完装的燦駆動
2009年03月24日 ようやく外装完成!


これらがどうなるのか!

「甘〜い感じの」

新しいモノを作り出す場合に、私が考えるのは「これって持っているだけで嬉しい?」ということです。性能だけではなくて、商品には「持ちたい!」と思わせるデザイン力も大切な要素ですよね。試作段階では、回路を作り込むだけではなく、同時に外装のことも考慮しながら進めます。

燦駆動はようやく回路の結論にたどり着きましたが、外装はいくつもパターンを製作して悩んでおりました。以下のように何タイプかのノブポジションやケースカラー、表記等のテスト製作を繰り返していたのですよ。で、検証をやってみて今回は外装に条件があることが判明しました。

燦駆動は電源がマイナス9vで作動します。通常のエフェクターとは逆の電源となります。FUZZには多いようですがね。ただし、内部処理だけの問題ですので、外部電源を使う際は問題なく、通常のセンターマイナス電源アダプターが使えます。このようなマイナス9vを使う場合はケースをグランドに接地させないために、ジャックにプラスティックのものを使のが常識であると先日知りました。

そこでプラスティック製のジャックを何タイプか取り寄せて、燦駆動を試作してみました。KOREさん用に作る燦駆動で絶縁タイプのジャックを使用したのですが・・・。結果として、KOREさんからOKが出ませんでした。「OKを出したプロトとサウンドが違う!」の一言です。何が違うのか?今までの試作と変えたところはジャックだけですが・・・。

禅駆動や弾駆動では、ケース全体がグランドになっていてそれがシールド効果を生んでいるのですが・・・。やはりケースがグラウンドになっていないとダメなのか?そこでKOREさんの目の前でジャックを通常の金属製ジャックに交換しました。すると・・・!あららら!見事にサウンドが変化したのです!KOREさんも「これならOK!」であると!

ここで一つの縛りが出来てしまいました。燦駆動のケースにアルミポリッシュのSILVERタイプを使うと、スイッチオンの状態で他の+9vエフェクターとケースが接触した場合、ショートする可能性があるのです。ということは外装にカバーをかけるか、塗装済みのケースを使わなくてはなりません。

であれば、いつも使っている黒を選択するのがケースの在庫に無駄がなくてよろしい!という結論になりました。燦駆動は本来必要なコントロールは3ノブですが、どうもデザイン的に落ち着かなくていけません!文字も入れにくいし・・・。そこで決意したのが、4ノブ仕様で仕上げることでした。もう一つ加えるコントロールは、以前「頭増幅」でウケを狙って付けた「LEDコントロール」です。

ギタリストによっては、LEDの光量がステージでは明る過ぎると言われるので、いっそのこと必要な範囲でLEDの光量を調整出来るようにしましょう!てな経緯で出来上がったのが以下の「燦駆動」完成形です。回りまわって結局、今までのデザインに統一となりました。「駆動シリーズはシェルトップ!」でございますなあ。

これが完成形!

現時点で、使用しているトランジスタの在庫がほぼ無くなりかかっています。もう4台〜5台分しか残っていません。しかも、このトランジスタは個体によってかなり個性が違いますので、実際に組んでみてサウンドをチェックしないと使えるかどうかの判定がむつかしいのです。昨日もオーダーがあって1台作ったのですが、完成後にチェックしてみると微妙に狙いからずれたサウンドだったのです。トランジスタを差し替えつつ何度かトライしましたが、上手く行かず、結局は回路基板を一から作り直しました。そんなわけで、いまのところ基板の合格率は50%です。

ちなみに、他のメーカーのトランジスタでも数タイプを試してみたのですが、これが・・・ダメなんです。GAINがありすぎて、私が狙っている線より暴れてしまうのです。私が作りたいのは滑らかで温かな、コントロールがちゃんと出来る甘〜い感じのFUZZです。いまのところ、KOREさん、Mr.Henry Kaiser、ASAHIさんの3人にとても気に入ってもらっています。本日4台目、5台目を出荷しますよ〜!



本日の結論
合格率50%は辛いわ〜〜〜!!!

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