発注的増幅箱
2008年06月19日 勢いでオーダーしてしまった!
 

「だが・・・1つ心配な事がある」

アメリカのスピーカーキャビネット製作者にBob Burtというおっさんがいる。上の画像はその工房の内部だ。ずいぶん前から気になっていたのだが、なかなか現物をいじるチャンスが無くてどんなもんかなあと気になっていたのだが・・・。

今年の5月突然、登録会員の井岡様から「来年の春までギターを弾いている時間が取れないので、よかったらBob Burtのキャビネットをしばらくお貸ししますよ!」と申し出でがあった。司法試験を受けるために、勉強に集中されるのだという。という事であれば、エージングも兼ねてありがたくお借りする事にした!

いよいよ当家にそのキャビが届いて、しばらく使っていたのだが、実は私が持っているアンプヘッドの「Zeeta by Maven Peal 50Gold 」に合うスピーカーキャビネットが欲しいと思っていたのだ。このアンプヘッドは明るめのナチュラルカラーである。となれば、キャビもナチュラルカラーにしたい。

ちなみにこのアンプはもう生産されていない。かなり評価の高いアンプなのだが、聞くところによると、製造原価と手間がかかりすぎて商売として成立しなかったらしい。世間にある程度存在している「Zeeta by Maven Peal 」は20w仕様がほとんどだが、私のは50w仕様だ。元々生産数がとても少なかったので、今手に入れようと思ってもまず見つからないようだ。

「Zeeta by Maven Peal」の特徴

ノイズがとてつもなく少ない。電気的にいろいろ工夫がしてあるので良質の電流を常に確保する構造になっている。昇圧トランスすら不要。

VolumeはMICとInstrumentの2つだが、これらのつまみは両方生きていてケーブルをInstrumentに入れ、Micには何も入れてなくてもMic Volumeつまみをいじることによって、音質・音量は影響を受ける。この2つのつまみだけで結構いろいろできる。

またこのアンプにはパワーアンプが2台入っており、Toneつまみをひっぱることにより、さらにLooseでGainのある音となる。この3つのつまみ(含むPush & Pull)だけでまず、様々な音が作れる。Two Rockなどはつまみもたくさんあって、良い音を作るのが相当に大変であるが、このアンプはそれぞれのセッテングが魅力的なサウンドであり、感覚的に対応できるのが素晴しい。

Sag Controlというのは電圧を低下させる機能であり、これによってより真空管アンプらしくなる。非常にデリケートなコントロールである。よりアンプがタッチ・センシティブになり、歪みは弾く強さで大きく変わってくる。Robben Fordっぽくなるとでも言おうか。タッチとギターのVolume Controlで歪みをコントロールする発想である。これが非常にかっこよいのである。

Wattage Controlは0.5Wから50Wまでの出力をコントロールするもので、Master Volumeやアッテネーターとは別物のユニークなメカニズムである。

このアンプは従来のアンプとはまったく異なる設計思想を持っている素晴しい製品である。アンプのプリウスであろうか。All BrothersのWarren Haynesなども同じモデルを使っているのだ。低音もすごいし、音は艶があるし、まさに究極のアンプのひとつであろう。
(以上の情報は http://blogs.yahoo.co.jp/prssignature/より転用させていただいた)

話を戻そう!

Bob Burtのスピーカーキャビネットは、受注生産である。アメリカのBob宛に直接オーダーしなければならない。しかし、彼の作るキャビは仕様が沢山あり、さらにオリジナルデザインにも対応してくれるようだ。そうなるとオーダーする前に綿密な打ち合わせが必要となる。ここで私の語学力が問題となるのだが・・・。

幸いにして、彼のWEBには完成品のサンプル画像が沢山掲載されているので、その中で気に入ったものがあれば、画像を指定してオーダーする事も出来る。キャビだけではなく、もちろんスピーカーもインストールしてもらえるのだが、Bob BurtはEeminenceのディーラーもやっているので、Eeminenceのスピーカーであれば、安価に取り付けてもらえる。

ところが、私は ELECTRO VOICE のスピーカーを取り付けたくなったのだ。そうなるとキャビだけオーダーして日本に届いてからスピーカーを取り付ける 作戦も考えられた。そこで日本での価格を調査してみると、ふむふむ・・・。で、アメリカでの価格は・・・ふむふむ・・・。で、調査した結果が出そろったところで、いよいよBob Burtと交渉開始である!

http://www.bobburtcabinets.com/gpage.html ←このURLで見ていただくと分かるのだが、Bob Burtのキャビはかなり安く感じられる。そこで私は V-FRONT 2x12 を選ぶ事にした。形は決まったが、外装の仕様は3つの方向性が考えられる。ナチュラルなら ANTIQUE PINEだし、PINE COVEREDのトーレクス仕上げも捨てがたい・・・。だが・・・私が気になっていたのは、フレームメイプルを使ったサンプル画像だった。かなりラグジュアリーな仕上げである。

プロギタリストであれば「けっ!フレームメイプル〜?そんなもん趣味が悪いぞ!実用性には関係ね〜し!運ぶたびに傷だらけになるぞ!EVの2x12かよ!重すぎて運べんぞ!」と言うに違いない。それは重々承知している!しか〜〜〜し!私はこれが欲しいんだも〜〜〜ん!どんなに重くても、どうせ部屋から運び出す事は無いしね!仕様を絞り込んだところで・・・それではBob Burtと交渉開始!

それからBobとメールでやり取りすること10回程で、ようやく私の希望が正しく伝わり、見積もりが確定した。Bobのメールによる対応は丁寧でいかにも職人っぽくて心地よかった。私の要求であったEVのスピーカーも調達してインストールしてもらえる事になった。笑ってしまったのは、Bobが「フレームメイプルキャビはとても高いよ!」と心配してくれた事だ。美しいフレームメイプル材を調達する事も大変のようだが。かなり重くなったので送料は300ドルになってしまったなあ。

Dear Toshihiko,

If the picture represents what you are wanting,
I can give a final quote. Once payment is received the order goes into affect.
Right now my turn time is approximately 10-12 weeks.

Flame Maple Cabinet $750.00
EVM12L Classic 8ohm $195.00
EVM12L-8ohm $250.00
Shipping $300.00
Pay Pal Fee $ 55.00

Total $1,550.00

I look forward to working on this project for you.

Kind Regards,
Bob Burt

てなことで、私はPaypalで直ちに支払いを済ませた。すぐにBobから返事が送られてきた。

Dear Toshihiko,

I received your pay pal payment and I will begin
the search for the flame maple lumber for your cabinet.
That is the first step, to find the perfect boards,

Thank you and I look forward to building this lovely unit for you.

Kind Regards,

Bob Burt

6月13日にオーダー手続きは完了したので、製作スケジュールが予定通りに進めば8月末から9月上旬に私の手元に届けられるはずだ。楽しみにジックリ待つ事にしよう!

ところで、1つだけ受け取る際に下準備しておく必要があるようだ。以下の画像をご覧いただきたい。配送される時には段ボールではなく、頑丈な木箱に入って届けられるのだ。つまり、この箱をぶっ壊さないとキャビネットは取り出せないのだ。そのためには軍手とバールが必需品になるようだ。8月末までには揃える事にしよう!

だが・・・1つ心配な事がある。それは日本国内での配送業者の事だ。当家にこれを運び上げるには1人では無理なんじゃないか?当家は9階なのだが、配送業者が使う駐車スペースは4階にあたる部分だ。そこからは階段を使って手持ちで運ばなければならない。実に運送屋泣かせの当家なのだ!すまん!すまん!



本日の結論
バラした木箱の後始末も大変だなあ〜!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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