贋作的禅駆動
2008年01月18日 自分で贋作を作る!
 

「禅駆動」ではなく「弾駆動」だ!

「高級コピー商品風」

もう40台以上「禅駆動」を作り続けているのだが、以前から疑問に思っている事があった。それはパーツの価格と性能のバランスである。もちろん精度が高いパーツは価格が高いのだが、では精度とはいったいなんなのか?それはパーツに与えられた数値の製造誤差の事だ。

例えば抵抗の場合、100kΩの製品では安いものではプラスマイナス5%程度の誤差があるものだ。これはメーカー側も認めている事実である。つまり95kΩ〜105kΩの幅があるという事だ。ワンランク上の金属皮膜抵抗だとこの誤差がプラスマイナス1%程度になる。99kΩ〜101kΩの範囲だ。で、問題は価格である。その誤差の分だけ価格も上下する。

安い5%誤差もの抵抗だと、100本まとめて買えば1本あたり1.8円〜2円程度だ。1%誤差の金属皮膜抵抗だと8円〜10円程度だ。しかしこの誤差は、製品を大量生産する場合には性能ののバラツキが出来るので問題となるが、1個だけ作る場合にはあまり問題とならない。まとめて買ってその中から数値の正しいものを選び出せばよいだけだからだ。

「禅駆動」に使っているカーボンコンポジット抵抗はさらに高くなる。1本30円〜40円だ。安いものの20倍もする価格だ。ここで気にならないか?この価格の差が「誤差」の違いだけによるものなのか?サウンドの違いはどの程度出るのだろうか?とね!

そこで、以前から気になっていた作戦をやってみる事にした!「弾駆動」製作である!「禅」→「弾」にしただけであるが、自分で自分の作る物を贋作風にパロディー化してみたというわけ。安いパーツを使った中国製のコピー商品にありそうな感じの名付け方ではないか!こいつのコンセプトは「極力安いパーツで回路を組み上げてみるとどうなるか!」だ。そこでのサウンドの違いを確認するためのプロジェクトなのだ!

まず抵抗は全部、一番安いものを揃えた。1本あたり2円だ。コンデンサも1個10円程度のものを使用。歪みを決めるMOSFETとダイオードは「禅駆動」と違うものでは意味がないので、以前製作して失敗したために放置してあった基板から取り外して再利用した。オペアンプはソケット式にして取り替えられるので様々なものが試せるのだが、まずは50円のものにしてみた。仕上げはノブだ。サウンドには関係ないのだが、これまた私が持っていた一番安い50円のものにしてみた。

一つだけどうしても安く出来なかったがTOPの材だ。これだけはシェルを貼る事にした。カラーコピーのほうがチープ感が出るので面白いのでは?とも考えられるが、そこはチープさを求めるのではなく「高級コピー商品風」で行くためあえてシェルにしたのである!


安いパーツだけなので回路は塗りつぶしてみた!

回路は同じ、配線材も同じにしてクリッパ切り替え付き仕様で仕上げてみた。果たして結果は〜〜〜!!!ううむ・・・使える!使えるのである!「禅駆動」にくらべてやや粒立ちが粗い感じがするがそれなりのちゃんとしたオーバードライブサウンドである!ヌケが若干悪い感じはどうだろうか?弾き比べなければ気にならない程度か?今後、何人かに試奏してもらって感想を聞く事にしよう!

てなことで無事に出来上がった「弾駆動」だが、これに関してはオーダーを受ける気はない(する人もいないってば!)ただし・・・抵抗は100本単位でまとめ買いしたので大量に余っているのだよ!これってどう始末すればいいんだよ〜!


本日の結論
結果、制作費としては思ったより高くついたのだがね!

「独断倉庫」に関しての御意見は「啓示倉庫」へ書き込んで下さいな。



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