分布的禅駆動
2008年08月19日 北欧からオーダーあり!


こいつは何もの?

「実に面白い時代に生きている」

遅々として進まない開発の現場より最新レポート!

燦駆動はその後「完成はまだなのか?」とか「いつ完成するんだ?」とか、お問い合わせがいくつもあった。ところが、私自身もいつ出来上がるか分からないのだ!出来上がった時が完成時期としか言いようがない状態である。

ちょっと手直しをしては1週間寝かせ、また手を加えては1週間寝かせを繰り返しているのだが、なぜそうなるのかというと、10台以上のプロトタイプを作ってしまったために、ターゲーットがぼやけてしまい、ワケが分からなくなっているからだ。基準は「自分で弾いて気持ちよいサウンド」であることに違いはないのだが、それを追求していくと徐々に「禅駆動」に近寄ってしまう。違う方向性のサウンドを作ろうと思っているのにそれではダメだね!

今のところこの辺りではないか?と思えるバージョンは出来上がっているが、ほんのわずかな部分が気になっている。つい先日、KOREさんが当家に顔を出した際、これ幸いと3台のチェックをお願いした。もちろんKOREさんも気がかりだったようですぐにチェックは始まった。

その中の1台について・・・。実は燦駆動の回路ではTONEポットを回してもあまり変化が感じられない。微妙に変化はしているのだが・・・。そこでいっそのことTONEポットを外してしまったバージョンはあり得ないのか?と作ってみることにした。回路的にはちょっと工夫を凝らして問題がないように処理したのだが・・・。で、KOREさんが試奏した結果「おっ!これってOD-1そっくり!」との爆弾発言が飛び出した!それって名機「BOSS OD-1」のこと?なんだか変なことになっちまったなあ〜!てなことで面白い結果は出たのだが、本来の目的と違うので、これはこれ以上の追求をやめることにした。


OD-1 そっくりとの評価が出たプロト

そして2台目。電圧を18vにして高級パーツで組み上げてみたプロトタイプだ。これはあっさりボツとなった。そして3台目、念のために一番最初に作ったプロトタイプのコンデンサを1個だけ値を取り替えたものをチェックしてもらった。原点に帰るためである。ところが・・・ KOREさんの評価は「これはかなり来ている!なかなか行ける!中音域がほんのわずかに持ち上がれば完成だね!」と・・・ううむ・・・やはり当初の方針を貫くべきであったか・・・。

問題はこれからである。量産するためには再現性や生産性を確認しなければならない。ところが・・・初号サンプル機で回路に使ったのは、私のパーツボックスの中に転がっていた余り物の安いコンデンサや安い抵抗だったのである。特にコンデンサはかなり前「GAKUYA 1号」開発時に購入したもので、当時購入したショップはすでに営業を辞めているので同じパーツの追加購入が難しい。

そこで、同じ回路を高級パーツで組み直したところ同じサウンドは出なかった・・・。つまり、再現性の確認をするためには初号サンプル機と同じコンデンサを手に入れなければならないのだ。かといっていまさらメーカー名は分からないし・・・。見かけが似ているのを何種類か手に入れてテストしてみるしか解決の手だてはないだろうな。

なんて悩みつつ進めている燦駆動開発だが・・・同時に禅駆動の動きも少しずつ変化している。アメリカ進出以来、少しずつ他の国からの問い合せが来るようになったのだ。以前ご報告した通り、アメリカ、オーストラリア、カナダにはすでに禅駆動を発送している経緯がある。そして、昨日はスウェーデンからメールで問い合せがあった。それが、本日になり正式オーダーとなった。こうなると、禅駆動世界分布図を作成したくなるではないか!存在している個数を赤で表記してみると以下のような分布図が出来上がった。何となく壮大な気分になるなあ〜!さすがに南極からはオーダは来ないだろうと地図上では南極大陸は省いておいたがね。

この図を眺めているととても不思議な気分が湧いてくる。極東の島国で個人がひっそり作り出した品が、現時点でこのように分布している事実を視認すると、インターネットが世界中に普及した事でこのような分布が可能になったのだなと感慨深い物がある。実に面白い時代に生きているとしみじみ感じる本日である!


本日の結論
世界制覇はまだまだ遠いなあ〜!

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