馬鹿的拾弐弦

2008年09月02日 久々に馬鹿な買い物をした!


なんだこいつは?


「基本性能だけはきちんと」

まずは「ホテルカリフォルニア」又は「夢のカリフォルニア」の12弦ギターのイントロを思い浮かべながら読んでいただきたい!

先々週になり、再び「禅駆動」のオーダーや問い合わせが増えて来た。海外からも問い合わせは続いている。いまのところ程よい頻度なので混乱はしていない。体調との兼ね合いをはかりながら対応しているのでなんとか生産は続けていられるが・・・。

ところが・・・なんと言えば良いのだろうか、作ることを続けているとちょっとしたフラストレーションがたまり始めたのだ。すっかりギターを弾く時間もなくなってしまい、私の所有ギターは「禅駆動」の完成チェック時以外には弾くチャンスが無くなってしまった。

会社員をやりつつ、製造業もやっているとそのように時間の配分が「会社に行く」又は「禅駆動を生産する」の二つしか選択肢が無くなっている現状だ。そんな中で、沸々とフラストレーションが物欲へと変化し始めた。きっかけはオークションでそのギターを発見した時からだ。

私の場合、ギターを欲しいと思うことと弾きたいと思うことはイクオールではない。どちらかというと「そばに置いて触ってみたい」との願望の方が強い。お宅の方々がフィギイアを収集するのに近い感覚なのだろうな。飾って眺めるのもギターの性能の一つと感じるのだ。

古い話になるが、高校生の頃に部室においてあった12弦ギターに初めて触った。当時の私は何ともキラビヤカなサウンドに魅了されたものだ。しかしその後、6弦のギターは数十本手に入れて来たが、12弦ギターは手に入れることもなく数十年を過ごして来た。別段欲しいとも思っていなかったのでね。そもそもギターに対する収集欲がここ数年はすっかり消えてしまた私だったが・・・。

ところが、最近になりなんとなくギターに対する残尿感とでも言うのか、それを感じ始めた。それがなんだか良く分からなかったのだが、オークションに出品されているギターを眺めているうちに「おお?ひょっとしてこの方向性か?」と気づき始めた。それは12弦ギターの存在だった。今の私に12弦ギターを弾きたいという欲望はない。あくまでも今までに手に入れたことがないジャンルのギターを手元に置きたいという「所有欲」だけにすぎないのだがね。

サムズ工房というギター製作会社がある。確か台湾だったと思うのだが。インレイがたっぷり入ったギターを製作している。数年前にオークションで良く見かけたのだが、その頃は「ギターとしての出来が悪い」イメージがあって、無視していた。インレイも豪華な割には何となく荒っぽく、デザインセンスもいまいちの気がしていたのだが・・・。

ところが、先月偶然にオークションページでサムズ工房のギターを再発見した。とても面白いデザインのギターだった。日本のギターショップが出品していたのだが、そのショップではオークション以外でもレギュラーでサムズ工房の楽器を通販している会社だ。オークションで客を集めて通販で売るのだろうね。

そして、そこでのユーザーの評価が昔と違って悪くないのだ。さらにクレームがあればそのショップが真面目に対応するようである。ショップの対応もかなり良い感じらしい。ほほう!これは面白い!オマケに一般的な常識的価格からすれば驚くほど安価なのである。これならダマされても諦めがつく価格である。てなことで、じっくりとオークションの観察を始めた私だった。

ギター、ベースを合わせて8本程度が毎週オークションに出品されていた。1円出品もあれば、定価出品もある。もちろんターゲットは1円出品のギターだ。同じ形のギターでもインレイのデザイン違いで何種類か存在している。欲しいと思うデザインもあれば、これはちょっとなあ・・・と敬遠したいデザインもあった。そして、ついに「おっ!これなら手に入れてもいいか?」と思えるデザインの12弦エレアコがオークションに出て来たのである。

それはギターのボディーデザインが、ギブソンのマンドリン型だった。クラシカルなデザインだ。私は妙にその形に魅了されてしまった。オークション終了まで6日ある。1円スタートのオークションなので、じっくり粘って終了間際に入札する作戦もあるのだが、めんどうなので、とりあえずこの価格なら買っても良いかと思える金額を入札してみることにした。その上限金額は6万円。この時点でオークションに表示された最高入札金額は15,500円だった。まだまだ余裕である。

2日後、覗いてみると27,500円に上がっていた。まだまだ遥かに大丈夫だね。その後毎日覗いていたけれど、入札価格は全く動かなくなっていた。やはり12弦ギターを欲しがる人々は少ないのか?やがてオークション最終日がやって来た。朝っぱらから覗いてみると・・・ほほう!追いかけて来たやつがいるなあ〜!金額は41,500円まで上がっていた。まだまだ6万円までには余裕がある。締め切り時間ギリギリの攻防で6万円あたりが決着金額になるのでは?と予測した。決着時刻は深夜24時である。

23時になり覗いてみると・・・あら?41,500円のまま動いていなかった。やはりギリギリの攻防か?と締め切り10分前にチェクしたらやはり41,500円のままであった。ほほう!いよいよこれから攻めが始まるのか?と1分毎にページを更新しつつ観察を続けていたが、ついに1分前になっても入札額に変化が現れなかった。1分前に変化がないとほとんどの場合その金額で決着するのだが・・・。

オークション終了時刻がやって来た。結果は私の勝利であった。落札金額は41,500円!この豪華な仕様でこの価格は大笑いだ!、さらに驚くことに、ショップの対応が異常に早かったのである。落札直後の8月28日01時頃にカードで支払い手続きを済ませたのだが、8月28日昼には早くも「支払いを確認したので商品の発送をした」との連絡があり、なんと!29日の午前中には当家に配達されて来たのである!落札から商品が届くまで約30時間の早業なのだ!久々に清々しいまでの気持ちよい取引である!

ところで、ギターの性能としてはどうなのだ?と問われれば、まだじっくり弾いていないのでよく分からないというのが正直な感想だ。見た目の仕上がりは笑えるほど豪華である。弾くためというより、飾るために手に入れたようなものだから、私は満足しているがね〜!気になる方は当家に遊びにこられて試奏してくだされ!ちなみにチューナーはとても使い易かったぞ!

と言いつつ、ジックリ観察してみると・・・新品なのにネックが順反り。仕上げの粗っぽい部分が次々に見つかってきた。フレッティングも荒っぽい。ううむ・・・このままで使うにはいささか辛いなあ・・・。まあ安かったので仕上げに関して文句は言うまい!しか〜し!ギターとしての基本性能だけはきちんと整えなければならない。

弦高が高いのでギリギリまで下げたいが、サドルがこれ以下には出来ない構造になっていた。ううむ・・・ここもなんとかしなければならないなあ。てなことで、早くもギターメンテのプロにフレットの打ち込みとすりあわせ、各部の調整に出す事を決めた。結局安物を買うと、その後に高くつくって事だね〜!

本日の結論
数年ぶりに手に入れたギターがこれかよ!

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