到着的音響箱
2008年12月06日 ついにBob のキャビが届いた!


「バールと軍手を用意して」

DHLの輸送は、出発時点から到着時点まできめ細かくトレース出来る。WEBの文字を追ってみると、まずは、Bobが自宅でDHLのWEBに「集荷に来て!」と申し込んだ瞬間に、私宛にメールが届いた。ほほう!いよいよだな!と感じさせた瞬間である。やがて荷物は集荷され、DHL の集荷場所へと運ばれた。その後フロリダからオハイオへ移動し、飛行機に乗せられたようだ。

さらに荷物はアラスカのアンカレジでトランジットの後に、日本へ向けて飛び立った。成田でDHLが受け取り、税関検査へと。やがて税関の輸入許可が出た。直ちに貨物はDHLが引き取り集配所へと向かう。そして東京から横浜へと移動し、12月5日の朝の時点でついに配送へと回された。だが・・・当家の妻は不在だったのだろう。その時点のトレース結果では「次の配送サイクルでの配達準備中」と表示されていた。

ブツは近所にあるのだが、当家が受取れない状態という事なのだ。荷物の重量は約40kgである。当家はマンションの9階。エレベータは7階までしかない。7階から9階までは階段を手持ちで上らなければならない。重量物を一人で搬入するには運送屋泣かせの構造なのだ!

つまり、重い荷物を苦労して持ち込んでも当家が不在だと、又しても持ち帰り出直さなければならなくなるのである。それ故に、当家では妻が家にいる時間帯の「配送指定は午前中で!」と常にお願いしているのだが、海外からの予測出来ない配送手配だと、それを伝えるすべが無い。当方はただただ、DHL配送担当者が我慢強い方であってくれと祈るばかりなのである!

が、5日夜に帰宅してみるとまだ届いていなかった。帰宅後の手洗いや夕刊を読んでいたらピンポ〜〜〜ンとインタホンが鳴った。おおお!来たか!と玄関に出てみると、そこにはイケメンのDHL配送員が書類を片手に立っていた。キャビネットは持ってきていない。本当は昼過ぎに配達予定だったのだが、配送の荷物が多すぎてこの時間になったそうだ。当方にとってはその方が好都合だったのだが。

「お荷物はこちらにお運びしてよろしいでしょうか?」

「もちろん!半年も待ってたんですよ〜〜〜!」

「あの・・・エレーベータはどちらでしょうか?」

「そうですよね。ちょっと重すぎますよね。
 私も運ぶの手伝いますから車まで一緒に行きますよ」

「いやいや!それは結構です。私がこちらまでお運び致しますので」

駐車場から当家までのルートを細かく知らせたところで配達員は階段を下りて行った。私は玄関を開けっ放しにして再度配達員が現れるのを待っていたのだが・・・。8分後、ウンウンうなる配達員の声が部屋の中まで聞こえてきた。わははは〜〜〜!!!だから言わんこっちゃねえ!

急いで階段まで行ってみると、 イケメン君は階段の最後の段でへたばっていた。顔面から汗が噴き出している。シャツも汗でびしょびしょだ。私はすぐに駆け寄りデカイ木箱を一緒に持ち上げた。

「ね?言ったでしょ?一緒に運ぶのを手伝うって!」

「ほんとうですね!こんなにキツイとは思いませんでした。
 運送屋泣かせのマンションですね!ゼイゼイ・・・ハアハア・・・」

てな事で無事に当家の玄関先に運び込まれたのであった。


BOBのキャビネットが当家に来た〜〜〜!!!

届けられた荷物はかなり頑丈な梱包がなされていた。Bobのキャビをオーダーしたら、バールと軍手を用意しておくようにという先人の忠告はよ〜〜〜く理解できた。まずは、木製の外装をぶっ壊さなければキャビが取り出せないのだ。しか〜〜〜し!今回は違っていた。運送の途中で裏蓋部分の釘がほとんど外れてしまっていて、真ん中の頑丈な帯を切ったら簡単に裏蓋が取れてしまったのである!なんだよ〜!苦労しなくて助かったけどね!


裏蓋を外すとキャビの全貌が現れた!大量のエアパッキンにぐるぐる巻きにされている。引っ張り出してエアパッキンを丁寧に取り除くと、おおお〜〜〜!!!ついに私の手元に届いた!2008年6月12日にオーダーしてから実に26週間かかって届けられたのである!逢いたかったぞ!キャビネット〜〜〜!!!



しかし!今は夜も更けてしまったので、いくら防音部屋とはいえ大きな音を出す事がマンション暮らしでははばかられる。大きなサウンドでのチェックは明日に持ち越しとなってしまった。もちろん控えめなサウンドではチェックはした。締まりのあるサウンドだぞ!

今後、Bob Burt にオーダーしたいと思われる方もいるだろうから、ここまでに至る詳細を時間軸に従ってご報告するとしよう!ただし、今回のケースはかなり特殊であったようだ。

基礎知識として。
Bob Burt はスピーカーキャビネットをオーダーで製作している職人だ。アメリカのフロリダ州に工房を構えている。なかなかマニア好みのキャビ製作で定評がある。完全オーダー制なので、好みの木材や色、形状をオーダーする事が出来る。彼のWEBに今まで製作した様々なキャビの画像がギャラリーとして展示されているので、その中から好きなものを選んでオーダーすると指定が簡単だね。

http://www.bobburtcabinets.com/

もちろんスピーカーもインストールしてもらえるのだが、エミネンスだと安く取り付けてもらえるのでエミネンスがお好みならかなりお得感がある。彼のWEBにスピーカーの価格リストもあるので、ご覧になると円高の今はかなりお買い得だと感じられるだろう。

まずスタートは、昨年秋に知人から Bob Burt 製作のスピーカーキャビネットを借りた事からだ。スピーカー2発入りのキャビなのだが、来年3月まで当家で預かる事になっている。日々そいつを使ってスピーカーをエージングしているとも言えるのだが・・・。使い始めてすぐにこれは良さそうだから、自分用にオーダーしたいと考えるようになった。そこである程度「禅駆動」の売り上げによって財力に余裕が出来た時点で、Bob Burt にメールを送って価格と製作期間を確認する事にした。

Bub Burt のメールは返信が速い。完全オーダーなので、やって欲しい事を伝えれば価格が出てくる。何度かやり取りして、デザインを決定した。Bobから「これって材料が高いよ!」と忠告されたのだが、思い切ってそれで作ってくれるようにとオーダーした。これが6月12日の事。その時点で完成まで12週間かかるとBobは伝えてきた。9月中旬完成予定だった・・・。

06月
12日

デザイン決定。正式オーダー。Paypalによる支払い完了。
スピーカーはエレクトロボイスを2発入れるように指定した。
この時点で為替レートは1ドル=112円。

 
09月

23日

予定では完成しているはずなのに、
Bobから連絡が無いので問い合せをしてみた。するとこんな返事が・・・。

「やっと気に入ったメイプル材の手配が付いた。今週中に手に入れる。
仕事を受けすぎて大変作業が遅れている。すぐに作るからもう少し待ってて」

いくら何でも、材の手配が遅すぎるんじゃねえか?

10月
24日
さらに1か月過ぎて連絡が無いので問い合せした。すると意外な返事が!

「4週間前に突然妻が代理人を通じて離婚届けを突きつけてきた。
そのドタバタで、工房も機材も私の財産全てが凍結されてしまったので、
何も作業出来ない状態が3週間続いていた。
今週になりようやく工房が使えるようになったので作業を再開した。
あなたのキャビネットは90%完成している。
あなたの指定したスピーカーを来週発注するので、完成まで2週間待って!」
     
11月 19日

またしても連絡が来ない。どうなっているのだと問い合せしたが・・・。
Bobからさらに思わぬ返事が届いた。

「あなたが指定したスピーカーは注文生産品だったので完成まで3週間かかる。
11月20日に出荷されるので、届き次第組み込んで仕上げる。
スピーカーが2つで35ポンドとかなり重いので、当初予定していた 送料では足りなくなった。追加送料を知らせるので了解して欲しい」

11月
29日

その後、Bobから送料の追加料金の連絡が来ない。「どうして?」と連絡。

「本日、あなたのキャビネットにグリルを貼り込んだ。12月1日に発送できる」

おいおい!またしても追加送料の連絡ではないなあ!発送日は分かったので、
出来上がったのであれば画像を送って欲しいと依頼した。ところが送られてきた画像を見て私の指定が間違っている事に気づいた。

ジャックの形状がスタンダードのままだったのだ。そこで、私が欲しかったジャック「Tonedoctor system」の画像を見つけてBobに送り「今からこれに取り替えてもらう事は可能か?」と連絡した。

「 Tonedoctor system は在庫があるので取り替える事は可能だ。価格は195ドル。これでよければすぐに取り付けるので連絡して欲しい」

迷っている時間はない。パーツはショップで買っても165ドルなので、
「すぐに取り付けて!」と返信した。

11月
30日

Bobからメールが届いた。

「あなたのキャビネットはTonedoctor systemを取り付けて完成した。
グレートな仕上がりである。明日発送できる。
追加料金は送料145ドル + Tonedoctor system 195ドル。」

この日のドルレートは96円程であった。当初オーダーした時点より15%も安い。
すぐに私はPaypalで支払いを完了した。
全ての支払いを最後に出来たなら、3万円はセーブできたはずのドル安である。
12月
01日

運送会社のDHLからメールが届いた。
Bob Burt がキャビネットの発送手配の伝票を書いたとの報告だった。

12月
05日
当家へ、スピーカーキャビネットが到着した。
日本での税金は、予想していたより安く3,000円だった。

以上のいきさつからアクシデント部分を抜くと、ほぼ15週間程度で完成できたはずである。通常のパイン材でオーダーすれば、確かに当初のスケジュール通り12週間で出来上るのだろうな。てなことで、これからオーダーされる方は、スタンダードなキャビをオーダーされた方が安心していられそうだね!


スピーカーキャビが届いてすぐに、上の画像とともにBob Burt に無事に届いたとのお礼メールを送った。すると2時間後にBobから返信が届いた。

Hi Toshihiko,

I am glad the speaker cabinet arrived safe and sound. I always have great concern when one is in transit internationally.

I appreciate the photograph as well. It is always nice to have a photo of the cabinet in its new home, in this case I have the added bonus of seeing it with its new owner. I will place this in my portfolio for safe keeping.

Again, I apologize for the delay in production. My life took a huge turn unexpectedly and caused many delays.

Love the guitars in the background of your photo as well.

God Bless,
Bob Burt



本日の結論
私は「禅駆動」を作るのに忙しかったから忘れていられたが、
何もしていなかったら待つのに苛ついただろうなあ〜!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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