六弦的修正後
2008年10月13日 昨日の続きだ!


サドル修正完了

「机のそばに立てかけておいて」

前回の続き。

前回ご紹介した「カーリーコア材全面単板豪華インレイギター」は、オリジナルの状態で色んなチェックをしてみたところ、まず全面に渡るコア材のフレーム具合は見事なものだった。持つ者に満足感を与えるね。インレイも見事に細かく入れてあるが、ちょっと荒っぽい部分もあった。価格的にこんなもんだろうと私は納得しているのだがね。

インレイで1カ所だけ大笑いの部分があったのでそれをお見せしよう。ギターを2人の天使が囲んでいるデザインがあるのだが、それをアップで観ると・・・プッ・・・と笑いたくなるのだ!このあたりのデザイン処理が西洋で製作されていないと感じさせているね!本来、天使の顔はもっとふっくらとして可愛いものではないのかね?こいつブスだし・・・全身も何となく間延びしてるし・・・。

とはいえ、今更このデザインが変更できるわけでもなく、私は大笑いしつつ次の作業へ移るのであった!

次は丁寧なチューングの後に、ネックの状態をチェックした。フレットは丁寧な処理がされていてエッジも滑らかに加工されていた。凸凹も無いように見える。だが、ネック全体がほんのわずかだが順反りだった。ここを修正しよう。六角レンチで90度ほど締め込んでみた。弦高が若干下がって来たが、弦高が6弦12フレットで3.5mmあった。もうちょっと修正した方が私は弾き易いので、サドルをいじった後でさらにやってみよう!

この時点でチューニングの確認をした。12フレットの実音とハーモニクスでチェック。するとやはり音痴になっていた。特に2弦の誤差が大きかった。やっぱりね!オリジナルのサドルを見た瞬間から「これって絶対間違ってる!」と確信していたので、正確なチューニングが出来るように修正することにした!

オリジナルは仕様書によるとバッファローサドルであると書いてあった。これって水牛の角かな?オリジナルはすでに削り込みがギリギリまでしてあるのでこのまま修正しても使い物にならない。そこで手持ちの象牙材を削って一から作り直す事にした。

オリジナルを採寸し、象牙材に外形を書き込み削り出しを始めた。ところが、象牙材のサイズがかなり大きかったので削り込む部分がとても多くて作業は困難を極めた。様々なヤスリを使って少しずつジックリと削っていったのだが・・・2時間後ようやく必要サイズに削り込みが終了。指先がとても疲れたなあ!仕上げにニュアンスの部分を厳密に削り込んで行き完成!トータル2時間半もかかってしまったぞ!最後に磨きをかけて終了だ。ブリッジに差込んでみると、ぴったりのサイズで前後左右に全くぐらつきがない。これは嬉しい仕上がり具合だ!

弦を張ってみると、サドルのTOP位置は弦とぴったり合っていた。製作手順に間違いは無かったなあ。これ又嬉しい結果だぞ!弦は手持ちに「Martin」のライトゲージがあったのでそれにした。以下の画像がそのパッケージだ。1弦、2弦もゴールドカラーなので見た目にも豪華な感じがして好きな弦だな!

弦を張り直して、再度ネックの調整を行った。さらに90度ほど締め込んでみる。1弦12Fで2mmまで弦高を下げてフィックス。本来はもう少し下げたいところだが、アコギはあまり下げすぎるとらしさが無くなるので寸止めである。ネックも調整したばかりだし、弦も張り替えたばかりなのでまだ安定していない。そこである程度チューニングを施した時点で一晩寝かせる事にした。

朝になり、チューニングのやり直しだ。厳密にチューニングを終らせて、12Fの実音とハーモニクスを確認すると、ふっふっふ・・・合格である!見事に設計通りのセッティングになっていたぞ! ところで、なぜオリジナルではこのようにサドルをセッティングしていないのだろうか?ちょっと気になるのだが・・・。

いよいよサウンドチェックである!最初の印象は穏やかなサウンドであることだ。ハイがギラギラしていない。シャリシャリもしていない。コア材独特の軽やかさで落ち着いたハイの出方である。でも、決してハイが不足しているわけではない。ドンシャリでもなければ鈴鳴りでもなく、全体的にバランスがとれてまとまった心地よいサウンドといった感じなのだ。

さらにローはきちんとでているのでトータルのサウンドとしては、私の好きなギターであると言える。象牙サドルに替えたことで、かなり気に入ったサウンドに仕上ったな。机のそばに立てかけておいて日々チョロチョロとつま弾くのが嬉しい感じのギターだね。



気になる方は当家に遊びにこられればいくらでも弾けるのでご遠慮なくお越し下され!


本日の結論
やはりギターは自分でメンテすると楽しいね!愛着もわくし!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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