティーをより感じました。さらに登場人物達の名前が、いかにも宮崎県であると思わせる名字が使われているのです。主人公は黒木、行動を共にする新聞記者は岩切、などと宮崎県人ならニヤリとするイカニモな名前なのです。

本当は、この本の面白さをもっと細かく伝えたいのですが、読了してみると、いっさいの予備知識なく読まれた方が絶対的に楽しめる本であると思いました。ネタバレになるので、これ以上書くこともなくなかなか面白さを伝えきれないのですが、単に霧島山が噴火した話しではなく、その先にもっと大掛かりな仕掛けが待ち受けています。ほほう!そう来たか〜〜〜!!!と思えるスケールの面白さです。

1970年代に小松左京著「日本沈没」という小説が大ヒットしました。当時私も読みました。大変面白い本でした。そして、最近になりまた映画化されていましたが、「死都日本」はそれに勝る出来だと感じます。作家の持つ幅広い火山に対する知識、宗教的知識、ギリシャ神話や、日本の神話に対する洞察等が絡み合い、知的興奮を味わいながら日本のあるべき姿を考えさせられます。

400ページを過ぎたあたりから、この小説の世界観が少しずつワールドワイドにシフトしていきます。世界に対峙する日本の立場とは、そして未曾有の災害に見舞われた日本の政治はどう動くのでしょうか?世界経済はどう動くのでしょうか?日本が向かうべき未来とは?

私はこの本で、自分の故郷がどのような地殻構造の上に存在しているのかを初めて知りました。そして、日本列島そのものがどのように出来ているのかも知りました。皆様にご一読をお勧めしたい小説ですが、特に宮崎県出身者であれば面白さが200%増になるはずです。

本日の結論
あああ〜〜〜何故面白いのかをもっと説明した〜〜〜い!

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