別離的増幅箱
2007年07月09日 別れに涙はつきものか?


そしてついに「GAKUYA1号/2号」は出荷されてしまった!

「量産化に悩む本日である!」

半月ほど前に登録会員2名から発注があり、なんとか私が作りあげた木造超小型ギターアンプ「GAKUYA1号」と「GAKUYA2号」は昨日、発注者ご本人の是永様が当家に来られて最終サウンドチェックがなされた。一次チェック後のコンデンサ微調整が功を奏したのか、かなり気に入ってもらえたのであった。音源が発表できないのは非常に残念である!

何本かのギターで弾き比べてもらったが、このサイズでもけっこう美味しい音が出ることが判明して、製作者としても感動のフィニッシュなのであった!一流プロギタリストが弾くサウンドで客観的にチェックできるのはありがたい環境である!そして出荷されてしまったのだ!

今回の製作作業を通じて判明したことは「小さくてもやはりギターアンプは木キャビに限る!」だった。金属やガラス、プラスティックの筐体ではあのふくよかなサウンドは再現できかったのだ。さらにもうひとつはスイッチ設置の問題点だった。

「GAKUYA1号」はジャックインで電流がスイッチオンとなる。つまり、プラグを刺している限り電池が消耗し続けるということだ。逆にいえば、ジャックさえ刺さなければ電池は温存できる。そこで改良型として「GAKUYA2号」ではGAINのポットにスイッチ付きを採用した。これで、プラグを刺したまま電源のON、OFFが出来るようになったのだが・・・。

納品するにあたって「GAKUYA2号」をプチプチで梱包していたところ、スイッチがONになってしまった! GAINポットのクリックが思っていたより弱かったのだ。これでは輸送中に電池が消耗してしまうぞ!あららら!いかんいかん!と包みを開いてGAINのノブをテープで仮止めして緊急対応した。このアンプの使い方をシュミレーションすると「気軽にバッグに入れて日常的に携帯し、楽屋で使用する」ことが考えられる。まあ、「GAKUYA」に関しては携帯する以外に存在意義がないのだが・・・。ネーミングもその用途に絞って付けたのであるし!

持ち歩くとなると、ストッパー付きのケースに入れてGAINスイッチノブが回転しないようになんらかのプロテクトが必要となるなあ。ううむ・・・超小型アンプなのにスイッチだけのために「フライトケース」を必要とするのか?それなりに面白い趣向ではあるが、こりゃあ本末転倒だよなあ〜!

以上を踏まえ「超小型携帯ギターアンプにおけるスイッチの在り方」を慎重に考察した結果、スイッチは取り付けずに「プラグインで回路的にスイッチON!」を「GAKUYA3号」以降の標準仕様とすることに決定した!つまり、現在手元にあるスイッチの在庫は今後ほとんど使用されることなく眠りにつくのである!(もったいね〜!)


スイッチ付きステレオジャック

そこで必要なのが、スイッチ付きジャックだ。もちろんすぐに手配し10個ほど届いた。ということは、今後まだ10作品以上を作り出す気なのか!そんな気力充実の昨今、今まで入手が難しかった「GAKUYA」用の標準キャビ材である「ポケットティッシュ入れ(210円)」が、先週当家よりちょっと離れた大型100円ショップで3個ゲットできたのである!この個数で店内にある在庫は全部お買い上げとなった!これ以上は手に入らないのか?

そこで店員に問いただすと、個数は少ないが今後も定期的に入荷するとの情報を入手したのだ!さらに、入荷状況は店へ電話で品番を問い合わせすると判明するという。なんという有益な情報だろうか!これで無駄な100円ショップ出撃が阻止できるのである!

回路もほぼフィックスしたし、量産化するためにスピーカー、キャビ、電子部品、の手配はすべて出来ることとなった。最後に残ったのはスピーカー保護の黒い金属製ネットだけだ。今まで作ってきたものは、手持ちのジャンクスピーカーケースから切り出して使っていたのだが、これから先数個作ればなくなってしまう量しか残っていない。私はこれから先も安定供給できるスピーカー保護材を探さなければならないのだ!

と・・・ここまで書いてきて、ふと思うことがあった。私はいったい何をやっているのだ?量産して一体何になるのだ?商売する気もなく量産してどうなるのだ?今後、さらに回路を進化させたところで、このサイズのアンプなのだからそれほどの機能は詰め込めないし、音質の向上も望めないはずだ。そもそもシャレで作り始めたのではないのか?これを進化させるとしたら、BTL回路にして出力を倍にするくらいしか思い浮かばんなあ〜!

やがて本日になり私の中に致命的な感情が現れ始めた。ふと見渡した机の上に、あのアンプ達はもう居ない・・・。「GAKUYA1号」と「GAKUYA2号」を手放したことで、一抹の淋しさがこみ上げてきたのである!手塩にかけた作品がこの手から離れていく場合に、職人であれば「商売!商売!銭のため!」と割り切って考えられるのだろうが、あいにく私は職人ではない。自分の体の一部が持ち去られたような気分になっちまうのだ!ううう・・・この先、この気持ちをどうすればよいのだろうか?と・・・量産化に悩む本日である!

とつぶやきつつ、いまだにBTL回路がクリアできないので次の作品に手を出す気になっていなかったここ数日だったが、本日になりJFETを採用したBTL回路をWEBで見つけたのだ!この回路だと、NJM386BDを贅沢に2個使って仕上げれば、なんと2w出力が可能となる!パーツ代がいささか増加してしまうのだが、たかが数百円の追加投資である!この投資によって、私が夢見ていた「GAKUYA 3号・2wバージョン」完成の可能性が出てきたのである!しかし、このまんま作ったのでは面白くないので、私なりに回路に手を加えてオリジナル化してみようではないか!

最初に木製ティッシュケースで作ったのはNJM386D採用の「GAKUYA・0.5wバージョン」だった。その後、発注があり、オペアンプをNJM386BDに取り換え1w出力にし、さらに電源を18vに増強して「GAKUYA・1wバージョン」は完成した。そして、好評のうちに納品は終了した!これをさらに進化させ、あの小さなボディーから2wが出てくれれば、楽屋仕様としては充分な出力ではないだろうか?うふっ!完成が楽しみだ〜〜〜!!!

本日の結論
再びBTL回路を組む望みが出てきたぞ〜!

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