記念的禅駆動
2008年10月23日 本日は記念日なのだ!


昨年10月23日の映像 。「合格!」の意味である!

「やがて時が経てば」

いや〜〜〜!!!1年経つのは早いものだね〜〜〜!!!

本日は、是永氏をはじめとする多くのギタリスト達に感謝を込めて書き記すのである!
世界中の禅駆動ユーザーの皆様!ありがと〜〜〜!!!

突然、昨年10月頭からオーバードライブ回路の勉強を開始して、七転八倒しながらもなんとか2週間後の10月21日に「禅駆動」プロト機が出来上がった。速攻で、是永氏にサウンドチェックをお願いしたところ・・・速攻で「やり直し!」と言われ、くっそ〜〜〜なんとかしてやる!と徹夜で修正を加えた。翌日になり是永氏に再挑戦し、ついに「合格!コレ欲しい!」と言わしめたのは1年前の2007年10月23日だった。今日は私にとって、いや世界中のギタリストたちにとって記念すべき「禅駆動誕生日」なのである!(それほどのもんか?)


当初の「禅駆動」デザイン

その日以来、口コミで広がってボチボチとプロアマ問わず「私も欲しい!作って!」と言われ続け、その度に「はい!了解しました!」と安請け合いをしてしまっていたなあ。当初はユニバーサル基板だったし、半田の技術もまだまだだったので、半田ミスも多くて、基板が出来上がったのにサウンドが出ないという悲惨なケースは多々見受けられた。

この頃、是永氏と松永純一郎氏からデモ演奏のMP3データが届けられた。ありがたい事である!

製作も10台をすぎたあたりから「こりゃあユニバーサル基板では対応できんなあ!」とプリント基板製作に手を出した。量産体制への移行である。基板はなんとかスムーズに量産出来るようになった。そして自分用にと作り出したのが「ZEMA」仕様だ。劇的な登場ではあったのだが、現在ではあのアバロンシート貼り込みがすっかり標準仕様となってしまったがね。しかし、ケースは相変わらず、自分で塗装を施していた。実はこの塗装作業が一番面倒だったのだ。


初期 ZEMA バージョン

やがて2007年12月になり、焼き付け塗装のケースを入手することでケースの塗装からは解放された。しかし反面、ケースへの穴開け加工は自力でやる必要が出て来た。サイド面に3モードスイッチを加えたからである。ボール盤を購入し、日々穴開け作業に励んだ。大きな音が出るため、深夜の作業は出来なくなってしまった。

この頃「禅駆動」の存在がエフェクターマニアの知るところとなり、急激にオーダー数が増えて来た。年末から年始にかけてひたすら製造に励む日々となった。バックオーダーがたまり始めプレッシャーによっていささか精神状態が落ち込みかけたが、なんとか乗り切りすべてを1月末には納品終了した。一段落しながらもその後もポツポツとオーダーは続いていた。

春先になり深夜に完成品のサウンドチェックをやっていたら、ついつい出音が大きくなりすぎて、マンションの他の部屋からクレームがついた。いかん!いかん!と思いつつも、再びクレームがついてしまった。なんとかしなければと、以前から考えていた私の部屋の防音化工事を決意。3月末から2週間で完成。これで安心して大音量でチェック出来るようになった。防音部屋とはいえ、さすがに深夜に爆音を出してしまった時はクレームがついたが・・・。


防音工事中の様子

禅駆動の製造台数が50台をすぎて、使用している「オペアンプNJM4558艶あり」が枯渇してしまいドタバタとする事態になった。代替えオペアンプも探してみたがどれも気に入らず・・・緊急回避として「オペアンプ持ち込みなら作ります」と宣言した。それでもかなりの数の方々がオペアンプを探し出して持ち込まれた。どうしても見つからない方のために「NJM4558DA艶あり」をまとまった量手に入れたのでしばらく使用した。これはこれで素晴らしいオペアンプだ。5月末になりNJM4558D艶ありを大量ゲットできた。しかし・・・足下を見られてかなり高額な買い物となってしまったのだが。

やがて6月、ついに出荷台数が100台に達した。そして、101台目のオーダーがあった。アメリカ在住のアメリカ人プロギタリストからだった。その名はShane Conaway。彼のオーダーが大転換を迎えるきっかけだった。是非試したいとの意思表示があったので、私は勝負することにした。「1台作って送るので、気に入ったら購入して!気に入らなかったら送り返して!」とね。

その禅駆動は6月12日に完成し、すぐに発送された。数日後、Shane Conawayから激賛のメールが届いた。もちろんすぐに代金が振り込まれた。彼は禅駆動がとても気に入ったので、持っているアンプが必要なくなり売り飛ばしたという。驚きである!さらに、シングルコイル用にもう1台オーダーして連結して使ってみたいとメールが届いたので、すぐに製作し届けた。念のために2回路入った「禅駆動SUPREME」も試奏してくれと一緒に送りつけておいた。

やがてShane Conawayの喜びは、実力行使へと移っていった。音楽系WEBの掲示板にあちこちに「禅駆動はいいぞ!みんな使え!」と書き込みを始めたのである!さらに彼は、自分で演奏したデモ映像をYoutubeに掲載した・・・。8月下旬のことであった。

Shane Conawayのデモ映像は分かりやすく的確であった。さらにデモ映像の最後に私のメールアドレスを口走っているのである。Shaneの解説が英語であるが故に、それを聴いた海外の人々から続々と私宛に質問メールが届き始めたのだ。「あんたのWEBは日本語で分からん!なんとかしてくれ!」とか「日本語じゃないと注文出来ないのか?」とか「いくら?納期は?あなたはどこに住んでいるの?」とかもっと複雑で応えようの無い質問もあったが、なんとかこなしつつ、処理していった。そしてその質問の嵐が途切れたとたん、今度はオーダーの嵐へと移行したのであった!

ついに有名な音楽系掲示板の THE GEAR PAGE でも禅駆動は話題となり激論が交わされることになった。その激論がさらに火をつけた感があった。賛否両論はあったがそれは当然の成り行き。すべての評価は掲示板の中で決まるわけではない。実際に使った人だけが下せるのだ!

8月末から毎日オーダーは続き、9月中はなんと30台も製作するはめに!日産1台のペースだったのだ。そして気がつけば、日本を含め世界14カ国からオーダーが来てしまった。カナダ、スウェーデン、ギリシャ、香港、アイルランド、スペイン、オーストラリア、ドイツなど、私が行ったことのない国々からのオーダーにはかなり興奮した。あまり大声では言っていないが、この中には世界的に活躍しているギタリストも含まれているのだ。

10月に入ってもオーダーが途切れることは無かった。相変わらず週に2台〜3台のオーダーが続いている。その合間に、修理や初期不良品の代替え品製作も行っているので、けっこう毎日作業しなければ処理し切れない状況が続いている。

そして!10月22日時点で「禅駆動」は172台目の出荷となった。この他にも人知れず製作したものもあるので、実製造数は190台程度になっている。つまり、この一年間は2日に1台作っていた計算だね!

やがて時が経てば、新しい名器が登場し「禅駆動」が駆逐される日が来るだろう。人の命と同じように、機材の人気にも寿命はあるのだ。その日が来るまで世界のどこかから「禅駆動が欲しい!」とのメールが届く限り、そして私の手が動く限り、愚直に作り続けることにしよう!ただし、それまでオペアンプの在庫があればの話だがね!


本日の結論
さてと、2年目はどうなるのだ?

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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